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ポリスチレン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
PS樹脂から転送)
ポリスチレン
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ポリスチレンの化学構造
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識別情報
CAS登録番号 9003-53-6
PubChem 7501
J-GLOBAL ID 200907094521701050
MeSH Polystyrenes
RTECS番号 DA0520000
特性
化学式 (C8H8)n
外観 無色透明な固体
密度 0.96–1.04 g/cm3
融点

240 °C

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ポリスチレン: polystyrene)とは原油ナフサを原料に合成されるスチレンモノマーとするポリマーであるプラスチック樹脂である。略号はPSで、樹脂識別コード(SPIコード)は6である。スチロール樹脂(スチロールじゅし)とも呼ばれる。

ポリスチレンは1935年に初めて工業化され、80年以上の歴史がある[1]。現在、世界中で約1200万トンのポリスチレンが使われている。ポリエチレン(高密度と低密度の2種類)、ポリプロピレンポリ塩化ビニルと並び、5大汎用樹脂のひとつに挙げられている[2]

ポリスチレンは大きく分けると、透明性が高く硬いという特徴の汎用ポリスチレン(GPPS)と、ゴム成分を加えて衝撃性を改良した乳白色の耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)の2種類がある[2]

概要

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一般的に用いられているポリスチレンは過酸化ベンゾイルをイニシエーター(ラジカル開始剤)としてスチレンラジカル重合して得られるアタクチック構造を持つプラスチックであり、非晶性のポリマーである。

アタクチックポリスチレンは熱可塑性樹脂で安価であり、容易に射出成形できる事から日用品やプラモデルの素材として広く用いられている。

比較的硬質の、無色透明あるいは白色のプラスチックで、染色性、塗装性や接着性、切削等の加工性も良好。プラモデルでは弾力性や耐摩耗性などの強度面からABS樹脂など他素材を組み合わせたキットが増えているが、これら異種素材は塗装や加工に各々難点があり注意を要する。

欠点として、弾性に乏しく曲げや衝撃に弱く、傷もつきやすい。また経年とともに黄変や曇りを生じ、実用品としてはやや耐久性が劣る。

またポリスチレンに発泡剤を用いて成型する発泡スチロールは食品の断熱容器の他、近年は建築用断熱材としても広く用いられている。

熱可塑性を利用して、プラ板として学校の工作やキーホルダーなどの工芸品の製作に使用されることもあるが、易燃性で、引火ないし高温を加えると有機溶剤・石油系の強い臭気と黒煙を発するため、オーブンレンジ等で過熱する際には温度を上げ過ぎないように注意する。

また、メタロセン触媒による重合ではシンジオタクチック構造を持つポリスチレンを合成することができる。これによって生成するポリスチレンは結晶性の高分子であり、不透明であるが、アタクチックポリスチレンよりも耐熱性に優れている。

テルペン油エゴマ油シソ油など一部の食用油リモネン柑橘類に含まれる)、ベンジンシンナーなどに溶ける。また、アルコールと長期間接すると味を変質させることがある。

参考画像

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脚注

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  1. ^ ポリスチレン(PS)の歴史について”. 日本スチレン工業会. 2021年11月30日閲覧。
  2. ^ a b ポリスチレン(PS)とは - ウェイバックマシン(2021年1月1日アーカイブ分)

関連項目

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外部リンク

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