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PKPインターシティED160形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
FLIRT > PKPインターシティED160形電車
PKPインターシティED160形電車
ED160形(ED160-019)(2017年撮影)
基本情報
運用者 PKPインターシティポーランド語版
製造所 シュタッドラー・レール
製造年 2015年 - 2023年
製造数 32編成(8両編成32本)
(ED160-001 - ED160-032)
運用開始 2015年
主要諸元
編成 8車体連接車
軸配置 Bo'2'2'2'2' + 2'2'2'2'Bo'
軌間 1,435 mm
電気方式 直流3,000 V
架空電車線方式
最高速度 160 km/h
起動加速度 0.6 m/s2
車両定員 着席354人(1等60人、2等294人)
編成重量 252 t(増備車)
編成長 152,900 mm
全幅 2,820 mm
全高 4,120 mm
床面高さ 1,180 mm
車輪径 920 mm
760 mm(連節台車)
固定軸距 2,500 mm
2,700 mm(連節台車)
主電動機 水冷式誘導電動機
編成出力 3,000 kW(最大)
定格出力 2,000 kW
制御方式 VVVFインバータ制御IGBT素子)
備考 主要数値は[1][2][3][4][5][6]を参照。
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PKPインターシティED160形電車(PKPインターシティED160がたでんしゃ)は、ポーランド国鉄グループポーランド語版に属する鉄道事業者であるPKPインターシティポーランド語版が所有する電車スイスシュタッドラー・レールが展開する鉄道車両ブランド「FLIRT」の1車種で、2015年から営業運転を開始した[1][2][3][4][5][6]

概要

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2013年、PKPインターシティは、シュタッドラー・レールとポーランドのネヴァグポーランド語版のコンソーシアムとの間に、8両編成の電車を20編成導入する契約を交わした。これに基づき製造が実施されたのがED160形である。当初は両社が分担して製造を実施する事が検討されていたが、スケジュールの都合で全車両ともポーランドのシュドルツェポーランド語版に位置するシュタッドラー・レールの現地子会社「シュタッドラー・ポルスカ」の工場で製造が行われている[3][7]

4車体連接車を2本連結する形の8両編成(1 - 8号車)を構成しており、動力台車は運転台側に設置されている。車体は軽量アルミニウムで構成されており、車体強度や耐衝突性といった安全基準を満たした構造になっている。また、動力台車を含む各台車は空気ばねが用いられており、乗り心地の向上が図られている。制御システムについてはヨーロッパ各国で導入が進むETCSに対応している[1][2][5]

車内は全体が床上高さ1,180 mmと段差がない構造になっており、照明や内装も含め乗客の快適性の向上が図られている。また、車内にはバリアフリーに対応したトイレが設けられている他、売店(ビストロ)が設置されている車両(3号車)には2人分の車椅子スペースが、その隣に連結されている車両(4号車)には自転車用スペースが存在する。また、各車両には乗客への情報表示システムや安全対策用の監視カメラ、冷暖房双方に対応した空調装置が完備されている[1][2]

最初の車両は2014年末からシュドルツェの工場での組み立てが始まり、翌2015年3月に完成した。その後は同年10月までに契約分の全20編成(ED160-001 - ED160-020)の製造が実施された一方で試運転が各地で行われ、同年12月13日に実施されたダイヤ改正で営業運転を開始した。以降は首都・ワルシャワを始めとした各都市を結ぶ長距離列車に用いられている[3]

その後、2017年に実施されたPKPインターシティ向けの新型電車の入札についても2019年にシュタッドラー・レールが製造権を獲得しており、これを用いる形で新たに8両編成12本(ED160-021 - ED160-032)のED160形の増備が実施される事となった。軽量化によるエネルギー消費量の削減やリサイクル可能な素材の使用、防音性の向上、制御システムの更新といった改良が施されているこれらの車両は2022年から2023年にかけてPKPインターシティへの納入が行われ、順次営業運転に投入されている[4][6][8]

編成・諸元

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座席表
ED160形 編成・主要諸元[1][2]
号車 等級 定員 トイレ 参考・備考
1等座席 2等座席 折り畳み座席
1号車 1等 37人 ×
2号車 1等 23人
3号車 2等 8人 車椅子スペース2箇所、バリアフリートイレ、売店、食堂席8人分を設置
4号車 2等 54人 6人分 自転車用スペースを設置
増備車は折り畳み座席なし
5号車 2等 60人
6号車 2等 56人
7号車 2等 56人
8号車 2等 60人 ×

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c d e Flirt”. PKP Intercity. 2024年10月3日閲覧。
  2. ^ a b c d e ELECTRIC MULTIPLE UNIT FLIRT PKP Intercity, Poland”. Stadler Rail. 2024年10月3日閲覧。
  3. ^ a b c d Tomáš Kuchta (2016-3). “Class ED160 – The Longest FLIRT 3 EMUs”. Railvolution (M-presse plus): 38-49. ISSN 1804-3429. 
  4. ^ a b c Stadler Wins Tender for 12 FLIRT Trains for PKP Intercity”. Railway-News (2019年8月21日). 2024年10月3日閲覧。
  5. ^ a b c Second Batch Of FLIRT EMUs For PKP IC”. Railvolution (2021年2月8日). 2024年10月3日閲覧。
  6. ^ a b c New Flirt EMUs handed over to PKP Intercity”. Railway Pro (2023年6月5日). 2024年10月3日閲覧。
  7. ^ Stadler Polska Sp. z o.o., Siedlce”. Stadler Rail. 2024年10月3日閲覧。
  8. ^ Michał Szymajda (2023年12月21日). “Wszystkie dwanaście Flirtów od Stadlera w parku taborowym PKP Intercity”. Rynek Kolejowy. 2024年10月3日閲覧。