PH1b
ケプラー64b Kepler-64b[1] | ||
---|---|---|
星座 | はくちょう座[2] | |
分類 | 太陽系外惑星 | |
軌道の種類 | 周連星惑星 天王星型惑星[3] | |
軌道要素と性質 元期:BJD 2454970[3] | ||
軌道長半径 (a) | 0.634 ± 0.011 AU[3] | |
近点距離 (q) | 0.600 ± 0.007 AU | |
遠点距離 (Q) | 0.668 ± 0.017 AU | |
離心率 (e) | 0.0539 ± 0.0081[3] | |
公転周期 (P) | 138.506+0.107 −0.092 日[3] | |
軌道傾斜角 (i) | 90.022+0.072 −0.061 度[3] | |
主星との傾き | 2.814 ± 0.073 度[3] | |
近点引数 (ω) | 348.0+6.7 −5.0 度[3] | |
通過時刻 | BJD 2455074.71 ± 0.11[3] | |
準振幅 (K) | 0.80+0.28 −0.17 km/s[3] | |
位置 元期:J2000.0[1] | ||
赤経 (RA, α) | 19h 52m 51.63s[1] | |
赤緯 (Dec, δ) | +39° 57′ 18.4″[1] | |
距離 | 約5000 光年[4] | |
物理的性質 | ||
半径 | 6.18 ± 0.14 RE[3] (0.551 ± 0.013RJ) | |
主星との半径比 | b/Aa: 0.03222 ± 0.00045[3] | |
質量 | < 169 ME[3] ( < 0.532 MJ) | |
主星との質量比 | b/Aa: < 0.000357[3] | |
推定質量 | 35 ± 15 ME[3] (0.11 ± 0.03 MJ[3]) | |
表面温度 | 524 - 613 K (251 - 340 ℃) | |
発見 | ||
発見日 | 2012年 | |
公表日 | 2012年10月15日 | |
発見者 | キーアン・ジェク (Kian Jek) ロバート・ガリアーノ (Robert Gagliano) | |
発見方法 | ケプラー宇宙望遠鏡の 観測データの分析[5]。 | |
他のカタログでの名称 | ||
PH1[6], PH 1b[1], KIC 4862625b[1], KIC 4862625Ab, 2MASS J19525162+3957183b. |
||
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
PH1bとは、ケプラー64を公転している太陽系外惑星である。
惑星の発見
[編集]惑星ケプラー64b (PH1b) は、エール大学の系外惑星探索プログラム、プラネットハンターズ (Planet Hunters) に参加している、アマチュア天文学者のキーアン・ジェクとロバート・ガリアーノによって、ケプラーの観測データから発見された。
PH1という名称は、プラネットハンターズの頭文字と、このプログラムで最初に発見された惑星であることに因んでいる。発見の発表は2012年10月15日になされた。当初は惑星がPH1とされたが、2013年5月に発表された正式な論文では、主星(恒星Aa+Abの系)がPH1、惑星はPH1bとされた[3]。
軌道の性質
[編集]PH1bは、AaとAbの重心から9490万km(0.634AU)離れた軌道を138.5日かけて公転している。離心率は0.054で円軌道に近い。これは発見された比較的遠目の軌道を公転する惑星としては珍しい方である。地球から見ると、PH1bはAaの手前は通過するが、Abの手前は通過することが無い[3]。
PH1bとAbが同時にAaの手前を通過した様子はまだ観測された事は無いが、2009年12月29日にPH1bが通過し終わった直後にAbが通過したことはある[3]。
物理的性質
[編集]木星 | PH1b |
---|---|
PH1bの直径は、Aaの恒星面通過から、地球の6.18倍、木星の0.551倍であるとわかっている。また、視線速度の変化も測定されており、それによって質量は地球の169倍以下である事がわかっている。しかし、169倍は恒星同士の恒星面通過時刻にも影響を及ぼすほどになってしまうため、恐らく地球質量の20倍から50倍ではないかと考えられている。この推定が正しければ、PH1bの組成は天王星型惑星が最も近い。しかし、Aaからかなり近い軌道であり、Aa自身も太陽より明るい恒星であることから、表面温度はアルベドが海王星とほぼおなじの0.3で340℃(613K)、0.9でも251℃(524K)であると推定される高温のホット・ネプチューンである。なおこの推定には、あまり明るくないAbの影響は含まれていない[3]。
PH1bは天王星型惑星であるために、分厚い大気層に阻まれ表面から空を見ることはできないが、仮に雲の上空から見ると、ひときわ明るいAaが見えるはずである。AbはAaよりはるかに暗く、Aaからの距離も近いため、恐らく見えないと考えられる。BaとBbは極めて遠くにあるため、恐らく背景の星々とあまり変わらない明るさ程度にしか見えないと考えられている[5]。
関連項目
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f Kepler-64b -- Extra-solar Confirmed Planet SIMBAD
- ^ 太陽系から一番近い星に系外惑星を発見 AstroArts
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t Planet Hunters: A Transiting Circumbinary Planet in a Quadruple Star System arXiv
- ^ Planet with four suns discovered by volunteers BBC News
- ^ a b “4つの太陽を持つ惑星を初確認”. ナショナル ジオグラフィック日本版サイト. 日経ナショナル ジオグラフィック (2012年10月17日). 2023年10月8日閲覧。
- ^ “'Planet Hunters' discover new planet, PH-1”. KSDK.com (2012年10月15日). 2013年10月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月8日閲覧。