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N/A (小説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
N/A
著者 年森瑛
発行日 2022年6月22日
発行元 文藝春秋
ジャンル 小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 上製本
ページ数 120
コード 978-4-16-391562-3
ウィキポータル 文学
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N/A』(エヌエー)は、年森瑛による小説。第127回文學界新人賞の受賞作である。

概要

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タイトルの「N/A」とは、「not applicable(該当なし)」、「not available(使用不可)」の2つの意味を持つ言葉である[1]

SNS検索エンジンといった、インターネット上のやり取りが多く描写されている。また、性的少数者の視点も交えた社会的マイノリティもテーマの一つとなっている[2]

2022年4月7日に発売された『文學界』2022年5月号に、第127回文學界新人賞受賞作として掲載された[3]

2022年6月22日、文藝春秋より単行本として刊行された[4]

あらすじ

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高校2年生の松井まどかは、月経で自分の体内から出血することを嫌悪していた。中学校の時に配布された保健室だよりで、低体重になると月経が止まることを知って以来、炭水化物を抜くなど食事を制限する生活を続けている。体重は、13歳から40キロ弱を維持し、通っている女子高では「王子様」と担ぎ上げられていた。

「かけがえのない他人」を探しているまどかは、教育実習のためやって来たうみちゃんと知り合う。恋愛の対象としてまどかに接近してきたうみちゃんに対し、まどかは「他の人では代替不可能な関係」になれるならと「お試し」で付き合うことにした。

しかし、友人の翼沙から、うみちゃんがTwitterで特別な関係としてまどかのことをツイートしていることを知り、まどかは不快感を覚える。そして、うみちゃんに対し、LINEで今までの投稿を削除するよう要求する。

評価

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第127回文學界新人賞では、選考委員である青山七恵東浩紀金原ひとみ長嶋有中村文則村田沙耶香満場一致で受賞した[5]

その中の東浩紀は、「安易なマイノリティ表現への違和感の表明であり、同時にそのような表明の安易さへの批判でもあるという点で、まさにいま求められる文学なのではないか。」と評した[6]

一方、第167回芥川賞・第36回三島賞の候補作となったが、受賞はならなかった[7]

出典

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  1. ^ 芥川賞はどうなる? 文學界新人賞を満場一致で受賞した年森瑛インタビュー「私は正確に書き起こす機械でいたい」”. リアルサウンド (2022年7月20日). 2022年10月14日閲覧。
  2. ^ 「尊重」「配慮」がひとり歩きする社会のしんどさを描く…芥川賞候補作”. 文春オンライン (2022年6月30日). 2022年10月14日閲覧。
  3. ^ N/A【第127回文學界新人賞受賞作】”. 文藝春秋 (2022年4月12日). 2022年10月14日閲覧。
  4. ^ 【6/22(水)発売】雑誌掲載時から大注目! 文學界新人賞受賞作・年森瑛『N/A』単行本発売決定”. 文藝春秋 (2022年6月13日). 2022年10月14日閲覧。
  5. ^ 【文學界新人賞受賞作『N/A』】選考会で異例の満場一致!”. ダ・ヴィンチ (2022年6月24日). 2022年10月14日閲覧。
  6. ^ 『N/A』作品紹介
  7. ^ 候補作すべて女性の芥川賞は高瀬隼子さん、5作のうち4作が女性の直木賞は窪美澄さん”. 読売新聞オンライン (2022年7月20日). 2022年10月14日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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文藝春秋 BOOKS『N/A』年森瑛