マイケル・ポーター
マイケル・ポーター Michael Porter | |
---|---|
世界経済フォーラムにて(2009年) | |
生誕 |
1947年5月23日(77歳) アメリカ合衆国・ミシガン州 アナーバー |
居住 | アメリカ合衆国 |
国籍 | アメリカ合衆国 |
研究分野 | 経営学 |
研究機関 | ハーバード大学 |
出身校 |
プリンストン大学卒業 ハーバード大学経営大学院修了 |
主な業績 |
ファイブフォース分析の提唱 バリュー・チェーンの提唱 |
プロジェクト:人物伝 |
マイケル・ポーター(Michael Porter、1947年5月23日 - )は、アメリカ合衆国の経営学者。学位は経済学博士(ハーバード大学・1973年)。ハーバード大学経営大学院教授。企業戦略や国際競争など、競争戦略に関する研究の第一人者として知られる[1]。
来歴
[編集]ミシガン州アナーバーにて生まれ[1]、将校である父親と共に世界各地を渡り歩いて育った。1969年にプリンストン大学航空宇宙機械工学科を卒業[1]。高校時代にはアメリカンフットボールと野球で州代表に、大学時代にはゴルフで全米代表(NCAA)チームに選ばれるなど運動能力も抜群だった。
1971年、ハーバード大学にて経営学修士号(Master of Business Administration)を取得、1973年には同学大学院にて経済学博士号(Ph.D. in Business Economics)を授与されると1982年に同学史上最年少の正教授となる[1]。現在は、ハーバード大学の教授の職位の一つである「Bishop William Lawrence University Professor」 として活動している[2]。
1983年、戦略コンサルティング会社のモニター・グループ(Monitor Group)をハーバード大学教授陣と創設(現 モニターデロイト(Monitor Deloitte) 。)
研究
[編集]アメリカを中心に世界各地で多くの国や州の政府、および企業の戦略アドバイザーを務め、ファイブフォース分析やバリュー・チェーンなど数多くの競争戦略手法を提唱した。
代表的著書である『競争の戦略』は経営戦略論の古典として今日でも多くの経営者や、経営学を学ぶ学生の間で利用されており、MBA取得者が選ぶお薦め経営学書ランキングで第1位を獲得している。
1980年代にはアメリカの競争力強化に関する大統領 (しもん)会議に出席。その結論を不満に思い、独自の研究を重ね「国の競争優位」を出版する。そこでは国の産業優位を構築するクラスターの形成と衰退の実例を分析し、産業分析の研究に多大な進歩をもたらした。
1991年に適切な環境規制が企業の効率化や技術革新を促し競争力を高める可能性を指摘する「ポーター仮説」を提唱した[3][4]。
著書
[編集]- Interbrand choice, strategy, and bilateral market power, Harvard University Press, 1976.
- Competitive strategy: techniques for analyzing industries and competitors, Free Press, 1980.
- Cases in competitive strategy, Free Press, 1983.
- Competitive advantage: creating and sustaining superior performance, Free Press, 1985.
- 『競争優位の戦略――いかに高業績を持続させるか』、土岐坤・中辻萬治・小野寺武夫訳、ダイヤモンド社, 1985
- The competitive advantage of nations, Free Press, 1990.
- 『国の競争優位』、土岐坤・中辻萬治・小野寺武夫・戸成富美子訳、ダイヤモンド社, 1992
- Michael E. Porter on competition and strategy, Harvard Business School Press, 1991.
- On competition, Harvard Business School Publishing, 1998.
- 『競争戦略論』、竹内弘高訳、ダイヤモンド社, 1999
- Clusters of innovation: regional foundations of U.S. competitiveness, Council on Competitiveness, 2001.
共著
[編集]- Competition in the open economy: a model applied to Canada, with Richard E. Caves and A. Michael Spence, Harvard University Press, 1980.
- Upgrading New Zealand's competitive advantage, with Graham T. Crocombe, Michael J. Enright and Tony Caughey, Oxford University Press, 1991.
- Advantage Sweden, with Örjan Sölvell and Ivo Zander, Norstedts, 1991.
- The new challenge to America's prosperity: findings from the innovation index, with Scott Stern, Council on Competitiveness, 1999.
- Can Japan compete?, with Hirotaka Takeuchi and Mariko Sakakibara, Macmillan, 2000.
- 『日本の競争戦略』、ダイヤモンド社, 2000
- The global competitiveness report 2004-2005: results of the executive opinion survey 2004, Palgrave Macmillan, 2005.
- Redefining health care: creating value-based competition on results, with Elizabeth Olmsted Teisberg, Harvard Business School Press, 2006.
編著
[編集]- Competition in global industries, Harvard Business School Press, 1986.
- 『グローバル企業の競争戦略』、土岐坤・中辻萬治・小野寺武夫訳、ダイヤモンド社, 1989
- Strategy: seeking and securing competitive advantage, co-edited with Cynthia A. Montgomery, Harvard Business School Press, 1991
脚注
[編集]- ^ a b c d 「マイケル ポーター」『現代外国人名録2016』 。コトバンクより2022年2月18日閲覧。
- ^ "Michael E. Porter", Biography - Michael E. Porter , Harvard Business School.
- ^ 伊藤康; 浦島邦子 (2013年). “ポーター仮説とグリーン・イノベーション ―適切にデザインされた環境インセンティブ環境規制の導入―”. 科学技術・学術政策研究所. 2022年2月18日閲覧。
- ^ 「ポーター仮説」『デジタル大辞泉』 。コトバンクより2022年2月18日閲覧。
関連項目
[編集]- ポーター賞
- ファイブフォース分析(五大要因モデル)
- バリュー・チェーン(価値連鎖)
- コストリーダーシップ
- 差別化戦略
- ヘンリー・ミンツバーグ
外部リンク
[編集]- Biography - Michael E. Porter - ポーターを紹介するハーバード大学の公式サイト。