LINEAR彗星 (354P)
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LINEAR彗星 354P/LINEAR | |
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2010年1月12日に撮影されたLINEAR彗星
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仮符号・別名 | P/2010 A2 |
見かけの等級 (mv) | ~18-20[1] |
分類 | 彗星[2] |
軌道の種類 | 小惑星帯 (フローラ族?) |
発見 | |
発見日 | 2010年1月6日 |
発見者 | LINEAR[1] |
軌道要素と性質 元期:2010年1月13日 (JD 2,455,209.5) | |
軌道長半径 (a) | 2.292 AU |
近日点距離 (q) | 2.008 AU |
遠日点距離 (Q) | 2.576 AU |
離心率 (e) | 0.124 |
公転周期 (P) | 3.47 年 |
軌道傾斜角 (i) | 5.27 ° |
近日点引数 (ω) | 132.72 ° |
昇交点黄経 (Ω) | 320.21 ° |
平均近点角 (M) | 11.63 ° |
出典 | JPL Small-Body Database[2] |
物理的性質 | |
直径 | <3km[2][3] (150m[4]) |
絶対等級 (H) | 15.7[2] |
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LINEAR彗星 (354P/LINEAR) とは、2010年に発見された太陽系小天体である。尾を持つため彗星に分類されたが、彗星ではなく小惑星同士が衝突した跡であるとする論文も提出されている。小惑星帯の中の軌道を周回している。
概要
[編集]LINEAR彗星は、2010年1月にリンカーン地球近傍小惑星探査 (LINEAR) 計画によって発見された。観測にはCCDカメラを備えた1メートル反射望遠鏡が使用された[1]。2010年1月の時点では観測期間は8日に留まっており、軌道は詳しく分かっていない。ただし2009年12月ごろに近日点を通過したとみられている[2]。
発見当初、この彗星は尾しか観測できず、明るい核やコマの存在を確認できなかったが、ハッブル宇宙望遠鏡による観測で通常の彗星より小さな核と、X字状の明るい部分が見つかった[4]。このような天体は特異な存在で、その性質を説明するために小惑星同士の衝突や核の分裂・消失などの仮説が立てられている[5]。
2010年4月頃にはX字の「核」は崩れ、それに伴い「尾」も小さくなっていった。また2010年10月には、これは彗星ではなく、小惑星同士が約17,700km/hで衝突し、その破片がX字に広がったものであるとの論文が学術雑誌ネイチャーに掲載された[6][7]。同月には、ロゼッタの画像分析の結果として、衝突は2009年2月10日頃(誤差は前後5日)に起こったという研究結果がESAから発表された[8]。この研究結果からは、LINEAR彗星の本体は120mで、衝突した物体は数メートルと見積もられている。
参考文献
[編集]- ^ a b c Marsden, Brian G. (2010年1月7日). “MPEC 2010-A32 : COMET P/2010 A2 (LINEAR)”. IAU Minor Planet Center. Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics. 2010年1月14日閲覧。
- ^ a b c d e “JPL Small-Body Database Browser: P/2010 A2 (LINEAR)” (2010-01-20 last obs). 2010年1月24日閲覧。
- ^ “Absolute Magnitude (H)”. NASA/JPL. 2010年1月14日閲覧。
- ^ a b “Suspected Asteroid Collision Leaves Odd X-Pattern of Trailing Debris”. NASA. 2010年2月4日閲覧。
- ^ 石垣島天文台 (2010年1月19日). “むりかぶし望遠鏡がとらえた、奇妙な彗星”. AstroArts 2010年1月21日閲覧。
- ^ “謎の「X」、昨年冬に発生=小惑星同士が高速衝突-ハッブル望遠鏡で継続観測” (日本語). 時事通信. (2010年10月14日) 2010年10月14日閲覧。
- ^ “小惑星同士の衝突跡か、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影” (日本語). AFPBB News (フランス通信社). (2010年10月14日) 2010年10月14日閲覧。
- ^ “When is a comet not a comet? Rosetta finds out” (英語). ESA (欧州宇宙機関). (2010年10月13日) 2011年1月13日閲覧。