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ITRANS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ITRANS(アイトランス)は、インドの文字(デーヴァナーガリーなど)をラテン・アルファベット翻字する方式のひとつ、およびその方式で書かれたテキストを処理するためのソフトウェアの名称。

京都・ハーバード方式と同様、ASCIIの範囲の文字だけを使うが、京都・ハーバード方式がサンスクリットに特化しているのに対し、ITRANS は主に現代インド諸言語を対象とする。

概要

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ITRANS は、Avinash Chopde (अविनाश चोपड़े)によって 1990年前後に開発された。当初はヒンディー語の映画音楽の歌詞をネットニュース上に載せることを目的としていた[1]

ITRANS ソフトウェアは、ITRANS の翻字方法で書いたテキストを、インドの文字に変換することができる。プレーンテキストHTMLTeXPostScript に対応している。

表記体系として、デーヴァナーガリーヒンディー語マラータ語サンスクリット)、ベンガル文字グジャラーティー文字グルムキー文字タミル文字テルグ文字カンナダ文字、およびサンスクリットの IAST 翻字に対応している。オリヤー文字マラヤーラム文字についてはUnicode出力のみ対応している。

ITRANS は、入力用にも広く使われている。たとえば、Google 入力ツールでは、ヒンディー語を選んで、デーヴァナーガリーの音声的キーボードを選ぶと、ITRANS 方式で入力できる[2]

一覧

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小文字と大文字を使いわける点では京都・ハーバード方式に似ているが、cha chha sha GYa などのつづりはハンター式に近い。

母音
デーヴァナーガリー
ISO 15919 a ā i ī u ū r̥̄ l̥̄
ITRANS a aa
A
i ii
I
u uu
U
RRi
R^i
RRI
R^I
LLi
L^i
LLI
L^I
デーヴァナーガリー अं अँ अः
ISO 15919 ē ai ō au ê ô aṁ am̐ aḥ
ITRANS e ai o au e.c aa.c aM
a.m
a.n
a.N aH '
.a
子音字母
デーヴァナーガリー
ISO 15919 ka kha ga gha ṅa ca cha ja jha ña
ITRANS ka kha ga gha ~Na
N^a
cha Cha
chha
ja jha ~na
JNa
デーヴァナーガリー
ISO 15919 ṭa ṭha ḍa ḍha ṇa ta tha da dha na
ITRANS Ta Tha Da Dha Na ta tha da dha na
デーヴァナーガリー
ISO 15919 pa pha ba bha ma ya ra la ḷa va
ITRANS pa pha ba bha ma ya ra la La
lda
va
wa
デーヴァナーガリー
ISO 15919 śa ṣa sa ha
ITRANS sha Sha
shha
sa ha
デーヴァナーガリー ड़ ढ़ क़ ख़ ग़ ज़ फ़ य़ क्ष ज्ञ
ISO 15919 ṛa ṛha qa kha ġa za fa ẏa kṣa jña
ITRANS .Da .Dha qa Ka Ga za
Ja
fa Ya xa
kSha
GYa
j~na
dnya

その他

  • ハラント(ヴィラーマ)は .h で表す。例: क् = k.h
  • オーム)は OM または AUM で表す。
  • マラータ語の音節頭の (r) ではじまる子音連結には r でなく R を使用する。
  • タミル・カンナダ・テルグ文字では、短い e o と長い E O を区別する。

脚注

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  1. ^ 公式サイトの説明による
  2. ^ Google 入力ツール

関連項目

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外部リンク

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  • ITRANS”. ACZoom (2001年5月30日). 2015年9月12日閲覧。 (英語)
作者の公式サイト