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ISO/IEC 80000

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ISO 80000から転送)

ISO/IEC 80000は、国際標準化機構 (ISO) と国際電気標準会議 (IEC) が共同で公表した、および単位 (quantities and units) に関する国際規格である。

ISO/IEC 80000では国際量体系 (ISQ) が取り入れられている。ISO/IEC 80000は、科学や教育の分野の世界的に使用される文書において、物理量や計量単位を使用する際のスタイルガイドである。ほとんどの国で、学校の数学や科学の教科書で使われる表記法は、この規格のガイドラインに厳密に従っている。

ISO/IEC 80000規格ファミリーは、2009年11月に第1部の公表により第14部までの第1版が揃った[1]ISO 31などの旧規格を取り込み、それを置き換えている。

日本工業規格 (JIS) では、主に JIS Z 8000 が相当する。2014年3月に第1部と第3-8部、2015年12月に第9・10部、2016年12月に第11・12部、2022年3月に第2部が発行され、また、第2部発行と同時に第6部を除く第3-12部が改正された[2]。2022年12月現在、第13部以降は未発行である。

部構成

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2022年12月現在、ISO/IEC 80000の部 (part) 構成は以下の通りである[1]


(版:edition)
最新版
発行年
内容(日本語は対応JIS標題) 置き換えられた規格 状態
ISO 80000-1
(第2版)[3]
2022年 一般
General
ISO 31-0, ISO 1000, IEC 60027-1, IEC 60027-3 発行済み
ISO 80000-2
(第2版)[4]
2019年 数学記号
Mathematics
ISO 31-11, IEC 60027-1 発行済み
ISO 80000-3
(第2版)[5]
2019年 空間及び時間
Space and time
ISO 31-1, ISO 31-2 発行済み
ISO 80000-4
(第2版)[6]
2019年 力学
Mechanics
ISO 31-3 発行済み
ISO 80000-5
(第2版)[7]
2019年 熱力学
Thermodynamics
ISO 31-4 発行済み
IEC 80000-6
(第2版)[8]
2022年 電磁気
Electromagnetism
ISO 31-5, IEC 60027-1 発行済み
ISO 80000-7
(第2版)[9]
2019年 及び放射
Light and radiation
ISO 31-6 発行済み
ISO 80000-8
(第2版)[10]
2020年 音響学
Acoustics
ISO 31-7 発行済み
ISO 80000-9
(第2版)[11]
2019年 物理化学及び分子物理学
Physical chemistry and molecular physics
ISO 31-8 発行済み
ISO 80000-10
(第2版)[12]
2019年 原子物理学及び核物理学
Atomic and nuclear physics
ISO 31-9, ISO 31-10 発行済み
ISO 80000-11
(第2版)[13]
2019年 特性数
Characteristic numbers
ISO 31-12 発行済み
ISO 80000-12
(第2版)[14]
2019年 凝縮体物理
Condensed matter physics
ISO 31-13 発行済み
IEC 80000-13
(第1版)[15]
2008年 Information science and technology IEC 60027-2:2005(3.8, 3.9), IEC 60027-3 発行済み
IEC 80000-14
(第1版)[16]
2008年 Telebiometrics related to human physiology IEC 60027-7 廃止(2017年)
IEC/CD 80000-15
(第1版)[17]
Logarithmic and related quantities 開発中
IEC/CD 80000-16
(第1版)[18]
Printing and writing rules 開発中
IEC/CD 80000-17
(第1版)[19]
Time dependency 開発中

国際量体系

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ISO/IEC 80000の第1部は、国際量体系を導入し、国際単位系 (SI) との関係を記述している。

具体的には、導入部で「SI単位の基礎として使われる量の間の関係を含む量の体系を「国際量体系」(ISQ) という」と記載されており、さらに、「ISQは、基本的に無限で絶えず進化し拡大している、現代の科学と技術の全てが拠り所とする量と方程式の体系を規定するのに、便利な表記法である」と記述されている。

ISO/IEC 80000における単位

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ISO/IEC 80000は全てのSI単位を含んでいるが、SI単位以外の物も含んでいる。ISO/IEC 80000に含まれる非SI単位には、データ量の単位(ビットバイト)、情報量の単位(シャノンナットハートレー)、通信トラヒックの単位(アーラン)、レベルの単位(デシベルネーパ)がある。

ISO/IEC 80000は全てのSI接頭語を含むほか、2進接頭辞も含む。2進接頭辞はIECによってIEC 60027-2として導入されたもので、メガバイト (MB) が 10242 バイトと 10002 バイトの2通りの意味で使用されていたのを、10242 バイトを表すメビバイト (MiB) を導入することで、メガバイトを明確に 10002 バイトとして区別できるようにするものである。

関連項目

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出典

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  1. ^ a b Standards by ISO/TC 12 Quantities and units”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。
  2. ^ JIS Z 8000-1:2014 量及び単位―第1部:一般”. 日本規格協会. 2022年11月27日閲覧。
    JIS Z 8000-2:2022 量及び単位―第2部:数学記号”. 日本規格協会. 2022年11月27日閲覧。
    JIS Z 8000-3:2022 量及び単位―第3部:空間及び時間”. 日本規格協会. 2022年11月27日閲覧。
    JIS Z 8000-4:2022 量及び単位―第4部:力学”. 日本規格協会. 2022年11月27日閲覧。
    JIS Z 8000-5:2022 量及び単位―第5部:熱力学”. 日本規格協会. 2022年11月27日閲覧。
    JIS Z 8000-6:2014 量及び単位―第6部:電磁気”. 日本規格協会. 2022年11月27日閲覧。
    JIS Z 8000-7:2022 量及び単位―第7部:光及び放射”. 日本規格協会. 2022年11月27日閲覧。
    JIS Z 8000-8:2022 量及び単位―第8部:音響学”. 日本規格協会. 2022年11月27日閲覧。
    JIS Z 8000-9:2022 量及び単位―第9部:物理化学及び分子物理学”. 日本規格協会. 2022年11月27日閲覧。
    JIS Z 8000-10:2022 量及び単位―第10部:原子物理学及び核物理学”. 日本規格協会. 2022年11月27日閲覧。
    JIS Z 8000-11:2022 量及び単位―第11部:特性数”. 日本規格協会. 2022年11月27日閲覧。
    JIS Z 8000-12:2022 量及び単位―第12部:凝縮体物理”. 日本規格協会. 2022年11月27日閲覧。
  3. ^ ISO 80000-1:2022”. International Organization for Standardization. 2022年12月11日閲覧。
  4. ^ ISO 80000-2:2019”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。
  5. ^ ISO 80000-3:2019”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。
  6. ^ ISO 80000-4:2019”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。
  7. ^ ISO 80000-5:2019”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。
  8. ^ ISO 80000-6:2022”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。
  9. ^ ISO 80000-7:2019”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。
  10. ^ ISO 80000-8:2020”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。
  11. ^ ISO 80000-9:2019”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。
  12. ^ ISO 80000-10:2019”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。
  13. ^ ISO 80000-11:2019”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。
  14. ^ ISO 80000-12:2019”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。
  15. ^ IEC 80000-13:2008”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。
  16. ^ IEC 80000-14:2008”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。
  17. ^ IEC/CD 80000-15”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。
  18. ^ IEC/CD 80000-16”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。
  19. ^ IEC/CD 80000-17”. International Organization for Standardization. 2022年11月27日閲覧。

外部リンク

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