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IMI バラクSP-21

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

バラク(Barak)は、イスラエル最大の兵器コンツェルンであるIMI(イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ)社の小火器部門が設計、後に小火器部門が独立状態となり設立されたIWI(イスラエル・ウェポン・インダストリーズ)社が現在はプロモーションする、元はイスラエル国防軍向けのセンサテック(ポリマー合成樹脂)・フレーム採用の自動式拳銃である。

2009年のIWI社の大幅な方針転換により、ジェリコ・シリーズに統合された(後述)。

機種名について

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「Barak」のヘブライ語の意味は「稲妻」。人名・地名では高い頻度で使われる単語でもある。

なお、北米アメリカ)での発売名はSP-21デザートイーグルで知られ、ジェリコ941などIMI(IWI)社製銃器の輸入代理店も務めるマグナムリサーチ社が名付けて販売していた。

この二つの名称を組み合わせ「バラクSP-21」と呼ばれる事が多い。以下、本項目においてもそれに倣い紹介する。

特徴・基本仕様

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現代において旧式化したジェリコ・ピストルシリーズの後継として開発された。完成は2001年であり(販売は2002年から)、時系列的にIWI社となる前のIMI小火器部門が最後に新規設計した銃器でもある。

ジェリコより丸みを持たせつつもイスラエル製らしい「ごつい」外観を持つ。後述のグリップ部分はワルサーP99にも似たデザインである。

基本的にはジェリコの構造が元ではある物の、幾つかの新機軸が盛り込まれた新設計の拳銃であり、特に同社設計のデザートイーグルの影響を受けていると思われる点が多数存在する。

グリップ・フレームだけでなく、幅が大きく盛り上がったスライド後半部分にもポリマーが採用されているのが外観上の最大の特徴である。正確には全体的に筒状のスライドの後半部分はポリマーで覆われた構造であり、これにより従来の金属製スライドの問題の一つであった金属が熱を持ちスライドが引き辛くなる問題が解消されている。また、ポリマー部分には一体成形のリアサイトもあり、金属(スライド)に直接滑り止めの溝を彫らずにすむため、コストダウンも兼ねた設計となっている。

ハンマーはジェリコと似たデザインである。コック&ロック機能とそれに合わせたデコッキング機能(ボタン)も存在し、下ろしたハンマーを安全に戻す事ができる。このデコッキングボタンは金属製で、スライド後半のポリマー部分とは別のパーツであり、外観上でも質感を別けている。こちらはワルサーP99の物と似たタイプである。

専用のキーを用いトリガーをロックする事もできるが、これは、米国マーケットに対応させるための安全策であるとも言える。グリップには手に合わせて溝が彫られてあり、握りやすく設計されている。これは、ジェリコのポリマーフレームモデルには無かった要素である。内部機構の最大の特徴は、デザートイーグルの様にリコイル・スプリングが左右に分かれている点にあり、反動低減とバレル軸線の低さに貢献している。作動・閉鎖システムは一般的なティルト・バレル方式のショート・リコイル、閉鎖時はスライドとチャンバーを直接噛合わせて固定するブローニング改良型である。トリガーはシングル/ダブルアクション。使用弾薬9x19mm(9mmパラベラム)、.40S&W.45ACPの三種類。それぞれ16発/12発/10発の装弾数だが、北米用モデルは規制で全種類10発固定の装弾数となっていた。

バレル長は99mm。ライフリングは9x19mmクラスの拳銃では珍しい6条右回りのポリゴナルタイプであり、ここでもデザートイーグルの影響を受けている様である。マズル部分はラッパ状で、スライドと一体化するデザインとなっている。

9x19mmと.40S&Wモデルのフレーム自体には互換性があり、スライド、リコイル・スプリング、バレル、マガジンの交換で口径のコンバージョンを可能としている。ちなみに、ジェリコ、デザートイーグルでもほぼ同様の行程で口径を変える事ができる(前者は9mm/.41AE、後者は.357マグナム/44マグナム/.50AEなど)。

全長190cm、重量は9x19mm/.40S&Wは735g、.45ACPは765g(どちらも装弾時)。

アメリカでの販売について

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前述の通りアメリカでは「SP-21」の名で販売されたが、あまり売れる事は無かった様で、現在はマグナムリサーチ社のカタログには存在せず、販売や輸入自体も行われていない様である。

ジェリコ・シリーズへの統合・ジェリコB

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2009年より、IWI社は製造・販売する銃器全般に対して大幅な方針転換やカタログの整理に乗り出し、この影響からバラクSP-21はジェリコ・ピストルシリーズへ統合される事となった。

新たに「ジェリコB」(Bはバラクの頭文字)と名付けられたこのシリーズは、従来からあるジェリコ・ピストルの次世代型バリエーションの位置付けとして販売される事となった。しかし、刻印や外見に若干の変化が見られる程度で、基本的な仕様の変更点はない。

関連項目

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外部リンク

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