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iGEM

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

The International Genetically Engineered Machine competitioniGEM, アイジェム)は、マサチューセッツ工科大学で毎年11月ごろ開催される合成生物学の大会である。主に大学生や大学院生が参加し、合成生物学の大会としては世界最大規模。

大会への参加チームは独自の生物学的デバイスを設計し、夏の間に各種の遺伝子パーツを用いて完成させ、大会当日に作品についてのプレゼンテーションを行う。毎年、自由な発想によりさまざまな作品が発表されており、ユニークな作品例としては大腸菌で作られた血液などが挙げられる。また、デバイスを構成する遺伝子パーツは大会本部から送付されるBioBrickをそのまま使用するほか、自ら作り出すことも可能である。2012年の大会ではおよそ1,500ものパーツが新しく作られた。優れたパーツは、翌年から大会本部より公式に配布されるようになる。

2004年に初大会が開催されてから参加チーム数は伸び続けている。2013年の大会には36か国から215チーム・4,000人以上が参加し、日本からも11チームが出場した。

結果

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2010年までの大会は予選と決勝から構成された。予選で高評価を受けた6チームのみが決勝に進み、その中から優勝チームが決定された。2011年からの大会は地方大会、ボストン大会、そして決勝から構成されている。各地方大会で高評価を受けたチームがボストンでの大会に進む。2013年からはボストン大会での表彰が学部生のみで構成されるチームの部門 (Undergraduate) と大学院生を含むチームの部門 (Overgraduate) に分かれた。

優れたプレゼンテーションやポスター、Wikiを発表したチームなどに対して特別賞が授与される。その他、大会本部より設定された項目の達成度により金、銀、銅メダルが複数のチームに贈られる。

各年ごとの順位
Undergraduate 1位 Undergraduate 2位 Undergraduate 3位 Overgraduate 1位 Overgraduate 2位 Overgraduate 3位 詳細結果
2014 ハイデルベルク大学 インペリアル・カレッジ・ロンドン 国立交通大学 カリフォルニア大学デービス校 ヴァーヘニンゲン大学 ダルムシュタット工科大学 iGEM 2014
2013 ハイデルベルク大学 ミュンヘン工科大学 インペリアル・カレッジ・ロンドン パリ大学 ビーレフェルト大学 中山大学 iGEM 2013
1位 2位 3位 4位 5位 6位 詳細結果
2012 フローニンゲン大学 リュブリャナ大学 パリ大学 ミュンヘン大学 iGEM 2012
2011 ワシントン大学 インペリアル・カレッジ・ロンドン 浙江大学 マサチューセッツ工科大学 iGEM 2011
2010 リュブリャナ大学 北京大学 ブリストル大学 ケンブリッジ大学 インペリアル・カレッジ・ロンドン デルフト工科大学 iGEM 2010
2009 ケンブリッジ大学 ハイデルベルク大学 バレンシア大学 フライブルク大学 フローニンゲン大学 インペリアル・カレッジ・ロンドン iGEM 2009
2008 リュブリャナ大学 フライブルク大学 カリフォルニア工科大学 ハーバード大学 国立陽明大学 カリフォルニア大学バークレー校 iGEM 2008
2007 北京大学 パリ大学・リュブリャナ大学・カリフォルニア大学バークレー校・カリフォルニア大学サンフランシスコ校中国科学技術大学[注記 1] iGEM 2007
2006 リュブリャナ大学 インペリアル・カレッジ・ロンドン プリンストン大学 iGEM 2006
2005 2005年以前は順位なし iGEM 2005
2004 IAP 2004
SBC 2004
2003 IAP 2003
  1. ^ 2007年は6校が決勝に進出したが、2位以下の順位は決定されなかった。

日本の大学

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過去にiGEMへ参加したチーム数(世界)と日本チーム(五十音順)の結果は以下の通り。

  • 2007年 54チーム参加
    • 金メダル:東京工業大学
    • 銅メダル:千葉大学
  • 2008年 84チーム参加
    • 金メダル:東京工業大学
    • 銀メダル:千葉大学
    • 参加:京都大学
  • 2009年 112チーム参加
京都工芸繊維大学は特別賞である最優秀ポスター賞を受賞(日本勢では初)。また、フライブルク大学チーム主催の面白フォトコンテストでも最優秀賞を受賞。東京工業大学は8つある部門のうち、Information Processing 部門で最優秀賞を受賞(部門賞は日本勢では初)。
  • 2011年
    • アジア大会 41チーム参加
      • 金メダル:東京工業大学、東京農工大学
      • 銀メダル:大阪大学、京都大学、京都工芸繊維大学、首都大学東京、東京大学
      • 銅メダル:北海道大学
      • 参加:神奈川工科大学
      • 参加辞退:早稲田大学
大阪大学、東京工業大学、東京農工大学は本大会へ出場。東京工業大学は Model 部門で最優秀賞を受賞。東京農工大学は最優秀ポスター賞を受賞。北海道大学は最優秀 wiki 賞を受賞。また、アジア大会でのみおこなわれた Mascot fun run というアミューズメント競技において、東京農工大学が金メダル、東京大学が銀メダル、京都工芸繊維大学が銅メダルを受賞。
    • 本大会 66チーム参加
      • 進出チーム:大阪大学、東京工業大学、東京農工大学
東京工業大学は Sweet sixteen(ベスト16)に選出、また iGEMers Prize(各チームの投票による賞)を受賞。
  • 2012年
    • アジア大会 55チーム参加
      • 金メダル:京都大学、北海道大学、東京工業大学、東京大学(ソフトウェア)
      • 銀メダル:京都工芸繊維大学、東京大学、東京農工大学
      • 銅メダル:大阪大学、神奈川工科大学、愛媛大学、首都大学東京
      • 参加辞退:埼玉大学
    • 本大会 71チーム参加
      • 進出チーム:京都大学、東京工業大学、東京大学(ソフトウェア)
東京工業大学は8つある部門のうち、Information Processing 部門で最優秀賞を受賞。東京大学(ソフトウェア)は Best interaction with the parts registry 賞を受賞。また、東京工業大学は今大会において金メダル連続受賞の世界記録を6年連続に延長。この記録を続けているのは東京工業大学、カリフォルニア大学バークレー校、エジンバラ大学、フライブルク大学の4校のみ。
  • 2013年
    • アジア大会 68チーム参加
      • 金メダル:東京工業大学、東京農工大学
      • 銀メダル:京都大学、京都工芸繊維大学、千葉大学、北海道大学
      • 銅メダル:大阪大学、首都大学東京、東京大学、長浜バイオ大学
      • 参加:神奈川工科大学
    • 本大会 73チーム参加
    • 進出チーム:東京工業大学、北海道大学
東京工業大学は8つある部門のうち、Information Processing 部門の Undergraduate で最優秀賞を受賞し、金メダル連続受賞の世界記録を7年連続に延長。

外部リンク

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