iGEM
The International Genetically Engineered Machine competition(iGEM, アイジェム)は、マサチューセッツ工科大学で毎年11月ごろ開催される合成生物学の大会である。主に大学生や大学院生が参加し、合成生物学の大会としては世界最大規模。
大会への参加チームは独自の生物学的デバイスを設計し、夏の間に各種の遺伝子パーツを用いて完成させ、大会当日に作品についてのプレゼンテーションを行う。毎年、自由な発想によりさまざまな作品が発表されており、ユニークな作品例としては大腸菌で作られた血液などが挙げられる。また、デバイスを構成する遺伝子パーツは大会本部から送付されるBioBrickをそのまま使用するほか、自ら作り出すことも可能である。2012年の大会ではおよそ1,500ものパーツが新しく作られた。優れたパーツは、翌年から大会本部より公式に配布されるようになる。
2004年に初大会が開催されてから参加チーム数は伸び続けている。2013年の大会には36か国から215チーム・4,000人以上が参加し、日本からも11チームが出場した。
結果
[編集]2010年までの大会は予選と決勝から構成された。予選で高評価を受けた6チームのみが決勝に進み、その中から優勝チームが決定された。2011年からの大会は地方大会、ボストン大会、そして決勝から構成されている。各地方大会で高評価を受けたチームがボストンでの大会に進む。2013年からはボストン大会での表彰が学部生のみで構成されるチームの部門 (Undergraduate) と大学院生を含むチームの部門 (Overgraduate) に分かれた。
優れたプレゼンテーションやポスター、Wikiを発表したチームなどに対して特別賞が授与される。その他、大会本部より設定された項目の達成度により金、銀、銅メダルが複数のチームに贈られる。
Undergraduate 1位 | Undergraduate 2位 | Undergraduate 3位 | Overgraduate 1位 | Overgraduate 2位 | Overgraduate 3位 | 詳細結果 | |
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2014 | ハイデルベルク大学 | インペリアル・カレッジ・ロンドン | 国立交通大学 | カリフォルニア大学デービス校 | ヴァーヘニンゲン大学 | ダルムシュタット工科大学 | iGEM 2014 |
2013 | ハイデルベルク大学 | ミュンヘン工科大学 | インペリアル・カレッジ・ロンドン | パリ大学 | ビーレフェルト大学 | 中山大学 | iGEM 2013 |
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 詳細結果 | |
2012 | フローニンゲン大学 | リュブリャナ大学 | パリ大学 | ミュンヘン大学 | iGEM 2012 | ||
2011 | ワシントン大学 | インペリアル・カレッジ・ロンドン | 浙江大学 | マサチューセッツ工科大学 | iGEM 2011 | ||
2010 | リュブリャナ大学 | 北京大学 | ブリストル大学 | ケンブリッジ大学 | インペリアル・カレッジ・ロンドン | デルフト工科大学 | iGEM 2010 |
2009 | ケンブリッジ大学 | ハイデルベルク大学 | バレンシア大学 | フライブルク大学 | フローニンゲン大学 | インペリアル・カレッジ・ロンドン | iGEM 2009 |
2008 | リュブリャナ大学 | フライブルク大学 | カリフォルニア工科大学 | ハーバード大学 | 国立陽明大学 | カリフォルニア大学バークレー校 | iGEM 2008 |
2007 | 北京大学 | パリ大学・リュブリャナ大学・カリフォルニア大学バークレー校・カリフォルニア大学サンフランシスコ校・中国科学技術大学[注記 1] | iGEM 2007 | ||||
2006 | リュブリャナ大学 | インペリアル・カレッジ・ロンドン | プリンストン大学 | iGEM 2006 | |||
2005 | 2005年以前は順位なし | iGEM 2005 | |||||
2004 | IAP 2004 SBC 2004 | ||||||
2003 | IAP 2003 |
- ^ 2007年は6校が決勝に進出したが、2位以下の順位は決定されなかった。
日本の大学
[編集]過去にiGEMへ参加したチーム数(世界)と日本チーム(五十音順)の結果は以下の通り。
- 2007年 54チーム参加
- 金メダル:東京工業大学
- 銅メダル:千葉大学
- 2008年 84チーム参加
- 金メダル:東京工業大学
- 銀メダル:千葉大学
- 参加:京都大学
- 京都工芸繊維大学は特別賞である最優秀ポスター賞を受賞(日本勢では初)。また、フライブルク大学チーム主催の面白フォトコンテストでも最優秀賞を受賞。東京工業大学は8つある部門のうち、Information Processing 部門で最優秀賞を受賞(部門賞は日本勢では初)。
- 2011年
- アジア大会 41チーム参加
- 金メダル:東京工業大学、東京農工大学
- 銀メダル:大阪大学、京都大学、京都工芸繊維大学、首都大学東京、東京大学
- 銅メダル:北海道大学
- 参加:神奈川工科大学
- 参加辞退:早稲田大学
- アジア大会 41チーム参加
- 大阪大学、東京工業大学、東京農工大学は本大会へ出場。東京工業大学は Model 部門で最優秀賞を受賞。東京農工大学は最優秀ポスター賞を受賞。北海道大学は最優秀 wiki 賞を受賞。また、アジア大会でのみおこなわれた Mascot fun run というアミューズメント競技において、東京農工大学が金メダル、東京大学が銀メダル、京都工芸繊維大学が銅メダルを受賞。
- 本大会 66チーム参加
- 進出チーム:大阪大学、東京工業大学、東京農工大学
- 本大会 66チーム参加
- 東京工業大学は Sweet sixteen(ベスト16)に選出、また iGEMers Prize(各チームの投票による賞)を受賞。
- 2012年
- 東京工業大学は8つある部門のうち、Information Processing 部門で最優秀賞を受賞。東京大学(ソフトウェア)は Best interaction with the parts registry 賞を受賞。また、東京工業大学は今大会において金メダル連続受賞の世界記録を6年連続に延長。この記録を続けているのは東京工業大学、カリフォルニア大学バークレー校、エジンバラ大学、フライブルク大学の4校のみ。
- 2013年
- アジア大会 68チーム参加
- 金メダル:東京工業大学、東京農工大学
- 銀メダル:京都大学、京都工芸繊維大学、千葉大学、北海道大学
- 銅メダル:大阪大学、首都大学東京、東京大学、長浜バイオ大学
- 参加:神奈川工科大学
- 本大会 73チーム参加
- 進出チーム:東京工業大学、北海道大学
- アジア大会 68チーム参加
- 東京工業大学は8つある部門のうち、Information Processing 部門の Undergraduate で最優秀賞を受賞し、金メダル連続受賞の世界記録を7年連続に延長。