トヨタ・GRカローラ
トヨタ・GRカローラ GZEA14H型 | |
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日本仕様 RZ | |
概要 | |
製造国 | 日本(愛知県) |
販売期間 | 2023年4月 - |
ボディ | |
乗車定員 |
5名 ※「モリゾウエディション」は2人 |
ボディタイプ | 5ドアハッチバック |
パワートレイン | |
エンジン | |
最高出力 |
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最大トルク |
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変速機 | 6速iMT |
サスペンション | |
前 | マクファーソンストラット式 |
後 | ダブルウィッシュボーン式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,640 mm |
全長 | 4,410 mm |
全幅 | 1,850 mm |
全高 | 1,455 mm |
車両重量 | 1,470 kg |
GRカローラ(ジーアールカローラ、英語: GR COROLLA)は、トヨタ自動車が日本時間の2022年4月1日にアメリカのカリフォルニア州で発表した、5ドアハッチバック型のスポーツカーのプロトタイプである[1]。その後、2022年6月1日に日本仕様の詳細が公開された[2]。
日本での発売は2023年初めを予定していた[3][4]。発表前はモリゾウエディションのみ台数限定で、RZは通常販売する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大や半導体不足の影響により、モリゾウエディション、RZともに抽選での台数限定販売となることになった。
概要
[編集]『GR』を展開する「GAZOO Racing カンパニー」が開発した車種で、本ブランドの専売車種としては2019年に発売された「GRスープラ」、2020年に発売された「GRヤリス」、2021年発売の「GR86」に続く4台目の車種である[3]。
GRヤリスと同様、既存の乗用車(本車はカローラスポーツ)をベース車両としている。
日本仕様のグレード構成
[編集]GRカローラRZ
[編集]2023年初頃から全国のトヨタ車両販売店を通じて発売を開始する予定の5人乗りの通常モデル[5]。初回生産分はインターネット抽選で500台、税込525万円[6]。抽選受付はRZ、モリゾウエディション共に2022年12月2日から開始、RZは12月19日まで、モリゾウエディションは12月18日まで受け付け、2023年1月に当選者を発表して指定したディーラーで商談受付、納車の流れになる。
同年8月23日に一部改良が発表された[7]。シャシー部分を締結するボルトの一部が締結剛性向上ボルトとなり、フロントサスペンションメンバーとステアリングギアボックスを締結する2ヶ所のボルトのフランジにリブ形状を追加。リアサスペンションメンバーとボディを締結するボルトは頭部サイズを22mmから24mmに拡幅。また、フロントバンパーのダクト形状が変更され、ボディカラーは限定色として新設定されたシアンメタリックに専用内装色のブラック×ブルーが設定された。今回も抽選販売の形態が採られ、発表当日から9月11日まで受け付け、9月下旬より順次商談を開始、秋ごろから販売が開始される。販売台数は専用内装色分の50台を含む550台に増やされ、前述した半導体不足が緩和傾向にあるため、販売台数が増加される可能性があることを示唆している。
2023年初頃から全国のGR Garageにおいて抽選で70台限定で発売する限定モデルで、12月2日より受付が開始された。価格は税込715万円[8]。
GRカローラRZとの違い
- リヤシートを撤去し乗車定員を2名としたことで約30kgの軽量化を実現[5]。
- 最大トルク を370Nmから400Nmへ向上し、中回転域のトルクを高めることで加速性能を向上[5]。
- 構造用接着剤を3.3m追加で塗布し、ボディ補強ブレースを追加することで、ボディ剛性をさらに強化[5]。一方で軽量化のためにCFRP製のルーフやアルミ製ボンネット/ドアなどを採用した[9]。
- ディファレンシャルギアのローギアード化と、1~3速のクロスギアレシオ化により、動力性能の向上と、気持ちのよいギアのつながりを実現[5]。
- タイヤはRZが235/40R18サイズのADVAN APEX V601を使用するのに対し、モリゾウエディションは245/40R18サイズのミシュラン・パイロットスポーツカップ2を使用[9]。10mm拡幅したハイグリップタイヤを採用することにより、コーナリング時の安定性・ブレーキ性能を向上[5]。
- しっかりと体をホールドする専用セミバケットシートを採用[5]。
- インテリアでは、ドアトリムオーナメントやインストルメントパネルなどへ鋳物ブラック塗装を施し、ステアリングやコンソールにはウルトラスエード表皮を採用し、スポーティな室内空間に上質さを加えた[5]。
- 外板色には限定色のマットスティールを設定[5]。さらに、GRカローラ モリゾウエディションならではのこだわりの証として、 ウィンドシールドガラスにモリゾウサインを施した[5]。
ギャラリー
[編集]-
米国仕様Core フロント
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米国仕様Core リア
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RZのモノコックシャシー
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MORIZO Edition フロント
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MORIZO Edition リア
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MORIZO Edition インテリア
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MORIZO Edition 後部座席が取り外され、タワーブレースが装着されている。
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MORIZO Editionのモノコックシャシー
メカニズム
[編集]カローラスポーツのボディを基本骨格として、ロングホイールベースによる優れた走行安定性はそのままに、フロントを60mm、リヤを85mmワイドトレッド化することにより、高速旋回性能を向上。またフロントフェンダーを片側20mm、リヤフェンダーを片側30mm拡大したワイドなスタンスで、野性味のある走りを表現した[3]。
基本的なコンポーネントはGRヤリスと共通しており、電子式多板クラッチによる前後駆動力可変システム採用のスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」を搭載。今回、駆動配分を制御する4WDモードと、アクセル応答性やステアリングなどを制御するドライブモードを分けたことで、ドライバーの好みや走行環境に応じた選択を可能にした。さらにブッシュのピロボール化、スプリング、アブソーバー、アライメントの最適化にも取り組み、余すところなくGR-FOURの最適駆動力配分を路面に伝達。旋回性能を向上した[3]。制御内容もGRヤリスとは異なる専用設計となっている[9]。
ドライバーの操作へ俊敏に反応する⾛りを⽬指し、ボディ剛性を強化。元町工場のGR Factoryにおいて生産することで実現する高剛性基本骨格に加え、リヤホイールハウス間や床下トンネル、タンク前の床下にブレースを追加することで、操縦安定性能を高めた。またGRヤリスと同様に形状自由度の高いSMC工法で成形されたCFRPのルーフパネルを採用し、剛性を高めるだけでなく、軽量化にも寄与している[3]。
エンジン
[編集]GRヤリスにも搭載した1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジンを更に強化して搭載し、最高出力224kW(304PS)を達成している[3]。開発段階でモリゾウ(豊田章男)からの「野性味が足りない」との指摘を受け、GRヤリスのものから排気系などを強化し、さらにピストンの材質変更、過給圧の強化に対応してブロックの強化、カムシャフト、カムホルダー、オイルパンユニットの変更等のチューニングを行い、更なる高出力化を達成した[9]。
モータースポーツ
[編集]前年にスーパー耐久に水素燃料エンジン搭載のカローラスポーツで参戦していたものを受け継ぐ形で、2022年の第2戦(富士24時間レース)よりROOKIE Racingの「ORC ROOKIE GR Corolla H2 concept」がSTーQクラスに参戦している。マシンがGRカローラベースとなったことで、見た目が変わっただけでなく空力面も大きく改善されたほか、車重も10kgほど軽くなっており、エンジニアによれば「最高速で7km/hほどupしている」という[10]。実際富士スピードウェイのラップタイムも、前年と比べて約5秒ほど速くなっており、レースでの周回数も358周→478周と大きく伸びた[10]。 2023年は燃料を液体燃料に変更し参戦を予定していたが、開幕戦を前に発生したトラブルにより同戦と富士スピードウェイでのテストに関しては欠場して代わりにガソリンエンジン仕様のGRヤリスで参戦、その後第2戦から参戦することとなった[11]。
2022年12月17日、タイのチャーン・インターナショナル・サーキットで開催される25時間耐久レース「IDEMITSU 1500 SUPER ENDURANCE 2022」に参戦した[12][13][14]。同車を含め、デモ走行を除くと水素エンジン車としては初の海外レース参戦となる。
ドリフト競技では、2023年5月にエビスサーキットで行われたフォーミュラ・ドリフト・ジャパン第2戦にカッレ・ロバンペラがドライブする「レッドブルGRカローラ」が参戦し、デビューウィンを飾った[15]。
販売店
[編集]東かがわトヨタ自動車販売を除く全国のトヨタディーラー各店で販売。
脚注
[編集]- ^ CORPORATION, TOYOTA MOTOR. “GR COROLLA | GR”. TOYOTA GAZOO Racing. 2022年4月1日閲覧。
- ^ “トヨタが高性能モデル「GRカローラ」の日本仕様車を世界初公開【Movie】 【ニュース】”. webCG. 2022年6月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g CORPORATION, TOYOTA MOTOR. “新型車GRカローラを世界初披露 | プレスリリース”. TOYOTA GAZOO Racing. 2022年4月1日閲覧。
- ^ “トヨタ、「GRカローラ」の国内発売を2023年初に延期 品質確保のため(日刊自動車新聞)”. Yahoo!ニュース. 2022年10月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j CORPORATION, TOYOTA MOTOR. “GR COROLLA | GR”. TOYOTA GAZOO Racing. 2022年6月1日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2022年12月2日). “トヨタ、新型「GRカローラ」抽選申し込み開始 ベースモデル525万円、モリゾウエディション715万円”. Car Watch. 2022年12月2日閲覧。
- ^ 『GRカローラを一部改良、意のままの走りを更に進化』(プレスリリース)トヨタ自動車株式会社、2023年8月23日 。2023年8月23日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2022年12月2日). “トヨタ、新型「GRカローラ」抽選申し込み開始 ベースモデル525万円、モリゾウエディション715万円”. Car Watch. 2022年12月2日閲覧。
- ^ a b c d トヨタ本気の2人乗り仕様「GRカローラ」世界初公開! 最強ハッチバックに世界が驚愕! 水素カローラとの関係性とは - くるまのニュース・2022年6月2日
- ^ a b 水素エンジンGRカローラ、石浦宏明と開発エンジニアが語る2年目の進化。液体水素導入と市販化へのブレイクスルー - オートスポーツ・2022年6月14日
- ^ “トヨタ、液体水素エンジンGRカローラのスーパー耐久開幕戦鈴鹿欠場を発表 代替車両はGRヤリスに”. Car Watch (2023年3月15日). 2023年3月16日閲覧。
- ^ CORPORATION, TOYOTA MOTOR. “ルーキーレーシング、トヨタ タイ25時間耐久レースへの参戦を発表 | コーポレート | グローバルニュースルーム”. トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト. 2022年12月22日閲覧。
- ^ 共同通信 (2022年12月17日). “トヨタ、水素車で初の海外レース 脱炭素を訴え | 共同通信”. 共同通信. 2022年12月22日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2022年12月17日). “豊田章男社長、タイ25時間耐久レースで水素GRカローラをドライブ タイで「循環型、自立型のエネルギー社会を作ることができれば」”. Car Watch. 2022年12月22日閲覧。
- ^ フォーミュラドリフトジャパン初出場で初優勝。王者ロバンペラが魅せた驚きのWRC式テクニック - オートスポーツ・2023年5月22日