GCaMP
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GCaMPとは、タンパク質で出来たカルシウムセンサーの一種である。
概要
[編集]GCaMPは主として循環置換型緑色蛍光タンパク(cpGFP)、カルモジュリン(CaM)、ミオシン軽鎖フラグメント(M13)を遺伝子工学的に結合させたカルシウムセンサータンパク質である。
このタンパク質はcpGFPの片側(N末端側)にカルモジュリンを、もう片側(C末端側)にはミオシン軽鎖M13フラグメントを結合した形をしている。
カルシウムイオンがカルモジュリンと結合すると、Ca2+/CaM複合体がM13と相互作用してcpGFPの立体構造を変化させ、これによって蛍光強度が変化する。これを利用することによってカルシウム濃度の変化をGCaMP蛍光強度の変化として検出することができる。
タンパク質であるため遺伝子に組み込むことが可能であり、特にモデル動物において組織・細胞特異的プロモーターと組み合わせることによって目的の組織・細胞種のみをカルシウムイメージングすることができる。
種類
[編集]GCaMPはLoren L. Looger(ハワード・ヒューズ医学研究所Janelia Research Campus Looger Lab)らのグループ(表中LL)と中井淳一、大倉正道(埼玉大学脳末梢科学研究センター中井研究室)らのグループ(表中MO)をはじめとした複数の科学者によって改変・改良されており、現在では様々な種類のGCaMPが存在する。GCaMP3の導入された遺伝子改変動物は広く普及しており、これを用いた研究は今も発表されている。[要出典] また、新しく作られる遺伝子改変動物にはG-CaMP6-8, GCaMP6s,m,fが用いられている。[要出典]
名前 | 発表年 | 開発者 | 備考 | doi |
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G-CaMP | 2001 | Junichi Nakai, et al. | 最初のGCaMP, MO | 10.1038/84397 |
G-CaMP1.6 | 2005 | Masamichi Ohkura, et al. | MO | |
GCaMP2 | 2006 | Tallini, et al. | LL | |
GCaMP3 | 2009 | Lin Tian, et al. | LL(普及版) | 10.1038/nmeth.1398 |
G-CaMP4.1 | 2010 | Asako Shindo, et al. | MO | 10.1371/journal.pone.0008897 |
GCaMP5 | 2012 | Jasper Akerboom, et al. | LL | 10.1523/JNEUROSCI.2601-12.2012 |
G-CaMP6, 7, 8 | 2012 | Masamichi Ohkura, et al. | MO(最新) | 10.1371/journal.pone.0051286 |
GCaMP6f, 6m, 6s | 2013 | Tsai-Wen Chen, et al. | LL, f: fast, m: medium, s: slow の3種 | 10.1038/nature12354 |
jGCaMP7f, 7s, 7b, 7c | 2019 | Dana, et al. | LL, (最新?) | 10.1038/s41592-019-0435-6 |
GCaMP-X | 2018 | Yaxiong Yang, et al. | ※名前はGCaMPだが基本構造が異なる | 10.1038/s41467-018-03719-6 |