FX-603P
FX-603Pは、カシオ計算機により1990年より製造されたプログラム電卓で、FX-602Pの後継機種である。ただし、販売されたのは数ヶ国のみで販売出荷台数は少ない。
表示
[編集]表示機能は、メインとなる2列16桁のドットマトリクス液晶表示部、プログラム入力やデバッグ時のステップ表示と20のステータス表示を兼ねる4桁の7セグメント部、からなる。
プログラミング
[編集]プログラムモードは、キーを押した順番を記憶するキーストローク方式であり、実行時にそれを再実行するものである。記憶時、複数のキー押下が一つのプログラムステップとして記憶される。いくつかの機能は2バイトを必要とする[1]。
FX-603Pは、6144のプログラムステップ、110メモリを記憶可能である。プログラムとサブルーチン用として、P0~P19というラベルを利用できる。(これは、FX-602シリーズの2倍である) それぞれのプログラム、サブルーチンではLBL0~LBL9という最大10個のローカルラベルをジャンプ先や分岐先として利用できる。
メモリアクセスとジャンプにメモリ間接アドレッシングが使え、チューリング完全といえる。
FX-603Pは、FX-602Pの上位互換であり、コンパクトカセットからFX-602Pのプログラム(「音楽」を除く)をロード可能である。
プログラム例
[編集]このプログラムは、2から69の指定した整数の階乗を計算するもので、5の階乗ならば5P0と入力すると120を表示する。アルファベット表示も含めて14バイトのプログラムとなる。
Key-code | Comment |
---|---|
P0 | P0でプログラムを起動させる |
ALPHA#!=ALPHA | 1列目に "n!=" と表示。結果は2列目に表示される |
Min00 | レジスタ00に値を入力 |
1 | 1から開始 |
LBL0 | ループ用ラベル |
* | 乗算 |
MR00 | レジスタ00の値を呼び出し |
DSZ GOTO0 | レジスタ00の値から1を引き、0になるまでLBL0にジャンプする |
= | 終了。n! の計算結果が表示される |
インターフェイス
[編集]FX-603Pは、Casio FX-850P/FX-880Pシリーズ用のFA-6インターフェイスを使用できる。このインターフェイスは、カンサスシティスタンダードコンパクトカセット、セントロニクスプリンタポート、RS-232Cシリアルポートの各インターフェイスを有する。
出典
[編集]外部リンク
[編集]- FX-603P home page with in-depth information.
- Casio FX-603P on Caz Pocket Computers Collection
- FX-603P on RS-Key maintained by Viktor Toth.