FT-857
FT-857は、八重洲無線(旧称バーテックススタンダード)が製造したアマチュア無線用無線機である。
概要
[編集]オールモードでHF~430MHz帯まで幅広いバンドで運用することが可能である。 FT-8X7シリーズには、FT-857の他、FT-817、FT-897がある。 先行発売したFT-897と回路構成はほぼ共通である。 空中線電力の違いにより、FT-857D(100W/144MHz帯50W/430MHz帯20W)、FT-857DM(50W/430MHz帯20W)、FT-857DS(10W/430MHz帯20W)の三機種がある。 価格は三機種とも同額。
特徴
[編集]操作部を本体から取り外して使用できるセパレート機能を持ち、モービル設置(FT-857Dは100W機なので移動する局としての免許申請は不可)に適している。操作部には視認性のよい大型ディスプレイ、基本操作に必要な押しボタンやツマミが十分な間隔をもって配置されておりスイッチなどの操作性は申し分ない。更に特筆すべきは大型(直径43mm)チューニングノブで、回し心地が固定機のそれに近い。但し、各種機能選択はファンクションスイッチを短押しまたは長押ししてセレクトツマミで機能を呼び出し、設定をするという3ステップが必要で、これは小型機であるFT-100やFT-8X7シリーズに共通する設定の不便さであり、慣れが必要である。
コンパクト機ながらDSP(Digital Signal Processor)によりノイズが軽減され混信が除去される。オプションにコリンズメカニカルフィルターが用意されているが、それを使用しなくてもある程度DSPのDBFで代用でき、ヘビーユーザーでない限りDSPだけで十分と言える。
沿革
[編集]- 2002年(平成14年)12月20日 - 日本アマチュア無線振興協会(JARD)によるFT-857、FT-857S、FT-857Mの工事設計認証(バーテックススタンダード製造 工事設計認証番号02KN333、02KN334、02KN335)[1]
- 2003年(平成15年)
- 2004年(平成16年)3月 - FT-857Dにリニューアル[3]
- オプションであったDSPを標準実装
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)3月22日 - JARDによるFT-857、FT-857S、FT-857Mの工事設計認証(同上 工事設計認証番号002KN389、002KN390、002KN391)[1]
- 2007年(平成19年)
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)8月1日 - JARDが「スプリアス確認保証の対応について」[8]を発表
- 「スプリアス確認保証機器リスト」を公表し、これに掲載された機器はスプリアス確認保証を受けることができるとするもので、02KN333、02KN334、02KN335、002KN350、002KN351、002KN352、002KN381、002KN382、002KN383、002KN389、002KN390、002KN391も掲載されており、「平成29年12月1日」以降の免許申請はこの保証を要する。
- 2020年(令和2年)5月 - 生産終了[9]
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g 技術基準適合証明等を受けた機器の検索(総務省電波利用ホームページ - 無線基準認証制度)
- ^ a b オールモードモービルトランシーバー(YAESU FT-857) GOOD DESIGN AWARD - 受賞対象一覧2003
- ^ FT-897D、FT-857DそしてFT-817NDが登場(バーテックススタンダード) - ウェイバックマシン(2004年4月26日アーカイブ分)
- ^ 平成17年総務省令第119号による改正
- ^ 平成17年総務省令第119号による無線設備規則改正附則第5条第1項
- ^ 平成17年総務省令第119号による無線設備規則改正附則第3条第2項
- ^ 平成19年総務省令第99号による改正
- ^ JARDにおけるスプリアス確認保証の対応について (PDF) 日本アマチュア無線振興協会
- ^ <CQオームが告知、5月1日以降すでに6モデル>相次ぐアマチュア無線機の「生産終了」(hamlife.jp 2020年5月21日) - ウェイバックマシン(2020年5月22日アーカイブ分)
外部リンク
[編集]- FT-857(八重洲無線 - アマチュア無線) - ウェイバックマシン(2012年12月16日アーカイブ分)
- スプリアス確認保証機器リスト (PDF) 日本アマチュア無線振興協会 - スプリアス確認保証