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F・W・ベイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

フランシス・ウィリアム・ベイン(Francis William Bain、1863年4月29日[1] - 1940年2月24日[2])はイギリス歴史家経済学者著述家

人物・経歴

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1863年4月29日、アーキビストおよび古物商であるジョゼフ・ベインとシャーロット・パイパーの間に三男として、グラスゴーの南東に位置するサウス・ラナークシャーに誕生[1]

1877年ウェストミンスター・スクールに入学して1882年にはオックスフォード大学カレッジであるクライスト・チャーチに進学してギリシャ語ラテン語を学ぶ[3]1889年、文学修士号を得た一方で同大学のオール・ソウルズ・カレッジで研鑽を積む[3]。また、同年から1919年までインド西部のマハーラーシュトラ州プネーにあるデカン大学で歴史学と経済学を教え、サンスクリット語マラーティー語を学習[3]。インドでの在職中、1898年にサンスクリットの古詩翻訳として発表したA Digit of the Moon[注釈 1]を皮切りに、全13冊から成る『F・W・ベインの印度物語集(The Indian Stories of F. W. Bain)』を上梓[5]

主な著書

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The Descent of the Sun (1903)
A Draught of the Blue, Together with An Essence of the Dusk (1907)
  • A Digit of the Moon 1898年
  • The Descent of the Sun 1903年
  • A Heifer of the Dawn 1904年
  • In the Great God's Hair 1904年
  • A Draught of the Blue 1905年
  • An Essence of the Dusk 1906年
  • An Incarnation of the Snow 1908年
  • A Mine of Faults 1909年
  • The Ashes of a God 1911年
  • Bubbles of the Foam 1912年
  • A Syrup of the Bees 1914年
  • The Livery of Eve 1917年
  • The Substance of a Dream 1919年

日本語訳(下記にて詳述)に加えて、少なくともオランダ語ドイツ語ハンガリー語スウェーデン語フランス語イタリア語中国語インドネシア語に翻訳されている[6]

訳書

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  • 「闇の精」An Essence of the Dusk の訳。
    • 片山廣子訳。竹柏会出版部「心の花」5月~8月号所収、1914年(大正3年)。
  • 「スリヤカンタ王の戀」A Digit of the Moonの抄訳。
    • 片山廣子訳。玄文社「新家庭」12月号所収、1920年(大正9年)。
  • 「青いろの疾風」A Draught of the Blueの抄訳。
    • 片山廣子訳。玄文社「新家庭」10月、11月号所収、1921年(大正10年)。
  • 『暁の花』A Heifer of the Dawnの訳。
    • ギータ・ムールティ訳。フェーニックス出版、1947年(昭和22年)。
  • 『闇の精:フランシス・ウィリアムズ・ベイン作品集』
    • 片山廣子訳の「闇の精」、「青いろの疾風」、「スリヤカンタ王の戀」収録。我刊我書房、2013年(平成25年)。
  •  『片山廣子幻想翻訳集 : ケルティック・ファンタジー』
    • 片山廣子訳の「闇の精」、「青いろの疾風」、「スリヤカンタ王の戀」収録。未谷おと編、幻戯書房、2020年(令和2年)。
  • 『月輪の指 スーリヤカーンタ王の恋』A Digit of the Moonの訳。
    • 弾青娥訳。西方猫耳教会、2021年(令和3年)。

脚注

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  1. ^ a b Mutalik, Keshav (1963). Francis William Bain. University of Bombay. p. 1.. https://books.google.com/books?id=cOlHAAAAMAAJ 
  2. ^ The Illustrated London News, Vol. 196, no. 5263, 2 March 1940, p. 279
  3. ^ a b c F・W・ベイン著、弾青娥訳『月輪の指』、西方猫耳教会、2021年、198-9頁。
  4. ^ 「松村みね子の幻想世界① ベインのインドファンタジー」『SFマガジン』6月号、早川書房、2016年、291頁。
  5. ^ 片山廣子著訳、未谷おと編『片山廣子幻想翻訳集 : ケルティック・ファンタジー』、幻戯書房、2020年、392頁。
  6. ^ 片山廣子著訳、未谷おと編『片山廣子幻想翻訳集 : ケルティック・ファンタジー』、幻戯書房、2020年、394頁。

注釈

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  1. ^ この形で発表された理由の一つとして、「著者のはにかみと遊び心のせいだが、当時の上流階級の通念として、恋愛を含む異国物語は、大学教授が創作としては品位がかけると謗られる懼れがあり、翻訳ということにしておいたほうが無難との判断だったらしい」と長山靖生は指摘している。[4]