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EA-37B (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

EA-37B コンパスコール

EA-37Bは、ガルフストリーム G550をベースにした電子戦機。2023年11月、EC-130H英語版の退役とともに、そのコンパスコールCompass Call)という愛称を引き継ぎ[1]、また正式名称もEC-37BからEA-37Bへ変更された[2]

設計

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外見上は、同じくG550をベースにしたG550 CAEWとよく似ており、実質的に、そのミッションシステム(Prime Mission Equipment: PME)を早期警戒レーダーEL/W-2085)から電子攻撃用装備に変更した機体といえる[1]。機体形状が同じであるため風洞試験などはやり直す必要はないが、重量配分などは変わってくるため、型式承認のための追加試験は必要となっている[1]

装備

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本機は、アメリカ合衆国国防総省が有する唯一のフルスペクトラム対応スタンドオフ・ジャマーとして、敵防空網制圧において重要な役割を担っている[3]

EA-37Bの最初の5機(2017年度から2020年度の発注)は、EC-130Hの装備を基に機体にあわせて再配置したPMEを搭載しており、「コンパスコール・リホスト」と称される[1]。コンパスコール・システムの形態管理の面では、EC-130Hのものと同じくベースライン3と称されており[注 1]、レイセオンのALQ-173(V)ブリンク(点滅)ジャマー、ALQ-179ハイバンドRFジャマー、ALQ-198ローバンドRFジャマーなどが移植される[1]

一方、2023年度に発注された6号機は、新開発のベースライン4と呼ばれるPMEを搭載し、1-5号機にもバックフィットされることになっている[1]。これはBAEシステムズにより、SABER(Small Adaptive Bank of Electronic Recources: 電子リソース小型適応バンク)技術を導入して開発されており、オープンアーキテクチャ化されたソフトウェア無線を中核とすることで、新たな脅威に対しても、ハードウェアの交換なしにソフトウェアの更新によって対応できるオープンシステムとされている[1][3]

諸元・性能

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出典: AirforceTechnology 2024

諸元

性能

  • 最大速度: マッハ0.82
  • 航続距離: 4,410 nmi (8,170 km)
  • 実用上昇限度: 45,000 ft (14,000 m)


お知らせ。 使用されている単位の解説はウィキプロジェクト 航空/物理単位をご覧ください。

運用史

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アメリカ空軍ではもともと10機の購入を予定していたが、2023年度には6機への削減が決定された[1]。2024年8月23日、まず3号機(19-5591)がデビスモンサン空軍基地に到着して航空戦闘軍団(ACC)に引き渡され、第55航空団英語版の第55電子戦闘航空群 (55ECGに配備された[1][3]

脚注

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注釈

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  1. ^ EC-130Hのミッションシステムは、ベースライン1から3へと順次に改良されていた[1]

出典

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参考文献

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  • 石川潤一「世界の最新電子戦機事情」『航空ファン』第73巻、第11号、文林堂、50-58頁、2024年11月。CRID 1520020444394028288 
  • AirforceTechnology (2024-06-13), EC-37B Compass Call Electronic Warfare Aircraft, US, Verdict Media Ltd, https://www.airforce-technology.com/projects/ec-37b-compass-call/?cf-view 
  • Cenciotti, David (2024-08-28), “Air Combat Command Welcomes First EA-37B Compass Call”, The Aviationist, https://theaviationist.com/2024/08/28/first-ea-37b-compass-call-delivered/