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DIC川村記念美術館

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DIC川村記念美術館
Kawamura Memorial DIC Museum of Art
2010年1月撮影
地図
DIC川村記念美術館の位置(千葉県内)
DIC川村記念美術館
DIC川村記念美術館 (千葉県)
施設情報
専門分野 現代美術、西洋絵画
事業主体 DIC株式会社
開館 1990年平成2年) 5月2日[1]
所在地 285-0078
千葉県佐倉市坂戸631
位置 北緯35度39分18秒 東経140度13分24秒 / 北緯35.6551度 東経140.2232度 / 35.6551; 140.2232座標: 北緯35度39分18秒 東経140度13分24秒 / 北緯35.6551度 東経140.2232度 / 35.6551; 140.2232
プロジェクト:GLAM
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DIC川村記念美術館(DICかわむらきねんびじゅつかん、: Kawamura Memorial DIC Museum of Art)は、千葉県佐倉市にある私立美術館。川村喜十郎ら川村家3代の収集品を収蔵展示、運営はDIC株式会社(印刷インキ・顔料・ポリマー材などの製造・販売)。 DICと関連会社が収集した美術品を公開するために、DICの総合研究所敷地内に設立、1990年5月2日開館[2]。かつての名称は川村記念美術館、2011年4月1日から現在の名称となる[3]

概要

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千葉県佐倉市郊外にある、広大な庭園のなかに建つ美術館。近現代美術のコレクションとしては、日本でも有数の規模をもつ。 DIC(創業時は「川村インキ製造所」、美術館開館時は「大日本インキ化学工業株式会社」)の創業者・川村喜十郎をはじめとする川村家3代の収集品を公開するため、1990年(平成2年)に開館した。

広さ30万平方メートルのDIC株式会社総合研究所の敷地内に建つ、ヨーロッパの古城かワインセラーを思わせる展示館は、海老原一郎の設計である。

所蔵作品群は、パブロ・ピカソクロード・モネピエール=オーギュスト・ルノワールなどの知名度が高い大家に加え、マーク・ロスコなどの抽象表現主義フランク・ステラらのミニマリズムなど、第二次世界大戦後現代美術の中心地となったアメリカ合衆国の良質な作品からなり、「美術手帖」総編集長の岩渕貞哉は、「日本が誇る、至宝ともいえる美術館」と評価する。館内は、巨大な現代美術の作品群がゆったり鑑賞できるよう、体育館を思わせる広大な展示室が設けられている。20世紀抽象絵画の巨匠、マーク・ロスコが、ニューヨーク・シーグラム・ビルディング内にあるフォーシーズンズ・レストランのために描いた7点の作品のみを展示した「ロスコ・ルーム」は白眉であり、岩渕は「ロスコが最良と考えた自然光に近い環境にたたずんでいると、最初は見えなかった色彩が浮かび上がってくる。他の画家の作品と並べて展示されていては得られない感覚。これが常設展示で必ず見られるのは本当に貴重で、海外からもファンが見に来るほどだ」と評価している。

一方、DICに資本効率改善の一環として美術館運営の見直しを要求した香港ヘッジファンドオアシス・マネジメント最高投資責任者のセス・フィッシャーは、その立地条件から「見学している人よりも警備員の方が多い日が目立つ」としている[4]

2024年8月、DICは2025年1月下旬を目処に長期休館を検討していることが報じられた[5][6]社外取締役などで構成している「価値共創委員会」からの助言を受けたことによるもので、DICは2024年12月までに東京都内への移転並びに規模の縮小または美術館の運営自体の休止を含めて検討するとしていた[5][7]

しかし、休館予定発表後、土日祝日の来館者数が発表前の5倍に急増したため[8]、休館開始予定を2か月延期し、2025年3月下旬までは開館を続けることが2024年9月30日に[9]発表された[10]。また地元佐倉市では、美術館の地元存続を求める署名を集め[11]、10月上旬に署名5万6千筆を市観光協会などの代表者と共にDIC経営陣に提出した[12][注 1]

2024年12月26日、公共性の高い団体と連携する形で本館を東京都内に移転することを発表した。作品も段階的に売却を進め、4分の1程度に減らすとしている[14]

沿革

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  • 1990年平成2年) 5月2日 - 川村記念美術館として開館[1]
  • 2007年(平成19年) 7月2日 - リニューアル工事のため休館。
  • 2008年(平成20年) 3月15日 - リニューアルオープン。延床面積が改築前の約1.5倍に拡張される。
  • 2011年(平成25年) 4月1日 - 館名をDIC川村記念美術館に変更。
  • 2025年令和7年)1月下旬休館予定と発表されたが[5][6]、発表後の来館者急増を受け[8]、休館予定を2か月延期し同年3月下旬とする[10]
  • 2025年(令和7年) 4月1日 - 休館(予定)[14]

 

主な収蔵品

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公式ウェブサイトの「主なコレクション」より抜粋[15]

当館が所蔵していたバーネット・ニューマン『アンナの光』(1968年)は、2013年に日本国外の企業へ譲渡されたことが館から公式発表されている[16]

館蔵品には尾形光琳長谷川等伯など、日本の近世絵画にも優れたものがあったが、収集方針の変更にともない、当館は日本画の展示を2017年12月3日で終了し、収蔵する日本画は他へ譲渡することを公式サイトで発表した。重要文化財長谷川等伯筆『烏鷺図』は実業家の前澤友作に譲渡された [17]

開館

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  • 4月 - 10月 9:30 - 17:00、11月 - 3月 9:30 - 16:30
  • 休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始・特別整理期間等

交通

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脚注

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注釈

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  1. ^ 署名数は9月30日時点でオンライン(46,947筆)・書面(9,135筆)合計56,082筆[13]、11月18日時点でオンライン57,932筆(紙による署名募集は9月5日 - 9月30日の期間限定)[13]

出典

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  1. ^ a b “「川村記念美術館」オープン 民間有数の質と量”. 読売新聞 (読売新聞社). (1990年5月2日) 
  2. ^ 川村記念美術館開館”. 独立行政法人 国立文化財機構 東京文化財研究所. 2017年5月28日閲覧。
  3. ^ 川村記念美術館、4月1日より「DIC川村記念美術館」に館名変更』(プレスリリース)DIC株式会社、2011年2月8日http://www.dic-global.com/ja/release/2011/20110208_01.html2017年5月28日閲覧 
  4. ^ 谷口崇子、ヒルトン・セーラ (2024年9月19日). “「日本の至宝」川村記念美術館休館に投資家の影、収蔵品売却の可能性も”. ブルームバーグ. https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-09-18/SJDGHYT0AFB400 2024年9月19日閲覧。 
  5. ^ a b c 林純子 (2024年8月27日). “DIC川村記念美術館、25年1月下旬休館-資産見直しで運営中止も”. Bloomberg.com. 2024年8月28日閲覧。
  6. ^ a b 【速報】佐倉のDIC川村記念美術館、来年1月休館へ 規模縮小と移転を選択肢に検討し、年内に結論”. 千葉日報社. 2024年8月27日閲覧。
  7. ^ 価値共創委員会による「美術館運営」に関する助言並びに それに対する当社取締役会の協議内容と今後の対応についての中間報告”. DIC株式会社 投資家向け適時開示情報. 2024年9月8日閲覧。
  8. ^ a b “DIC川村記念美術館、休館を2カ月延期 来館者数5倍で”. 日本経済新聞. (2024年9月30日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC305XV0Q4A930C2000000/?msockid=0ecc3f43f4156e50305e2b71f56f6fe5 2024年10月1日閲覧。 
  9. ^ DIC川村記念美術館の公式サイトの発表日付は10月1日だが、報道機関へのリークは前日の9月30日。
  10. ^ a b 当館の休館開始予定の延期に関するお知らせ”. DIC川村記念美術館公式サイト (2024年10月1日). 2024年10月1日閲覧。
  11. ^ “「DIC川村記念美術館」来館者急増で休館を2か月延期 千葉”. NHK 首都圏NEWS WEB. (2024年10月1日). https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20241001/1000109601.html 2024年11月19日閲覧。 
  12. ^ 迫真「文化インフラ決壊前夜4 市場原理とせめぎ合い」日本経済新聞・2024年11月7日(朝刊)・東京本社版第2面。
  13. ^ a b DIC川村記念美術館の佐倉市での存続を求める署名にご協力ください”. 佐倉市公式サイト (2024-11-18更新). 2024年11月18日閲覧。
  14. ^ a b DIC、川村美術館を都内に移転 作品数を4分の1に削減”. 日本経済新聞 (2024年12月26日). 2024年12月27日閲覧。
  15. ^ 主なコレクション”. DIC川村記念美術館. 2017年5月28日閲覧。
  16. ^ 「DIC、自社美術館の絵画を売却 譲渡益は103億円」(日本経済新聞、2003年10月4日付)
  17. ^ 日本画作品の公開終了と展示室の改修について DIC川村記念美術館 - ウェイバックマシン(2019年3月28日アーカイブ分)、『美術手帖』

外部リンク

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