CUL (VOCALO Revolution)
CUL(カル)は、VOCALO Revolution(ボカロレボリューション)のキャラクター、およびその歌声として作られた音楽製作用のボーカル音源である。2011年1月放送のテレビ番組『VOCALO Revolution』にて3DCGモデルとして登場し、同年12月22日にインターネット社から、ヤマハが開発した歌唱用の音声合成技術VOCALOIDを採用したパソコン向けのボーカル音源「VOCALOID3 CUL」が発売された。
概要
[編集]CULは、2011年1月にボカロレボリューション製作委員会が製作し独立局6局でテレビ放送された、地上波初のVOCALOID専門番組『VOCALO Revolution』の番組オリジナルキャラクターとして登場した[1]。番組は、VOCALOIDを用いた作品をインターネット上で発表しているクリエイターのインタビューや、PVなどを取り上げたもので、その番組内で紹介する作品としてネットで既に発表されているPVだけでなく、何か新しい作品も作りたいという意向から、作品に使用するためのキャラクターとしてCULが生み出された[2]。CULの名称はカルチャー(Culture)からとられている[2]。キャラクターのビジュアルは3DCGモデル製作者のLatにより、番組プロデューサーのヒロトPと協議しながら、MikuMikuDance用の3DCGモデルとして作成された[2]。声については、2011年1月に行われた『VOCALO Revolution』の放送では、ビープラッツが発売していたキャラクター無しのVOCALOID「VY1」の声を当てていた[2]。
「VY1」の歌声を使ったキャラクターとして登場したCULであるが、番組放送後、借り物でないCULの声が欲しいといった要望があったこともあり、CUL自身の声のVOCALOID用音源の制作が行われることになる[2]。製品の開発、製造販売は、インターネット社が担当している。ライブラリのベースとなる音声の提供者は、VOCALOIDに理解があり、声に特徴があるということから、声優の喜多村英梨を起用した[2]。推奨するテンポは40BPM〜200BPM、推奨する音域は F2〜E4。低音域から中・高音域まであらゆるジャンルをパワフルに歌いこなすとされる[3]。パッケージのキャラクターイラストは、番組に使用された落ち着いた雰囲気のデザインから、声にあわせたロックなイメージに描き直されており、ゴスパンク風の衣装となっている[4][5]。
また裏設定として、CULは5姉妹の4女に当たり、「風雪月花」の花を司るとされ(残りの姉妹のイメージカラーはそれぞれ青・白・黄色)、他に生き別れの双子の妹の黒CUL(別名:濡鴉)がいるとされ、忍びの里で生まれ育ったことが明かされている[6]。そして後述のROSAの登場により6姉妹であることが判明した。
プロフィール
[編集]- 年齢:16歳
- 身長:157cm
- 体重:内緒
- 得意ジャンル:ロック/民族系音楽など
- イメージカラー:赤
関連企画・商品
[編集]ボカロレボリューション製作委員会による企画
[編集]- 『VOCALO Revolution』
- 2011年1月にKBS京都、サンテレビ、千葉テレビ、テレビ神奈川、三重テレビ、テレビ埼玉で放送され、CULが初めて登場したボカロレボリューション製作委員会製作のテレビ番組。CULの3DCGモデルが番組で紹介するPVに使用されたが、歌声については「VY1」を使用している。
- 『歌ウデイズ』
- 「キタエリ×CUL2.5次元写真集」と銘打った、CULと音声を担当した喜多村英梨による写真集[2]。「VOCALOID3 CUL」のアナザーストーリー[2]。
- 『拝啓、あなたはボーカロイドを知っていますか?』
- 制作委員会代表幹事の北條俊正による、VOCALOIDを用いた作品を発表する女子高校生を主人公にVOCALOIDの文化を描いた小説[2]。小説独自の設定のVOCALOIDとしてCULが登場する。2012年5月発売。
主な音楽CD
[編集]CULが曲に使用されていることが明記された主な音楽CD。
タイトル | アーティスト | レーベル | 発売日 |
---|---|---|---|
V love 25〜Brave Heart〜 | オムニバス | BinaryMixx Records | 2012年3月14日 |
坊歌ろいど 〜火の巻〜 | オムニバス | U-Rythmix records | 2012年4月27日 |
世迷言ユニバース | ゆうゆ | 日本クラウン | 2012年5月23日 |
KARENTによる音楽配信
[編集]クリプトン・フューチャー・メディアのレーベル「KARENT」により、iTunes Storeなどの音楽配信サイトから、「CUL」の名前が明記された楽曲を収録し販売されているアルバム。
タイトル | アーティスト | リリース日 |
---|---|---|
Muse | otetsu | 2012年2月27日 |
YELL -Bitter & Sweet- | キセノンP | 2013年2月4日 |
その他
[編集]- メグメグ☆シンガーソングファイター(漫画:CAFFEIN、監修:株式会社インターネット、出版:KADOKAWA アスキー・メディアワークス)
- CULをモデルにしたキャラクターが登場する。「COMIC@LOID」連載。2014年5月発売。
関連キャラクター
[編集]- ROSA(ロサ)
- →「CeVIO § ロサ(ROSA)」も参照
- CULの末妹。かつてCULを企画したヒロトPが新たに立ち上げた「株式会社ZAN-SHIN」により企画されたキャラクター。音声提供者はしらゆき。CeVIO AIによるトーク用ライブラリとSynthesizer V AIによるソング用ライブラリが発売された。
- プロフィール
- REV(レヴ)
- CULの幼馴染の男性。ヒロトP本人が音声を提供している。元はCUL同様『VOCALO Revolution』の番組オリジナルキャラクターで、その時はビープラッツが発売していたキャラクター無しのVOCALOID「VY2」の声が当てられていた。TALQuによるトーク用ライブラリとDeepVocalによるソング用ライブラリがフリーソフトとして、CoeFont Cloudによるトーク用ライブラリが有料音源としてリリースされた。
- WhiteCUL
- CULの姉で、風雪月花4姉妹の次女にあたる。VOICEVOXによるトーク用音源がリリースされた他、VOCALOID6によるソング用音源の発売が予定されている。
- プロフィール
- 年齢:20歳
- 身長:165cm
- 体重:内緒
- 愛称:雪さん
- 相棒:雪おこじょ
- 好物:バニラソフトクリーム
- イメージカラー:白
脚注
[編集]- ^ “地上波初のボカロ番組 テレビ神奈川などで来年1月に”. ITmedia. (2010年12月8日) 2013年2月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 『ボカロ Plus vol.3』徳間書店、2012年、31-43頁。ISBN 978-4197203451。
- ^ 『VOCALOIDをたのしもう Vol.8』ヤマハミュージックメディア、2012年、15頁。ISBN 978-4636885538。
- ^ 『ボカロ Plus vol.4』徳間書店、2012年、36-37頁。ISBN 978-4197203482。
- ^ 『VOCALOIDをたのしもう Vol.8』ヤマハミュージックメディア、2012年、49頁。ISBN 978-4636885538。
- ^ ヒロトPのTwitter
- ^ “第133回ボカレボ公式生放送!2021年5月15日(土) - YouTube”. ヒロトPチャンネル! (2021年5月15日). 2021年5月17日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- VOCAREVO WEB
- 株式会社インターネット
- CUL (@CUL1224) - X(旧Twitter)