へび座
表示
(CB 130-3から転送)
この記事は英語版の対応するページを翻訳することにより充実させることができます。(2023年11月) 翻訳前に重要な指示を読むには右にある[表示]をクリックしてください。
|
Serpens | |
---|---|
属格形 | Serpentis |
略符 | Ser |
発音 | 英語発音: [ˈsɜrpɨnz]、属格:/sərˈpɛntɨs/ |
象徴 | the Snake |
概略位置:赤経 |
頭部(Caput): 16 h 尾部(Cauda): 18 |
概略位置:赤緯 |
頭部(Caput): +10° 尾部(Cauda): −5 |
正中 |
6月30日午後9時 8月5日午後9時 |
広さ | 637平方度[1] (23位) |
バイエル符号/ フラムスティード番号 を持つ恒星数 | 57 |
3.0等より明るい恒星数 | 1 |
最輝星 | α Ser(2.630等) |
メシエ天体数 | 2 |
隣接する星座 |
頭部(Caput): かんむり座 うしかい座 おとめ座 てんびん座 へびつかい座 ヘルクレス座 尾部 (Cauda): わし座 へびつかい座 いて座 たて座 |
へび座(へびざ、蛇座、Serpens)は、トレミーの48星座の1つ。最も明るい星でも3等星と、暗い星が多い。へび座は、へびつかい座を間に挟む形で西側の「頭部 (Serpens Caput)」と東側の「尾部 (Serpens Cauda)」の2つに分かれている。頭部にはα、β、γ、δ、ε、ι、κ、λ、μ、π、ρ、σ、τ1、τ2、τ3、τ4、τ5、τ6、τ7、τ8、υ、φ、χ、ψ、ω星がある。尾部にはζ、η、θ、ν、ξ、ο星がある。
主な天体
[編集]恒星
[編集]→「へび座の恒星の一覧」も参照
以下の恒星には、国際天文学連合によって正式に固有名が定められている[2]。
- α星:3等星。へび座で最も明るい恒星で、頭部にある。アラビア語で「蛇の首」を意味する言葉に由来[3]する「ウヌクアルハイ[4] (Unukalhai)」という固有名を持つ。
- θ星:5等星。尾部にあり、地球から三重星に見える。そのうちθ1星とθ2星は連星系を成している。θ1星にはアラビア語で「羊の太ったしっぽ」を意味する言葉に由来[3]する「アリア[4] (Alya)」という固有名が付けられている。
- κ星:4等星。2018年に、オーストラリアのノーザン・テリトリーに住むオーストラリア先住民のWardaman族の言葉で「メルテンスオオトカゲ」を意味する「グジャ (Gudja)」という固有名が定められた。
- HD 168746:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でキプロスに命名権が与えられ、主星はAlasia、太陽系外惑星はOnasilosと命名された[5]。
- HD 175541:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でイランに命名権が与えられ、主星はKaveh、太陽系外惑星はKavianと命名された[5]。
その他、以下の恒星が知られている。
- δ星:頭部にあり、4等星のAと5等星のBが見かけの二重星を成している。
星団・星雲・銀河
[編集]- M5:球状星団。頭部、α星の南西約8度に位置する美しい球状星団。
- M16(わし星雲):散開星団と散光星雲の複合した天体。この天体は小型望遠鏡では散開星団に見えるが、実際には散光星雲の中に星団がある。この散光星雲は新しい恒星ができつつある部分と考えられている。星団の恒星の光によって星雲部分が輝き、独特の画像が見られるが観測には若干大きな望遠鏡が必要である。
- IC 1101:既知で最も巨大な銀河。直径が600万光年ある。
- CB 103-3:分子雲
へび座尾部は、天の川と重なっている。
その他
[編集]- PSR J1719-1438 - 惑星が1個見つかっているミリ秒パルサー。
由来と歴史
[編集]紀元前3世紀頃の学者エラトステネスの『カタステリスモイ』や紀元前1世紀頃の著作家ヒュギーヌスの『天文詩』では、へびつかい座の一部とされていた[6]。2世紀頃の古代ローマの学者トレミーは著書『アルマゲスト』の中で、へびつかい座とは独立した1つの星座として扱った[4]。しかし、後のヨハン・ボーデやジョン・フラムスティード、ヨハネス・ヘヴェリウスといった星図製作者たちはへびつかい座と一体となった星座として描いており、わずかにヨハン・バイエルが著書『ウラノメトリア』の中で控えめながら別の星座として扱う程度であった[6]。1922年に国際天文学連合が現在の88星座を定めた際にそれぞれ別の星座として確立され、ウジェーヌ・デルポルトによって現在の形に分割された[6]。
神話
[編集]→「へびつかい座 § 神話」を参照
脚注
[編集]- ^ “星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
- ^ “IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合 (2022年4月4日). 2022年7月9日閲覧。
- ^ a b Kunitzsch, Paul; Smart (2006). A Dictionary of Modern star Names: A Short Guide to 254 Star Names and Their Derivations. Sky Pub. Corp.. p. 54. ISBN 978-1-931559-44-7
- ^ a b c 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、149-150頁。ISBN 978-4-7699-0825-8。
- ^ a b “Approved names” (英語). Name Exoworlds. 国際天文学連合 (2019年12月17日). 2020年1月5日閲覧。
- ^ a b c Ridpath, Ian. “Star Tales - Serpens”. 2016年10月8日閲覧。