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CASA CN-235

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
CASA/IPTN CN-235から転送)

CASA CN-235

スペイン空軍のCASA CN-235M-100

スペイン空軍のCASA CN-235M-100

CASA/IPTN CN-235は地域型旅客機および軍用輸送機としてスペインCASAインドネシアIPTNで共同開発された中距離双発ターボプロップ機。軍隊仕様では海洋哨戒、監視、部隊輸送の用途がある他、ガンシップとした対地攻撃型も登場している。最大の運用国は、計61機を保有するトルコ

設計・開発

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スペインのCASAとインドネシアのIPTNの合弁事業で計画され、計画管理のためエアテック社 (Airtech) が作られた。設計と製造の責務は、2社で半分ずつ担当された。後のバージョンは各々独立して開発され、実質的に協力して設計されたのはシリーズ 10とシリーズ 100/110のみであった。

設計は1980年1月から始まり、1983年11月11日に初めて飛行した。スペインとインドネシアで1986年6月20日に認可された。量産機の初飛行は1986年8月19日であった。そして、連邦航空局の承認は1986年12月3日に与えられた。CN-235はメルパチ・ヌサンタラ航空が1988年3月1日に初運航した。

CN-235はアメリカ沿岸警備隊に中距離監視海洋哨戒機 (MRSMPA) プログラムとして選定された[1]。2004年にロッキード・マーティンを主請負業者に契約された[2]。採用されたHC-144A オーシャン・セントリー (Ocean Sentry) は2006年12月にミッション・パッケージを導入するため、EADS CASAからロッキード・マーティンへ届けられた[3]。2009年4月2日に初期作戦能力(IOC)を達成し、2009年7月1日までに8機が引き渡された。

2008年7月にメキシコ海軍は6機のCN-235を注文すると発表した。

2006年8月にアフリカの航空会社サファイア (Safair)とティコ (Tiko Air) が3機のCASA CN-235-10を運用している[4]アジアンスピリットもフィリピンで唯一のCN-235-220を運用していた。

1995年にCASAはCN-235の胴体を引き延ばしたEADS CASA C-295の開発を開始している。

派生型

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CN235-10
GE CT7-7Aエンジンを積む最初の量産型(15機ずつ製造)
CN235-100/110
GE CT7-9Cへ換装したシリーズ 10。1988年に31機目からシリーズ 10に代わって生産された。電気系統、警告・環境システムを改善。スペインでの設計がシリーズ 100、インドネシアでの設計がシリーズ 110となる。
CN235-200/220
改良型。より重い運用重量を満たすため、構造を強化。航空力学的な改善のため、主翼の前縁と方向舵を変更。最大ペイロード状態での着陸滑走距離を減らし、航続距離が延長された。シリーズ 200がスペインで、シリーズ 220がインドネシア。
CN235-300
ハネウェル社のアビオニクス一式を採用した200/220シリーズのCASA改変型。他は与圧の改善さとオプションである前輪の複車輪化に備えた変更。
CN235-330 フェニックス
オーストラリア空軍で計画された戦術輸送機の調達に、IPTNがハネウェル製アビオニクスの更新、ARL-2002 EWシステム、最大離陸重量16.800kg (37.037 lb)へ引き上げなどシリーズ 200/220の改良型を提案。財政的な理由で1998年にキャンセルされた。
CN235 MPA
海洋哨戒機。6箇所のハードポイントを追加し、AM-39Mk46魚雷を搭載可能[5]
HC-144 オーシャンセントリー
HU-25 ガーディアンの更新用として、アメリカ沿岸警備隊向けに設計された捜索救難型。-300MP型をもとに設計されており、8機が発注された。32機の取得を計画。
AC-235
ヨルダン空軍が導入したガンシップ型。胴体左側にM230LF 30mmチェーンガンを装備し、スポンソン両側にヘルファイアやロケット弾ポッドを携行するパイロンを追加している。

運用者

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CN-235の運用国
ボツワナの旗 ボツワナ
ボプタツワナの旗 ボプタツワナ
  • ボプタツワナ空軍 (南アフリカ空軍へ編入)
ブルネイの旗 ブルネイ
ブルキナファソの旗 ブルキナファソ
カメルーンの旗 カメルーン
 チリ
 コロンビア
エクアドルの旗 エクアドル
フランスの旗 フランス
ガボンの旗 ガボン
  • ガボン空軍
コートジボワールの旗 コートジボワール
インドネシアの旗 インドネシア
アイルランドの旗 アイルランド
ヨルダンの旗 ヨルダン
マダガスカルの旗 マダガスカル
マレーシアの旗 マレーシア
メキシコの旗 メキシコ
  • メキシコ海軍 (2010年9月までに受領する予定[8][9]
モロッコの旗 モロッコ
  • モロッコ空軍(7機)
ネパールの旗 ネパール
パキスタンの旗 パキスタン
パナマの旗 パナマ
  • パナマ空軍 1994年まで
パプアニューギニアの旗 パプアニューギニア
  • パプアニューギニア国防軍
大韓民国の旗 韓国
サウジアラビアの旗 サウジアラビア
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国
セネガルの旗 セネガル
スペインの旗 スペイン
トルコ空軍の所属機 トルコ沿岸警備隊の所属機
トルコ空軍の所属機
トルコ沿岸警備隊の所属機

; トルコの旗 トルコ

アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
タイ王国の旗 タイ

諸元・性能 (CN-235-100)

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二面図。

出典: greg goebel (2011年5月1日). “CASA Cargolifters: C-212, CN-235, & C-295” (英語). 2011年12月25日閲覧。

諸元

性能

  • 最大速度: 509 km/h (275 kn)
  • 巡航速度: 460 km/h (250 kn)
  • 航続距離:  
    • 4t積載時: 2,870 km (1,550 nmi)
    • 最大燃料時: 5,003 km (2,701 nmi)
  • 実用上昇限度: 9,145 m (30,000 ft)
  • 上昇率: 542 m/min (1,780 ft/min)
  • 離陸滑走距離: 755 m (2,475 ft)
  • 着陸滑走距離: 600 m (1,970 ft)


お知らせ。 使用されている単位の解説はウィキプロジェクト 航空/物理単位をご覧ください。

出典

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  1. ^ DOD 4120.15-L - Addendum
  2. ^ CN-235-300 Multi-Mission Tactical Transport Aircraft”. 2009年8月1日閲覧。
  3. ^ "News Breaks", Aviation Week & Space Technology, 18 December 2006.
  4. ^ Flight International, 3-9 October 2006
  5. ^ CN-235 Persuader Maritime Patrol Aircraft – Airforce Technology”. 5 July 2015閲覧。
  6. ^ a b 「航空最新ニュース 海外軍事航空 セネガル、初のジェット戦術機L-39NGを発注」『航空ファン』通巻787号(2018年7月号)文林堂 P.127
  7. ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 461. ISBN 978-1-032-50895-5 
  8. ^ Mexican navy's budget increases by a fifth”. 2009年8月1日閲覧。
  9. ^ Secretaria de Marina - Armada de México” (PDF). 2009年8月1日閲覧。
  10. ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 277. ISBN 978-1-032-50895-5 
  11. ^ Pakistan Air Force Equipment”. 2009年8月1日閲覧。

外部リンク

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