CANZUK
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CANZUK(カンザク)は、カナダ(Canada)、オーストラリア(Australia)、ニュージーランド(New Zealand)、イギリス(United Kingdom)の頭文字をとった国際的な連合構想である。これらの国の人口の大多数が英語を話すことに加えて、経済制度・法制度・連合・君主など様々な点で共通点がある。この構想は民間団体であるCANZUK International[1]によって提唱されており、主にイギリス保守派によって支持されている。
歴史
[編集]由来
[編集]1967年にウィリアム・デイビッド・マッキンタイア[英語版]の著書「Colonies into Commonwealth」にて使われた「CANZUK Union/カンザク連合」という言葉が初出である。
2015年、CANZUK諸国間の移民、貿易、外交政策協力を拡大するというアイデアが、CANZUK Internationalの創設者であり現在のCEOでもあるジェームズ・スキナーによって考案された。
2016年、ブレグジットとその過程によってヨーロッパ社会から孤立したイギリスでは、離脱を推進した保守派によってCANZUKの認識と支持が広がった。その理由として、EUでは主導権を握りづらかったが、CANZUKであれば握りやすいという意識があったためである。これは現代の植民地主義であるという批判もある[2]。
4ヶ国の共通点
[編集]カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは、かつてイギリスの植民地(→自治領)であった。この関係で4ヶ国は現在もコモンウェルスに属しており、チャールズ3世を君主としている。植民地時代の名残から、多くの制度にイギリスの制度と共通する箇所が見られる。
- 政治
- 議院内閣制に基づいた政治制度を採用している。
- 法制度
- コモン・ローを基礎とした法制度が作られている。
- 宗教
- クリスチャンが国民の一定の割合を占める。
比較
[編集]カナダ | オーストラリア | ニュージーランド | イギリス | |
---|---|---|---|---|
国旗 | ||||
かつての国旗 | ||||
人口 | 37,971,020人 | 25,522,169人 | 5,124,850人 | 66,796,807人 |
面積 | 9,984,670km2[3] | 7,741,220km2[4] | 268,838km2[5] | 243,610km2[6] |
人口密度 | 3.9人/km2 | 3.3人/km2 | 18.3人/km2 | 270.7人/km2 |
EEZ | 5,559,077km2 | 8,505,348km2 | 4,420,565km2 | 6,805,586km2 |
首都 | オタワ | キャンベラ | ウェリントン | ロンドン |
政体 | 連邦立憲君主制 | 立憲君主制 | ||
国王 | チャールズ3世 | |||
首相 | ジャスティン・トルドー | アンソニー・アルバニージー | クリストファー・ラクソン | リシ・スナク |
公用語 | 英語、フランス語 | 英語 | 英語、マオリ語、ニュージーランド手話 | 英語 |
通貨 | カナダ・ドル | オーストラリア・ドル | ニュージーランド・ドル | イギリス・ポンド |
脚注
[編集]- ^ “CANZUK International - Home” (英語). CANZUK International (2023年10月24日). 2023年12月16日閲覧。
- ^ 竹内 真人 (2019年10月31日). “日本経済評論社 - Critiques”. www.nikkeihyo.co.jp. 日本経済評論社. 2023年12月16日閲覧。
- ^ "CANZUK". The World Factbook (英語). Central Intelligence Agency. 2020年6月15日閲覧。
- ^ "CANZUK". The World Factbook (英語). Central Intelligence Agency. 2020年8月22日閲覧。
- ^ "CANZUK". The World Factbook (英語). Central Intelligence Agency. 2020年6月15日閲覧。
- ^ "CANZUK". The World Factbook (英語). Central Intelligence Agency. 2020年6月15日閲覧。