トリフェニルメタン
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トリフェニルメタン | |
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Triphenylmethane | |
別称 1,1',1"-Methylidynetrisbenzene | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 519-73-3 |
PubChem | 10614 |
ChemSpider | 10169 |
EC番号 | 208-275-0 |
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特性 | |
化学式 | C19H16 |
モル質量 | 244.33 g/mol |
示性式 | (C6H5)3CH |
密度 | 1.014 g/cm3 |
融点 |
92-94 °C |
沸点 |
359 °C |
水への溶解度 | 溶けない |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | External MSDS |
Rフレーズ | R36 R37 R38 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
トリフェニルメタン (triphenylmethane) とは、芳香族炭化水素の1種で、同一炭素にフェニル基が3個ある有機化合物である。フェノールフタレインを始めとする様々な色素の部分構造となっている。なお、トリフェニルメチル基は別名をトリチル基と呼ばれ、保護基として用いられる。
合成
[編集]ベンゼンと四塩化炭素からフリーデル・クラフツ反応によりクロロトリフェニルメタンを得て、これを塩化水素/エーテルで還元してトリフェニルメタンとする[1]。このほか、トリフェニル酢酸は、融点以上に加熱すると熱分解して、トリフェニルメタンが生成することも知られている[2]。
性質
[編集]ベンジル位の(ベンゼン環に直結した炭素に結合している)水素は外れやすく、水素ラジカル (H•)、プロトン (H+)、ヒドリド (H−) の引き抜きがいずれも容易に起こる。
これらの反応でそれぞれ発生するトリフェニルメチルラジカル、アニオン、カチオンがいずれも3個のベンゼン環により強く共役安定化されることによる。このため、水素ラジカル源、ヒドリド源として有機反応に用いられる。
出典
[編集]- ^ Norris, J. F. Org. Synth., Coll. Vol. 1, p.548 (1941); Vol. 4, p.81 (1925). オンライン版
- ^ 大木 道則、大沢 利昭、田中 元治、千原 秀昭 編集『化学辞典』 p.976 東京化学同人 1994年10月1日発行 ISBN 4-8079-0411-6
関連項目
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