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BMW・1シリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
BMW 1シリーズから転送)
3代目(F40)& 4代目(F70)

1シリーズ(英語名: 1 Series、ドイツ語名: 1er)は、ドイツの自動車メーカー・BMWが製造・販売している乗用車である。

概要

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Cセグメントに属しており、かつて、BMWのエントリーモデルであった、3シリーズコンパクト(E46)の後継を担っている。

基本のボディタイプは、5ドアハッチバックとなるが、世代や地域によっては、2ドアクーペ/オープンカー、3ドアハッチバック、4ドアセダンも用意されていた。

他社のCセグメント車は、室内容積などの実用面を重視して、駆動方式に横置きFFを採用しているのに対し、初代(E87)および2代目(F20)の1シリーズは、走行性能の追求のため、フロントアクスルとリアアクスルの荷重を、ほぼ50:50の均等に配分することに拘り、縦置きFRを採用していた。

3代目(F40)は、MINIや、2シリーズ アクティブツアラー/グランツアラーF45/F46)で培われた技術を活用し、横置きFFで開発された[1]。ただし、アクセルペダルは、吊り下げ式ではなく、引き続き、オルガン式が採用される。

BMW CS1 Concept

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CS1 Concept CS1 Concept
CS1 Concept

2002年、デザイン開発コンセプトモデルの「BMW CS1 Concept」が公開された。スタイリングは、下記の市販車とは異なる、オープンエア・2ドア・4シーターで、1,796cc 直列4気筒エンジンを搭載していた。

初代(2004年 - 2011年)E81型/E82型/E87型/E88型

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BMW・1シリーズ(初代)
E81/82/87/88
E87 120i(前期型)
E87 123d(後期型・LCI)
E87 130i(後期型・LCI)
概要
製造国 ドイツの旗 ドイツ
販売期間 2004年 - 2011年 (E87)
2008年 - 2014年 (E82/E88)
ボディ
乗車定員 5人 (E87)
4人 (E82/E88)
ボディタイプ 3 / 5ドア ハッチバック
2ドアクーペ
2ドアカブリオレ
駆動方式 後輪駆動
パワートレイン
エンジン 1.6-2.0L 直列4気筒
1.6-2.0L 直列4気筒ディーゼル
3.0L 直列6気筒
変速機 6速AT
6速MT
7速DCT
車両寸法
ホイールベース 2,660 mm
全長 4,240 mm (E87)
4,370 mm (E82/E88)
全幅 1,750 mm
全高 1,430 mm (E87)
1,410 mm (E82/E88)
車両重量 1350 - 1530 kg
系譜
先代 BMW・E46 ti
後継 BMW・F20/F21(E87/E81の後継)
BMW・F22/F23(E82/E88の後継)
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ハッチバック (E87/E81)

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2004年7月、ドイツ本国で発表された[2]。開発時のデザイン部長は、クリス・バングル。基本のプラットフォームを、5代目・3シリーズ(E90)と共有する。販売当初は、5ドアモデルのみで、モデルコードはE87である。生産は、ドイツのレーゲンスブルク工場で行われる。

2007年1月、ドイツ本国でフェイスリフトモデル (E87 LCI)が発表され、同時に、3ドアモデル (E81) が追加された(日本未導入)。キドニーグリルが大きくなり、フォグランプ形状も丸型から四角形に変更された。これに伴い、フロントバンパー開口部も変更されている。また、「120i」と「118i」には、新開発の直列4気筒ガソリンエンジンが搭載された。

日本での販売

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2004年9月22日、発表された。同年10月9日から「120i」の販売を開始し、「118i」と「116i」は、予約受付が開始された(納車開始は、2005年3月頃)。「116i」は1.6L 直列4気筒ガソリンエンジン、「118i」と「120i」は、2.0L 直列4気筒ガソリンエンジンを搭載し、6速ATが組み合わされる。全モデル、右ハンドル仕様のみの設定となる。

2005年10月4日、3.0L 直列6気筒ガソリンエンジンを搭載した、フラッグシップモデル「130i」が追加された。「M Sport」を標準装着しており、右ハンドル、6速MTのみの設定となる。併せて、「116i」「118i」「120i」にも、「M Sport」パッケージが、オプション設定された。

2006年4月20日、仕様変更。「130i」に、6速ATモデルが追加された。ステアリングには、パドルシフトが装備され、変速時間を短縮した「スポーツAT」を採用する。

2007年5月24日、フェイスリフトモデル(LCI)が、正式発表された[3]。日本仕様では、「118i」が廃止され、「116i」と「120i」は引き続き、従来型のエンジンが搭載される。

2010年5月25日、仕様変更。本国仕様に遅れて、新型のエンジンに切り替えることが発表された[4]。ただし、「130i」においては、リーンバーン直噴を採用した、N53型の搭載は見送られ、引き続き、ポート噴射のN52型が、若干のパワーダウン等の小変更を受けて、採用された。

E87(2004年 - 2007年)/ E87 LCI(2007年 - 2011年)
グレード 型式 排気量 (cc) エンジン 最高出力 (ps/rpm) 最大トルク (kgm/rpm) 変速機 駆動方式
116i(2004年 - 2010年) N45B16A 1,596 直列4気筒DOHC 115/6,000 15.3/4,300 6速AT 後輪駆動
116i(2010年 - 2011年) N43B16A 1,597 122/6,000 16.3/4,250
118i(2004年 - 2010年) N46B20B 1,995 129/5,750 18.4/3,250
120i(2004年 - 2010年) 156/6,400 20.4/3,600
120i(2010年 - 2011年) N43B20A 170/6,700 21.4/4,250
130i(2006年 - 2010年) N52B30A 2,996 直列6気筒DOHC 265/6,600 32.1/2,750 6速AT/6速MT
130i(2010年 - 2011年) 258/6,600 31.6/2,600-3,000

クーペ (E82) / カブリオレ (E88)

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E82 123d クーペ
E88 120i カブリオレ

2007年7月、翌年春より、クーペモデル (E82) をアメリカ、欧州市場に投入することが発表された。

同年10月、カブリオレ (E88) が、ドイツ本国で発表された。4人乗りのオープンモデルで、ファブリック製の電動開閉式ソフトトップを採用している。

2014年、クーペ及び、カブリオレの後継モデルが「2シリーズ」に改称され、発売を開始した。

日本での販売

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2008年2月26日、クーペが発表された[5]。3.0L 直列6気筒ツインターボ・ガソリンエンジンを搭載する「135i」が設定された。トランスミッションは、6速MTが標準設定で、6速ATは予約受注という形が採られた。Mスポーツパッケージは、標準装備であった。

同年3月26日、カブリオレが発表された[6]。2.0L 直列4気筒ガソリンエンジンに、6速ATが組み合わされる「120i」のみが用意された。

2010年5月25日、クーペに「120i」が追加投入された[7]。また、「135i」は、エンジンが変更されるとともに、トランスミッションが、6速ATから7速DCTに変更された[8]

2011年6月20日、フェイスリフトモデル(E82 LCI・E88 LCI)が発表された[9]

E82/E88(2008年 - 2011年)/ E82 LCI/E88 LCI(2011年 - 2014年)
グレード 型式 排気量 (cc) エンジン 最高出力 (ps/rpm) 最大トルク (kgm/rpm) 変速機 駆動方式
120i カブリオレ(2008年 - 2010年) N46B20B 1,995 直列4気筒DOHC 156/6,400 20.4/3,600 6速AT 後輪駆動
120i カブリオレ/クーペ(2010年 - 2014年) N43B20A 170/6,700 21.4/4,250
135i クーペ(2008年 - 2010年) N54B30A 2,979 直列6気筒DOHCツインターボ 306/5,800 40.8/1,300-5000 6速AT/6速MT
135i クーペ(2010年 - 2014年) N55B30A 直列6気筒DOHCターボ 306/5,800 40.8/1,200-5000 7速DCT/6速MT

2代目(2011年 - 2019年)F20型/F21型/F52型

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BMW・1シリーズ(2代目)
F20/21/52
F20 116i M Sport(前期型)
F20 118i SE(後期型・LCI)
F20 M140i(後期型・LCI)
概要
製造国 ドイツの旗 ドイツ ライプツィヒレーゲンスブルク、ディンゴルフィン
(日本正規輸入車)
販売期間 2011年 - 2019年(F20/F21)
2017年 - 2021年(F52)
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
4ドアセダン
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン 1.5L 直列3気筒
1.5L 直列3気筒ディーゼル
1.6-2.0L 直列4気筒
1.6-2.0L 直列4気筒ディーゼル
3.0L 直列6気筒
変速機 8速AT
6速AT
6速MT
サスペンション
ダブルジョイントスプリングストラット式
5リンク式
車両寸法
ホイールベース 2,690 mm
全長 4,335 mm
全幅 1,765 mm
全高 1,425 - 1,440 mm
車両重量 1,400 - 1,420 kg
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2011年6月5日、フルモデルチェンジ[10]。欧州市場では、同年秋から販売を開始した[11]

先代より、ホイールベースを30mm延長し、2,690mmとした[12]。室内空間も拡大され、後席の足元スペースは、先代よりも約20mm拡大し、後席の居住性が改善された。また、収納性も向上し、フロント・センター・コンソールのシフト・レバーの前に、2つのカップ・ホルダーとトレーを装備したほか、フロントのドア・ポケットには、ボトル・ホルダーが、フロント・センター・アームレストの下には、収納トレーが装備された。

大型のキドニー・グリル、片側2灯式のバイ・キセノン・ヘッドライト、3分割されたエア・インテークによるフロント・デザインが、特徴的である。立体的なデザインで形作られた、テール・ライトのライト・ユニットには、L字形に輝くLEDライトが装備される。

全モデルに、アイドリングストップ機構や、ブレーキ・エネルギー回生システムを採用し、燃料消費量の低減を図っている。トランスミッションは、セグメント初の8速ATを搭載する。さらに、メルセデス・ベンツ・Sクラス(W220)が最初に導入し、世界中のメーカーが追従していた、ウインカー内蔵ドアミラーを、BMWとしては初めて採用した。

快適装備も、数多く充実している。ドライビング・パフォーマンス・コントロール(ECO PROモード付)をはじめ、6.5インチ・コントロール・ディスプレイ、iDriveコントローラー、オートマチック・エア・コンディショナーなどが、標準設定される。

販売当初は、5ドアモデル(F20)のみで、ガソリン・モデルは、「116i」と「118i(日本仕様:120i)」の2種類、ディーゼル・モデルは、「116d」「118d」「120d」の3種類がラインアップされる。それぞれに、Standard、Sport Line(日本仕様:Sport)、Urban Line(日本仕様:Style)の3タイプが用意され、内外装の意匠や、装備内容が異なる。

2012年5月、3ドアモデル(F21)および、新グレード「114i」と「M135i」が追加された。「M135i(LCI後:M140i)」を除く全モデルに、ランフラットタイヤを標準装備している。

2015年、フェイスリフト(LCI)が実施され、内外装のデザインが刷新された。さらに、新開発の直列3気筒ガソリンエンジンを搭載した、新グレードが追加された。

2017年2月27日、4ドアセダン(F52)が発表された(日本未導入)[13]。F20をベースとしながら、細部のデザインは、若干異なる。開発は、中国現地のエンジニアの助言を受けながら、ミュンヘンのBMW本社が担当する。生産は、「BMW Brilliance Automotive Ltd.」のTiexi工場にて行われる。ラインアップは、「118i」「120i」「125i」の3種類が用意される。当初は、中国市場専売の予定であったが、のちに、メキシコでも発売された。一代限りで販売を終了し、2シリーズ グランクーペ(F44)が、実質的な後継車となる。

日本での販売

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2011年9月22日、「116i」と「120i」の販売が開始された[14]。エンジンは、両者ともに、1.6L 直列4気筒ガソリンエンジン(N13B16A型)で、出力のみ異なる。トランスミッションは、新開発の8速ATのみで、右ハンドル仕様のみの設定となる。Sportにオプションで設定される、Mスポーツ・サスペンションを選択した場合、最低地上高が、15mmダウン(140mm→125mm)する。

2012年8月1日、高性能モデル「M135i」の販売が開始された[15]。エンジンは、先代と同形式のN55B30A型であるが、BMW Mによるチューニングがなされ、最高出力は、14psアップの320psを発生する。トランスミッションは、8速スポーツATのみとなる。この「M135i」は、M Performance Automobiles(M3やM5などの「BMW Mモデル」と、標準モデルとの間に位置するモデル)の、日本市場における最初のモデルとなる。

2013年8月29日、仕様変更[16]。「Standard」を除く全モデルに、iDriveナビゲーション・システム、BMW SOSコール、BMWテレサービスを標準装備とした。加えて、歩行者検知機能付「衝突回避・被害軽減ブレーキ」を含む「ドライビング・アシスト・パッケージ」を、全モデルにオプション設定した。

2014年11月25日、エントリー・モデルとして、新グレード「116i Young Line」を追加設定[17]。「116i」をベースに、標準装備を厳選し、価格を抑えたモデルである。しかしながら、iDriveナビゲーション・システムや、8.8インチ・コントロール・ディスプレイなどの快適装備は、据え置きとした。

2015年5月14日、フェイスリフトモデル(LCI)の発表が行われた[18]。ラインアップは、「118i」「120i」「M135i」の3モデルが用意される。販売当初の「118i」は、フェイスリフト前の「116i」と同様に、1.6L 直列4気筒ガソリンエンジンを搭載していた。

同年8月24日、仕様変更。「118i」のエンジンを、1.5L 直列3気筒ガソリンエンジンに切り替えることが発表された[19]。燃料消費率(JC08モード)は、従来から約10%向上した。

2016年5月9日、日本市場では初となる、クリーン・ディーゼル・モデル「118d」が追加投入された[20]NOx吸蔵還元触媒など、メンテナンス・フリーの最先端排出ガス処理技術「BMW BluePerformanceテクノロジー」を採用し、世界最高水準の排出ガス基準である、日本のポスト新長期規制に適合する。エコカー減税対象車となる。

同年9月1日、高性能モデル「M140i」を追加設定[21]。従来の「M135i」に置き換わるモデルで、最高出力を14馬力、最大トルクを50Nmアップさせながら、燃費も約10%向上させた。

2017年8月23日、2度目のマイナーチェンジが行われた。エクステリアは、そのままに、インテリアを、よりモダンで洗練されたデザインに一新した。ハイグロス・ブラックを使用した、新デザインのセンター・コンソールや、新作のインスツルメント・パネルを採用したほか、トリムに、上質なクロームメッキ加飾を追加した。新デザインのグローブ・ボックスや、センター・コンソールを採用し、周辺パネルの継ぎ目を最小限に抑えることで、室内空間をより広く、ワイドな印象にした。また、素材も高品質なものへ変更し、質感も向上させた。装備面においては、ユーザーの利便性を向上させるため、タッチ・パネルに対応した、コントロール・ディスプレイを採用した。また、HDDナビゲーション・システムのメニュー画面が、最新のものに置き換わり、より見やすく、操作しやすい表示へ改良されている[22]

併せて、特別仕様車「Edition Shadow」を、限定1,000台で発売[23]。「118i M Sport」および「118d M Sport」をベースに、ダーク・カラーLEDヘッドライト/リヤ・コンビネーション・ライト、ハイグロス・ブラック・キドニー・グリル、18インチMライト・アロイ・ホイール・ダブルスポークジェット・ブラック719M、コニャックのダコタ・レザー・シートを専用装備している。装備面では、パーキング・サポート・パッケージや、ストップ&ゴー機能付アクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)、コンフォート・パッケージ、HiFiサウンドスピーカー・システムが搭載されている。

F20(2011年 - 2015年)
グレード 型式 排気量 (cc) エンジン 最高出力 (ps/rpm) 最大トルク (kgm/rpm) 変速機 駆動方式
116i N13B16A 1,598 直列4気筒DOHCターボ 136/4,400-6,450 22.4/1,350-4,300 8速AT 後輪駆動
120i 170/4,800-6,450 25.5/1,500-4,500
M135i N55B30A 2,979 直列6気筒DOHCターボ 320/5,800 45.9/1,300-4,500
F20 LCI(2015年 - 2019年)
グレード 型式 排気量 (cc) エンジン 最高出力 (ps/rpm) 最大トルク (kgm/rpm) 変速機 駆動方式
118i( - 2015年8月) N13B16A 1,598 直列4気筒DOHCターボ 136/4,400-6,450 22.4/1,350-4,300 8速AT 後輪駆動
118i(2015年8月 - 2019年) B38B15A 1,498 直列3気筒DOHCターボ 136/4,400 22.4/1,250-4,300
118d(2016年 - 2019年) B47D20A 1,995 直列4気筒DOHCディーゼルターボ 150/4,000 32.6/1,500-3,000
120i( - 2016年) N13B16A 1,598 直列4気筒DOHCターボ 177/5,000 25.5/1,500-4,500
120i(2016年 - 2019年) B48B20A 1,998 184/5,000 27.5/1,350-4,600
M135i( - 2016年) N55B30A 2,979 直列6気筒DOHCターボ 326/5,800 45.9/1,300-4,500
M140i(2016年 - 2019年) B58B30A 2,977 340/5,500 51.0/1,520-4,500

3代目(2019年 - 2024年)F40型

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BMW・1シリーズ(3代目)
F40
F40 118i M Sport
F40 118d Play
F40 120i M Sport
概要
製造国 ドイツの旗 ドイツ
販売期間 2019年 - 2024年
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアハッチバック
駆動方式 FF/4WD
プラットフォーム FAAR
パワートレイン
エンジン 1.5L 直列3気筒
1.5L 直列3気筒ディーゼル
2.0L 直列4気筒
2.0L 直列4気筒ディーゼル
変速機 6速MT
8速AT
7速DCT
車両寸法
ホイールベース 2,670 mm
全長 4,319 mm(欧州仕様)
4,355 mm(日本仕様)
全幅 1,799 mm(欧州仕様)
1,800 mm(日本仕様)
全高 1,434 mm(欧州仕様)
1,465 mm(日本仕様)
車両重量 1,290–1,525 kg
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2019年5月27日、ミュンヘンで開催された「BMW Group #NEXTGen presentation platform」にてワールドプレミア。5ドアハッチバックのみのラインアップとなった。

「1シリーズの購入層の多くは、駆動形式に拘っていない」という顧客調査の結果[24]を元に、走りと空間効率を高次元で両立させるため、シリーズ初となるFFを採用した。同時に、プラットフォームは、MINIや、2シリーズ アクティブツアラー/グランツアラー等で採用済の「UKL」を、さらに昇華させた、新開発の「FAAR」を採用した。

FFの採用により、後部足元のスペースが、約40mm拡大され、より乗降しやすくなるなど、室内空間の機能性が、大幅に改善された。また、ラゲッジ・ルームの容量は、20Lアップの380Lとなり、後席を倒すと、最大1,200Lまで拡大できる。

エンジン・コントロール・ユニットで、直接スリップ状況を感知し、ダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)を経由することなく、以前より、約3倍の速さで、その信号を直接エンジンに伝達する、タイヤスリップ・コントロール・システム(ARB)を、日本仕様のBMWとしては、初搭載した。これにより、FF特有のアンダー・ステアを大幅に抑制し、より俊敏な走りを実現している。

パワートレインは、最新世代の1.5L 直列3気筒エンジン(ガソリン)及び、2.0L 直列4気筒エンジン(ガソリン/ディーゼル)が用意される。トランスミッションは、前者に7速DCTが、後者に8速ATが、それぞれ組み合わされる。アルミニウム製のエンジン・フードをはじめ、高張力鋼とアルミニウムを、効果的に組み合わせた骨格により、ボディ剛性を確保しながら、最大30kgの軽量化を実現している。

デザイン面では、大型化し中央部が連結した、新世代デザインのキドニー・グリルと、くっきりとしたデザインの4灯ヘキサゴナルLEDヘッドライトを採用した。リアは、低重心なシルエットに、新デザインのL字型テール・ライトが特徴的である。

5.1インチのメーター・パネル・ディスプレイ及び、8.8インチのコントロール・ディスプレイに加えて、10.25インチのディスプレイを2つ備えた、BMWライブ・コックピットや、大型化した、BMWヘッドアップ・ディスプレイが、オプションで用意される。さらに、Qi対応の機器を充電できる、ワイヤレス充電機能を標準装備としたほか、「OK, BMW」で起動する、AIを活用した、新開発の「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」も装備する。

運転支援機能として、新たにレーン・チェンジ・ウォーニング、後部衝突警告機能、クロス・トラフィック・ウォーニング(リア)、スピード・リミット情報表示機能が追加された、ドライビング・アシストを装備した。さらに、直近に前進した50mの軌跡を記憶し、その軌跡通りに後退する際に、ステアリング操作を自動で行う「リバース・アシスト」を備えた、パーキング・アシストも用意されている。

日本での販売

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2019年8月29日、発表された[25]。グレードは、1.5L 直列3気筒ガソリンエンジンを搭載する「118i」「118i Play」「118i M Sport」と、2.0L 直列4気筒ガソリンエンジンを搭載する「M135i xDrive」の、計4種類がラインアップされる。

「M135i xDrive」は、唯一の四輪駆動モデルであり、新開発の機械式トルセン・リミテッド・スリップ・ディファレンシャルを標準装備する。デザイン面でも、メッシュ・デザインのキドニー・グリルや、直径100mmのデュアル・エキゾースト・テールパイプといった専用装備に加え、キドニー・グリルや、エア・インテーク・トリム、ミラー・キャップ等は、セリウム・グレーに統一される。

同年11月1日、国民的アニメーション「天才バカボン」とコラボした、プロモーションを開始[26]。「うちのクルマは天才なのだ。」をキャッチコピーに、海外コミック風にリメイク、ハリウッド映画風に実写化した、TVCM及び、Webムービーの配信を開始した。

2020年4月2日、クリーン・ディーゼル・モデル「118d」が追加投入された[27]。ラインアップは、「118d Play」と「118d M Sport」の2種類が用意される。最新の2.0L 直列4気筒ディーゼル・エンジンを搭載し、先代比で、CO2排出量を約5%削減した。リア左右に、径90mmのエキゾースト・テールパイプを装備し、ガソリン・モデル「118i」との差別化が図られている。

2021年6月1日、仕様変更[28]。全モデルに、アクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)、オートマチック・テールゲート・オペレーション、電動フロント・シート(運転席&助手席、運転席メモリー機能付)を標準装備とした。加えて、一部のモデルには、ドライビング・アシスト、BMW Individualアルミニウム・ライン、イルミネーテッド・ベルリン・インテリア・トリムも標準装備される。

2022年9月14日、エントリー・モデルとして、新グレード「116i」を追加設定[29]。「118i」と同一のエンジンを搭載しつつも(出力は異なる)、標準装備を厳選し、価格を抑えたモデルである。しかしながら、ストップ&ゴー機能付きACC、ドライビング・アシスト、パーキング・アシストなどの運転支援機能は、据え置きとした。なお、日本仕様で唯一の「Sport Line」装着モデルとなる。BMWオンライン・ストア上のみで販売され、ディーラー(実店舗)では購入できない。

F40(2019年 - 2024年)
グレード 型式 排気量 (cc) エンジン 最高出力 (ps/rpm) 最大トルク (kgm/rpm) 変速機 駆動方式
116i(2022年9月 - 2024年2月) B38A15A 1,498 直列3気筒DOHCターボ 109/4,300-6,500 19.4/1,380-3,800 7速DCT 前輪駆動
118i(2019年11月 - 2024年10月) 140/4,600 22.4/1,480-4,200
118d(2020年4月 - 2024年10月) B47C20B 1,995 直列4気筒DOHCディーゼルターボ 150/4,000 35.7/1,750-2,500 8速AT
M135i xDrive(2019年11月 - 2024年10月) B48A20E 1,998 直列4気筒DOHCターボ 306/5,000-6,250 45.9/1,750-4,500 四輪駆動

4代目(2024年 - )F70型

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BMW・1シリーズ(4代目)
F70
F70 120d M Sport
F70 118d M Sport
F70 120 M Sport
概要
製造国 ドイツの旗 ドイツ
販売期間 2024年 -
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアハッチバック
駆動方式 FF/4WD
プラットフォーム FAAR
パワートレイン
エンジン 1.5L 直列3気筒
1.5L 直列3気筒ディーゼル
2.0L 直列4気筒
2.0L 直列4気筒ディーゼル
変速機 7速DCT
車両寸法
ホイールベース 2,670 mm
全長 4,360 mm(欧州仕様)
4,370 mm(日本仕様)
全幅 1,800 mm
全高 1,450 mm(欧州仕様)
1,465 mm(日本仕様)
車両重量 1,460–1,570 kg
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2024年6月20日、ワールドプレミア[30]。全体的なフォルムやプラットフォームは、先代となる3代目(F40)を継承しており、事実上、F40のフェイスリフト版となる。

本モデルより、従来、ガソリンモデルのグレード名末尾についていた「i」の文字が、廃止された。「i」は今後、電気自動車を意味する文字として、BEVのみに採用されることになる。

ボディサイズは、全長が42mm延長された4,360mm、全高が15mm拡大された1,450mmとなった。しかし、全幅とホイールベースは、先代と同一である(いずれも、欧州仕様の値)。

エクステリアは、斜めのデザインを取り入れたキドニー・グリル、環状のシグネチャーを2回繰り返すツイン・サーキュラーを進化させたアダプティブLEDヘッドライト、ワイドで力強さを強調する水平方向のキャラクターライン、立体的なLEDテールライトが特徴的である。さらに、リアゲートに取り付けられているモデルバッチの「1」が巨大化された。

インテリアは、メーターパネルとコントロールディスプレイを一体化させた「BMWカーブド・ディスプレイ」を運転席側に傾けて配置した。従来のシフトレバーと、iDriveコントローラーは廃止され、トグル・スイッチ式のギヤセレクターに置き換わった。また、センターコンソールには、Qi機能を備えたスペースも確保されている。

車両のキーを持たずとも、対応のスマートフォン、スマートウォッチを携行していれば、車両に近づくだけでロック解除、エンジン始動を可能にする「BMWデジタル・キー・プラス」や、AI技術を活用し、音声会話だけで車両の操作、情報へのアクセスが可能となる「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」を新たに装備している。

BMWオペレーティング・システム9が搭載され、運転席側に機能アイコンを縦に並べたホーム画面を備える。さらに、メニュー構造が大幅に改良され、サブ・メニューに切り替えることなく、機能に直接アクセスできる「QuickSelect」機能により、操作性を向上させた。

ラゲッジ容量は、大人3名乗車時には380ℓ、40:20:40の分割可倒式リアシートを、全て倒すことで、最大1,200ℓにまで拡大することが可能である。電動開閉式のリアゲートはハンズフリーでの開閉も可能である。

パワートレインは、1.5L 直列3気筒DOHCガソリンエンジンに、48Vマイルド・ハイブリッド・システムを組み合わせた「120」、2.0L 直列4気筒DOHCガソリンエンジン「M135」が用意される。欧州市場では、出力違いの「116」「123」や、ディーゼルモデルも用意される。トランスミッションは、全モデルに7速DCTが組み合わされる。

先進運転支援システム(ADAS)は、高性能カメラ&レーダーと高性能プロセッサーを駆使する、新世代の「ドライビング・アシスト」を装備する。他のBMWモデルと同様に、新たにハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能が搭載された。また、レーン・チェンジ・ウォーニング(車線変更警告システム)、衝突回避・被害軽減ブレーキ(事故回避ステアリング付)、クロス・トラフィック・ウォーニング、パーキング・アシスタント、リバース・アシスト機能なども、引き続き搭載されている。

日本での発売

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2024年10月30日、発表された[31]。グレードは、1.5L 直列3気筒ガソリンエンジンを搭載する「120」「120 M Sport」、2.0L 直列4気筒ガソリンエンジンを搭載する「M135 xDrive」がラインアップされる。ディーゼルモデルは廃止され、ガソリンモデルのみとなった。全モデル、右ハンドル・7速DCTのみの設定となる。

「M135 xDrive」は、唯一の四輪駆動モデルであり、左側のパドルシフトを1秒間引くことで、全てのパワートレインとシャシー・システムを、最もスポーティな設定に切り替えられる「Mスポーツ・ブースト機能付き7速DCT」を標準装備する。さらに、Mモデルで採用されているテクノロジーを受け継いだ「M コンパウンド・ブレーキ(グレー・ハイグロス・キャリパー)」をオプション設定する。

F70(2024年 - )
グレード 型式 排気量 (cc) エンジン 最高出力 (ps/rpm) 最大トルク (kgm/rpm) 変速機 駆動方式
120(2024年10月 - ) B38A15A 1,498 直列3気筒DOHCターボ 156/5,000 24.5/1,500-4,400 7速DCT 前輪駆動
M135 xDrive(2024年10月 - ) B48A20E 1,998 直列4気筒DOHCターボ 301/5,750 40.8/2,000-4,500 四輪駆動

脚注

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  1. ^ 前輪駆動化「新型 BMW 1シリーズ」、フランス・ミラマスでテスト続く”. GENROQ (2019年3月30日). 2019年4月8日閲覧。
  2. ^ ニュー BMW 1 シリーズ プレスキット”. BMW AG. 2024年10月18日閲覧。
  3. ^ BMW JAPAN : ニュー BMW 1シリーズ 発売開始”. 2016年3月28日閲覧。
  4. ^ BMW JAPAN : BMW 1 シリーズ全車の燃費を大幅に改善”. 2016年3月28日閲覧。
  5. ^ BMW JAPAN : ビー・エム・ダブリュー株式会社、ニューBMW 1シリーズ・クーペを新規投入”. 2016年3月28日閲覧。
  6. ^ BMW JAPAN : BMWジャパンがニューBMW 1シリーズ カブリオレを新発売”. 2016年3月28日閲覧。
  7. ^ BMW JAPAN : BMW 1 シリーズ クーペに「ニューBMW 120i クーペ」を追加”. 2016年3月28日閲覧。
  8. ^ BMW JAPAN : BMW 1 シリーズ全車の燃費を大幅に改善”. 2016年3月28日閲覧。
  9. ^ BMW JAPAN : さらに洗練されたデザインを採用したニューBMW 1 シリーズ クーペおよびカブリオレが誕生”. 2016年3月28日閲覧。
  10. ^ 独BMW、新型「1シリーズ」の概要を発表”. 2023年1月15日閲覧。
  11. ^ BMW 1シリーズ 新型、公式発表”. 2011年6月7日閲覧。[リンク切れ]
  12. ^ ニューBMW 1シリーズを発表”. BMW AG. 2024年10月18日閲覧。
  13. ^ 中国市場限定のBMW新型「1シリーズ・セダン」がデビュー”. CARSMEET WEB. 2024年10月18日閲覧。
  14. ^ BMW Japan 30周年を祝う、新型「1シリーズ」発表会”. 2011年9月22日閲覧。
  15. ^ 最もスポーティなBMW 1 シリーズ、ニュー BMW M135iを発表”. 2012年11月18日閲覧。
  16. ^ BMW 116iおよび120iに「iDriveナビゲーション・システム」を価格据え置きで標準装備”. BMW AG. 2024年10月18日閲覧。
  17. ^ BMW 1シリーズのモデル・ラインアップに、魅力的な価格を実現した「BMW 116i Young Line」を追加。”. BMW AG. 2024年10月18日閲覧。
  18. ^ BMW JAPAN : ニューBMW 1 シリーズを発表”. 2016年3月11日閲覧。
  19. ^ BMW JAPAN : 新開発の直列3気筒エンジンを搭載した「ニューBMW 118i」発表”. 2016年3月11日閲覧。
  20. ^ BMW、「1シリーズ」に直列4気筒2.0リッターターボディーゼル搭載の「118d」 - Car Watch”. 2016年5月9日閲覧。
  21. ^ BMW M140iおよびM240iクーペを発売”. BMW AG. 2024年10月18日閲覧。
  22. ^ 新型BMW 1 シリーズを発表”. www.bmw.co.jp. 2020年4月23日閲覧。
  23. ^ 新型BMW 1シリーズの限定モデル「BMW 118i M Sport Edition Shadow」および「BMW 118d M Sport Edition Shadow」を発表”. BMW AG. 2024年10月18日閲覧。
  24. ^ 試乗 新型BMW 1シリーズ(F40型)プロトタイプ FF化もハンドリング維持AUTOCAR JAPAN 2021年10月24日閲覧
  25. ^ 新型BMW 1シリーズ発表”. BMW AG. 2024年10月18日閲覧。
  26. ^ 新型BMW 1シリーズ「BMW THE 1」が国民的アニメーション「天才バカボン」とコラボレーション”. BMW AG. 2024年10月18日閲覧。
  27. ^ 最新の直列4気筒クリーン・ディーゼル・エンジンを搭載した新型BMW 118d発売”. BMW AG. 2024年10月18日閲覧。
  28. ^ BMW 1シリーズの標準装備を追加”. BMW AG. 2024年10月18日閲覧。
  29. ^ BMW 1シリーズのラインアップにエントリー・グレードとなるBMW 116iを追加”. BMW AG. 2024年10月18日閲覧。
  30. ^ 【ニューモデル情報】ミュンヘン製コンパクトモデル、新型「BMW 1」シリーズが次のラウンドへ”. webCG. 2024年10月30日閲覧。
  31. ^ 新型BMW 1シリーズ誕生”. BMW AG. 2024年10月30日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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