ベンジャミン・エルマン
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(B.A.エルマンから転送)
人物情報 | |
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生誕 | 1946年 |
国籍 | アメリカ合衆国 |
出身校 |
ハミルトン大学 (学士) アメリカン大学 (修士) ペンシルベニア大学 (Ph.D.) |
学問 | |
主な業績 | 中国学 |
ベンジャミン・A・エルマン (Benjamin A. Elman, 本杰明・艾尔曼, 1946年 -) は、アメリカ合衆国の東洋学者・中国学者。プリンストン大学名誉教授[1]。専門は近世以降の中国思想史・文化史・社会史、東アジア文化交流史[2](清朝考証学、科挙、中国知識人史、中国科学史、インテレクチュアル・ヒストリーなど)。
略歴
[編集]1968年ハミルトン大学で学士号取得。同年から1971年まで、平和部隊に参加しタイ王国で医療支援に従事。1972年ニューヨーク州保健局に勤務。1973年アメリカン大学で修士号取得。台湾と日本への留学を経て、1980年ペンシルベニア大学でネイサン・セビンとスーザン・ネイキン(Susan Naquin)のもとPh.D取得。以後、コルビー大学、ミシガン大学、ライス大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校、プリンストン高等研究所に勤め、2002年プリンストン大学教授に就任。[3]
プリンストン大学では、東アジア研究学部長[4]、58年卒ゴードン・ウー記念中国研究冠教授[5]などを歴任し、名誉教授となった[1]。
主な書籍
[編集]- Elman, Benjamin A. (2001) [1984]. From Philosophy to Philology: Intellectual and Social Aspects of Change in Late Imperial China (2 ed.). Univ of California Los Angeles. ISBN 978-0674325258
- 日本語訳: B.A.エルマン著 著、馬淵昌也・林文孝・本間次彦・吉田純 訳『哲学から文献学へ: 後期帝政中国における社会と知の変動』知泉書館、2014年。ISBN 978-4862852007。(原著第2版の訳)
- 中国語訳: 艾尔曼、赵刚訳《从理学到朴学:中华帝国晚期的思想与社会变化面面观》江苏人民出版社, 1995年。ISBN 978-7214014429。(原著初版の訳)
- 中国語訳: 艾尔曼、赵刚訳《经学、政治和宗族:中华帝国晚期常州今文学派研究》江苏人民出版社, 1998年。ISBN 978-7214019622
- with Alexander Woodside, ed.,
- 日本語一部訳: 高津孝「[翻訳]ベンジャミン・A・エルマン 「感情的苦悶、成功への夢、試験生活」(上)」『鹿児島大学法文学部紀要人文学科論集』第85巻、2018年。
- with John Duncan and Herman Ooms, ed.,
- 中国語訳: 本杰明・艾尔曼、原祖杰等訳《科学在中国 (1550-1900)》中国人民大学出版社, 2016年。ISBN 978-7300219509
- 本杰明・艾尔曼《经学・科举・文化史 艾尔曼自选集》中华书局, 2009年。ISBN 978-7101071191
- 本杰明・艾尔曼、王红霞等訳《中国近代科学的文化史》上海古籍出版社, 2019年。ISBN 9787532593811
主な論文
[編集]- ―― (1977). Yen Jo-Chü's Debt to Sung and Ming Scholarship. Ch'ing-shih wen-t'i 3 (7), 105-113.
- Benjamin A. Elman著、濱口富士雄訳「閻若璩の宋明儒学に存する依存」『斯文』82号、斯文会、1979年。NAID 40001614244
- Benjamin A. Elman, 秦玲子「再生産装置としての明清期の科挙」『思想』第810号、岩波書店、1991年12月、95-112頁、doi:10.11501/3199509、ISSN 03862755、NAID 40001546963、全国書誌番号:00010061。
- ―― (1993). “Where Is King Ch’eng?”: Civil Examinations and Confucian Ideology during the Early Ming, 1368-1415. T’oung Pao, 79(1/3), 23-68. JSTOR 4528582
- B・エルマン著、伊東貴之訳「「成王は何処に?」-明朝初期における儒学と帝政イデオロギー」『中国-社会と文化』7号、1992年。NDLJP:4424487/70
- B・エルマン著、恩田裕正訳「明代後期科挙における自然学」『中国-社会と文化』11号、1996年。NDLJP:4424491/46
- ベンジャミン・エルマン「地域史とグローバルヒストリーの一体的なアプローチによる東アジア近世史の再考」『グローバルヒストリーと東アジア史』羽田正編、東京大学出版会、2016年。ISBN 978-4130203036
- ベンジャミン・A・エルマン著、田尻健太訳「明朝初期の皇帝権力・文化政策・科挙」『東アジアの王権と秩序――思想・宗教・儀礼を中心として』伊東貴之編、汲古書院、2021年。ISBN 9784762966965
関連文献
[編集]- 平田昌司・唐澤靖彦・高嶋航「報告2:「明清科挙制度の文化史的研究」討論会開催報告」『ニューズレター 古典学の再構築』第8号、2000年11月、91-101頁。
- 平田昌司「〈批評・紹介〉Benjamin A. Elman, A Cultural History of Civil Examinations in Late Imperial China」『東洋史研究』第61巻第2号、東洋史研究會、2002年、329-337頁、doi:10.14989/155422、hdl:2433/155422、ISSN 0386-9059。
- 吉田純「書評 エルマン著『哲学から文献学へ』」『中国 : 社会と文化』第9号、中国社会文化学会、1994年6月、ISSN 0912-9308。NDLJP:4424485/165
- 大道寺慶子「(書評・紹介)Benjamin A. Elman (ed.), Antiquarianism, Language, and Medical Philology: From Early Modern to Modern Sino-Japanese Medical Discourses」『科学史研究』第280号、日本科学史学会、2017年1月、178-181頁、doi:10.34336/jhsj.55.280_354、ISSN 2435-0524。
- アンソニー・グラフトン 著、ヒロ・ヒライ 監訳・解題、福西亮輔 訳、『テクストの擁護者たち : 近代ヨーロッパにおける人文学の誕生』勁草書房〈bibliotheca hermetica叢書〉、2015年。ISBN 978-4-326-14828-8。(82-84頁でElman 1984を紹介)
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ a b 『東アジアの王権と秩序――思想・宗教・儀礼を中心として』伊東貴之編、汲古書院、2021年。ISBN 9784762966965 執筆者紹介
- ^ “学術交流コンソーシアム協定による公開講演会(ベンジャミン・エルマン教授)が開催されました”. 東京大学東洋文化研究所. 2021年4月24日閲覧。
- ^ “CURRICULUM VITAE”. プリンストン大学. 2021年4月24日閲覧。
- ^ “ELMAN Benjamin | 訪問メンバー | 新しい世界史~グローバル・ヒストリー共同研究拠点の構築”. 新しい世界史 / グローバル・ヒストリー共同研究拠点の構築. 2021年4月24日閲覧。
- ^ “Benjamin A. Elman | Department of History”. history.princeton.edu. 2021年4月24日閲覧。
- ^ 竹村英二. “KAKEN — 研究課題をさがす | 2016 年度 研究成果報告書 (KAKENHI-PROJECT-25370093)”. kaken.nii.ac.jp. 2023年6月17日閲覧。
- ^ 平田 2002, p. 159.