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B&B (カクテル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ビー・アンド・ビー( B and B、B&B )とは、カクテルの一種。カクテル名のB&Bは、このカクテルに使用されるブランデー( Brandy )とベネディクティン(ベネディクティーヌ)( Benedictine )の頭文字を取ったものである 。 なお、ブランデーにコニャック( Cognac )を選択した場合、日本ではB&Bのことを、B&Cと呼ぶ者もいる [1] [2] [3] [4] 。 しかし、この呼び方は国際的には通用しない、日本だけで使用されることもある呼称なのだ [2] 。 「使用されることもある」という言い方となっているのは、B&Cという呼称が、その日本ですら通用しない場合まである [3] からである。つまり、B&Cというのは正式名称ではないということだ [3] 。 コニャックは特定の地域で生産されるブランデーなので 、 たとえコニャックを使用した場合でも、B&Bと呼ぶのが一般的である [4]

標準的なレシピ

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  • ブランデー
  • ベネディクティン

以上を等量ずつ用いるのが標準的なレシピであるが、その分量については、使用するグラス(作り方)によって異なる。

スタイル

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プース・カフェ・スタイルの1種であるフロートで作るのが一般的であった [2] が、わざわざフロートさせずに、混合してしまう場合もある。さらに、オン・ザ・ロックにしてしまう場合もある。(それぞれの作り方については、「作り方の違い」の節を参照のこと。)

備考

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上記にある通り、ブランデーとベネディクティンの比率は、1:1が基本 [5] だが、飲む人の好みによって、その比率が変更されることもある。なお、主に糖類が含有されているのがベネディクティンであるため、ブランデーの分量を増やすと辛口となる [6]

作り方の違い

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B&Bには、大きく分けて2種類の作り方が存在する。カクテル完成時に、2層に分離しているタイプと、分離していない完全に混合されたタイプである。

フロート

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ベネディクティンに、ブランデーを浮かせて作るスタイルでの作り方である。これは、ベネディクティンの方が、ブランデーよりも比重が大きいことを利用して作る。つまり、完成時に2層に分離しているわけである。これをフロートと呼ぶ。なお、プース・カフェ・スタイルの2層だけのタイプとして、プース・カフェに分類されることもある。この作り方の場合、リキュールの上にブランデーを浮かせるので、リキュールベースのカクテルとされることもある。ちなみに、氷は使用しないため、この作り方では、ほぼ室温でカクテルが完成する。

作り方

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リキュール・グラス(容量30ml程度)にベネディクティンを注ぐ。そこにブランデーをフロートさせれば完成である。

備考

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  • グラスは、ブランデー・グラス(容量240〜300ml程度)を使用する場合もある[7][8]。この時、リキュール・グラスを使用する場合と比べて、多少、酒の分量は多くなる。具体的には、ブランデー・グラスを使用してブランデーを楽しむ時の分量と同等と考えて良い。
  • 既述の通り、この作り方をしたB&Bは、プース・カフェに分類されることもあるが、だからと言って、プース・カフェ・グラス(別名、ポニー・グラス、容量30ml程度)は使用しない[4]
  • 2つの酒の比重の関係で、ブランデーにベネディクティンを浮かすことはできないので、上下が逆のフロートはあり得ない。
  • この作り方の場合、口の中で2種類の酒が混ざるように、一気に飲む必要がある[9]

この節の主な参考文献

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  • 上田 和男 監修 『カクテル・ブック』 西東社 1988年12月30日発行 ISBN 4-7916-0926-3
  • 稲 保幸 『カクテル こだわりの178種』 新星出版 1998年7月15日発行 ISBN 4-405-09640-6
  • 稲 保幸 『スタンダードカクテル』 新星出版 1993年2月25日発行 ISBN 4-405-09577-9
  • 稲 保幸 『洋酒とカクテル入門』 日東書院 1987年2月10日発行 ISBN 4-528-00361-9
  • 稲 保幸 『カクテル・レシピ1000』 日東書院 2005年7月10日発行 ISBN 4-528-01412-2
  • 稲 保幸 『カクテルガイド』 新星出版 1997年4月15日発行 ISBN 4-405-09629-5
  • 花崎 一夫 監修 『ザ・ベスト・カクテル』 永岡書店 1990年6月5日発行 ISBN 4-522-01092-3
  • 伊東 正之 監修 『スタンダード・カクテル』 創元社 1989年12月10日発行 ISBN 4-422-74024-5
  • 山本 祥一朗 監修 『カラー図解 カクテル』 成美堂出版 1994年12月10日発行 ISBN 4-415-07873-7
  • 高井 久 監修 『絵でわかるカクテル入門』 日東書院 1989年7月20日発行 ISBN 4-528-00362-7
  • 今井 清 『たのしむカクテル』 梧桐書院 1988年1月改訂版 ISBN 4-340-01204-1
  • 成美堂出版 編集 『リキュールとカクテルの事典』 成美堂出版 2001年8月20日発行 ISBN 4-415-00835-6
  • 中村 健二 『カクテル』 主婦の友社 2005年7月20日発行 ISBN 4-07-247427-4
  • 堀井 浩一 『つくる・飲む・楽しむ カクテール』 文研出版 1986年4月5日発行 ISBN 4-580-90230-0
  • 若松 誠志 監修 『ベストカクテル』 p.208 大泉書店 1997年9月5日発行 ISBN 4-278-03727-9
  • 永田 奈奈恵 監修 『ポケットガイド カクテル』 成美堂出版 1998年1月20日 ISBN 4-415-08549-0
  • 澤井 慶明 監修 『カクテルの事典』 成美堂出版 1996年12月20日発行 ISBN 4-415-08348-X
  • 久保村 方光 監修 『イラスト版 カクテル入門』 日東書院 1997年4月1日発行 ISBN 4-528-00681-2
  • アンテナハウス 編集 『カクテル物語』 同文書院 1991年12月18日発行 ISBN 4-8103-7043-7

混合

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ブランデーとベネディクティンを、混合してしまうスタイルの作り方である。こちらの作り方は、さらに3つのタイプに細分化される。なお、いずれの場合も、ミックスタイプのB&B、ミクスドタイプのB&Bなどと呼ばれることもある。

比重差を利用

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ベネディクティンの方が、ブランデーよりも比重が大きいことを利用して作る。ちなみに、氷は使用しないため、この作り方では、ほぼ室温でカクテルが完成する。ブランデーにリキュールを注ぐので、この作り方の場合、ブランデーベースのカクテルとされることもある。

作り方
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リキュール・グラス(容量30ml程度)にブランデーを注ぐ。そこにベネディクティンを注げば、ベネディクティンの方が重いために、自然にブランデーと混ざり合って、自動的に完成する。

備考

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グラスは、ブランデー・グラス(容量240〜300ml程度)を使用する場合もある [7] [8] 。 この時、リキュール・グラスを使用する場合と比べて、多少、酒の分量は多くなる。具体的には、ブランデー・グラスを使用してブランデーを楽しむ時の分量と同等と考えて良い。

この節の主な参考文献
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  • 上田 和男 監修 『カクテル・ブック』 西東社 1988年12月30日発行 ISBN 4-7916-0926-3
  • 澤井 慶明 監修 『カクテルの事典』 成美堂出版 1996年12月20日発行 ISBN 4-415-08348-X
  • 伊東 正之 監修 『スタンダード・カクテル』 創元社 1989年12月10日発行 ISBN 4-422-74024-5
  • 永田 奈奈恵 監修 『ポケットガイド カクテル』 成美堂出版 1998年1月20日 ISBN 4-415-08549-0
  • 今井 清 『たのしむカクテル』 梧桐書院 1988年1月改訂版 ISBN 4-340-01204-1
  • 杉田 米三 『最新カクテルブック』 柴田書店 1969年12月20日発行
  • 成美堂出版 編集 『リキュールとカクテルの事典』 成美堂出版 2001年8月20日発行 ISBN 4-415-00835-6
  • 花崎 一夫 監修 『ザ・ベスト・カクテル』 永岡書店 1990年6月5日発行 ISBN 4-522-01092-3
  • 山本 祥一朗 監修 『カラー図解 カクテル』 成美堂出版 1994年12月10日発行 ISBN 4-415-07873-7
  • 吉田 芳二郎 『カラーブックス 154 洋酒入門』 保育社 1968年8月1日発行
  • 吉田 芳二郎 『カラーブックス 828 洋酒入門 (第2版)』 保育社 1992年4月30日発行 ISBN 4-586-50828-0

冷却も行う

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ブランデーとベネディクティンを、予め混合してしまう作り方である。比重の差を利用して混合する作り方(「比重差を利用」の節を参照)よりも、積極的に混合を行う作り方であり、混合と同時に冷却も行う点が、最大の違いである。なお、この場合、どちらの酒がベースであるとは言えない。

作り方
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ミキシング・グラス(当然ながら、ここに氷が入っている)に、ブランデーとベネディクティンを注ぎ、ステアして混合しながら冷却する。したがって、この作り方の場合は、ショートドリンクとなる。あとは適切なグラスに注げば完成である。参考までに、カクテル・グラス(容量75〜90ml程度)を使用する場合もある [10] [11]

備考
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この作り方の場合、ブランデー・グラスは使用されない。これは、ブランデー・グラスは飲む人の体温によって、酒の温度を上げるために用いられるグラスだからだ。(わざわざ冷却したものを温めては意味がないし、氷が溶けたことによる水っぽさが目立つだけになってしまうので、台無しとなる。)その点、カクテル・グラスならば、通常、グラスも冷やしてあるので、好都合なのである。

この節の主な参考文献
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  • 久保村 方光 監修 『イラスト版 カクテル入門』 日東書院 1997年4月1日発行 ISBN 4-528-00681-2
  • 吉田 芳二郎 『カラーブックス 154 洋酒入門』 保育社 1968年8月1日発行
  • 吉田 芳二郎 『カラーブックス 828 洋酒入門 (第2版)』 保育社 1992年4月30日発行 ISBN 4-586-50828-0

オン・ザ・ロック

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オン・ザ・ロック(氷入り)の状態で仕上げる作り方である。したがって、冷たいタイプのロングドリンクとなる。この状態の時、単にビー・アンド・ビーではなく、ビー・アンド・ビー・オン・ザ・ロックスと呼ばれることもある [9]。 なお、この場合、基本的に、どちらの酒がベースであるとは言えないが、ブランデーを先に注ぐので、ブランデーベースのカクテルだと考えることもある。

作り方
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を入れたオールド・ファッションド・グラス(容量180ml程度)に、まずブランデーを注ぎ、次いでベネディクティンを注いでから、ステアすれば完成である。

備考
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比重差を利用した場合(「比重差を利用」の節を参照)と同様に、ここでも先にブランデーをグラスに注ぐのは、ベネディクティンの方がブランデーよりも重いために、混ざりやすいから。

この節の主な参考文献
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  • 上田 和男 監修 『カクテル・ブック』 西東社 1988年12月30日発行 ISBN 4-7916-0926-3
  • 花崎 一夫 監修 『ザ・ベスト・カクテル』 永岡書店 1990年6月5日発行 ISBN 4-522-01092-3
  • 永田 奈奈恵 監修 『ポケットガイド カクテル』 成美堂出版 1998年1月20日 ISBN 4-415-08549-0
  • 山本 祥一朗 監修 『カラー図解 カクテル』 成美堂出版 1994年12月10日発行 ISBN 4-415-07873-7
  • 稲 保幸 『カクテル こだわりの178種』 新星出版 1998年7月15日発行 ISBN 4-405-09640-6

出典

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  1. ^ 中村 健二 『カクテル』 p.55 主婦の友社 2005年7月20日発行 ISBN 4-07-247427-4
  2. ^ a b c 稲 保幸 『カクテル こだわりの178種』 p.51 新星出版 1998年7月15日発行 ISBN 4-405-09640-6
  3. ^ a b c 稲 保幸 『スタンダードカクテル』 p.91 新星出版 1993年2月25日発行 ISBN 4-405-09577-9
  4. ^ a b c 稲 保幸 『カクテルガイド』 p.53 新星出版 1997年4月15日発行 ISBN 4-405-09629-5
  5. ^ 花崎 一夫 監修 『ザ・ベスト・カクテル』 p.54 永岡書店 1990年6月5日発行 ISBN 4-522-01092-3
  6. ^ 杉田 米三 『最新カクテルブック』 p.49 柴田書店 1969年12月20日発行
  7. ^ a b 永田 奈奈恵 監修 『ポケットガイド カクテル』 p.75 成美堂出版 1998年1月20日 ISBN 4-415-08549-0
  8. ^ a b 澤井 慶明 監修 『カクテルの事典』 p.117 成美堂出版 1996年12月20日発行 ISBN 4-415-08348-X
  9. ^ a b 上田 和男 監修 『カクテル・ブック』 p.65 西東社 1988年12月30日発行 ISBN 4-7916-0926-3
  10. ^ 吉田 芳二郎 『カラーブックス 154 洋酒入門』 p.56 保育社 1968年8月1日発行
  11. ^ 吉田 芳二郎 『カラーブックス 828 洋酒入門 (第2版)』 p.56 保育社 1992年4月30日発行 ISBN 4-586-50828-0

参考文献

[編集]
  • 上田 和男 監修 『カクテル・ブック』 西東社 1988年12月30日発行 ISBN 4-7916-0926-3
  • 稲 保幸 『カクテル こだわりの178種』 新星出版 1998年7月15日発行 ISBN 4-405-09640-6
  • 稲 保幸 『スタンダードカクテル』 新星出版 1993年2月25日発行 ISBN 4-405-09577-9
  • 稲 保幸 『洋酒とカクテル入門』 日東書院 1987年2月10日発行 ISBN 4-528-00361-9
  • 稲 保幸 『カクテル・レシピ1000』 日東書院 2005年7月10日発行 ISBN 4-528-01412-2
  • 稲 保幸 『カクテルガイド』 新星出版 1997年4月15日発行 ISBN 4-405-09629-5
  • 花崎 一夫 監修 『ザ・ベスト・カクテル』 永岡書店 1990年6月5日発行 ISBN 4-522-01092-3
  • 久保村 方光 監修 『イラスト版 カクテル入門』 日東書院 1997年4月1日発行 ISBN 4-528-00681-2
  • 吉田 芳二郎 『カラーブックス 154 洋酒入門』 保育社 1968年8月1日発行
  • 吉田 芳二郎 『カラーブックス 828 洋酒入門 (第2版)』 保育社 1992年4月30日発行 ISBN 4-586-50828-0
  • アンテナハウス 編集 『カクテル物語』 同文書院 1991年12月18日発行 ISBN 4-8103-7043-7
  • 今井 清 『たのしむカクテル』 梧桐書院 1988年1月改訂版 ISBN 4-340-01204-1
  • 中村 健二 『カクテル』 主婦の友社 2005年7月20日発行 ISBN 4-07-247427-4
  • 山本 祥一朗 監修 『カラー図解 カクテル』 成美堂出版 1994年12月10日発行 ISBN 4-415-07873-7
  • 澤井 慶明 監修 『カクテルの事典』 成美堂出版 1996年12月20日発行 ISBN 4-415-08348-X
  • 伊東 正之 監修 『スタンダード・カクテル』 創元社 1989年12月10日発行 ISBN 4-422-74024-5
  • 高井 久 監修 『絵でわかるカクテル入門』 日東書院 1989年7月20日発行 ISBN 4-528-00362-7
  • 堀井 浩一 『つくる・飲む・楽しむ カクテール』 文研出版 1986年4月5日発行 ISBN 4-580-90230-0
  • 永田 奈奈恵 監修 『ポケットガイド カクテル』 成美堂出版 1998年1月20日 ISBN 4-415-08549-0
  • 若松 誠志 監修 『ベストカクテル』 p.208 大泉書店 1997年9月5日発行 ISBN 4-278-03727-9
  • 成美堂出版 編集 『リキュールとカクテルの事典』 成美堂出版 2001年8月20日発行 ISBN 4-415-00835-6
  • 杉田 米三 『最新カクテルブック』 柴田書店 1969年12月20日発行