arena
arena(アリーナ)は、世界的な水着ブランド及びその商品展開を行うドイツ[1]の企業。日本のビジネスパートナーであるデサントがアジア太平洋地域での事業展開権を与えられており、国際水泳連盟における水着承認では両社は別個に扱われている。
沿革
[編集]1973年、ドイツに本拠を構えるアディダス社の創始者の息子でフランス現地法人社長(当時)ホルスト・ダスラーにより設立された。前年のミュンヘンオリンピックでマーク・スピッツが7個の金メダルを全て世界新記録で取った現場を見て衝撃を受け、レース用水着のメーカーを立ち上げようと決意したとされる[2]。会社スタート後初となるモントリオールオリンピックやその2年後のベルリン世界水泳ではそのスピッツらを擁した“チーム・アリーナ”で多くのメダルを獲得し、世界的に注目を集めることになった。
1980年代以降、「フライバック」「ストリーナ」「パワースキン」など、その時代における国際水連のルール改正に対応しながら、革新的な技術を次々と生み出していった。しかし後年になり、アディダス社自体が経営再建の過程において世界展開をより積極的に行うようになる中で水着に手を出すようになったことから、現在はアディダスグループから離れている[3]。
デサントとの関係は、当時の親会社であったアディダスの日本におけるブランド使用権を取得していたことによるものであったが、1990年代後半になり、アディダス社が前述の世界展開の一環として自社の日本法人を立ち上げたことにより、デサントがブランド使用権を失った見返りとしてアジア太平洋11か国における事業展開権を与えられ、今日に至っている。デサントが企画・製造・販売している商品についてはブランド表記が「arena BY DESCENTE」と表記されることにより区別される。
ブランドショップ
[編集]商品販売についてはスポーツ用品店やネット販売が殆どの国で基本とされるが、一部ブランドショップが展開される国もある。
日本もその一つであり、2018年の時点では東京、大阪、名古屋、福岡、札幌(デサントショップ)で展開されている[4]。形態はデサントの直営だったり、地元スポーツ用品店との協業であったりと、まちまちである[5]。
主な契約団体・選手
[編集]arena ITALIA
[編集]- ノルウェー水泳連盟
- 南アフリカ水泳連盟
- ルーマニア水泳・近代五種連盟
- ポーランド水泳連盟
- ドイツ水泳連盟
- ハンガリー水泳連盟
- 全ロシア水泳連盟
- スウェーデン水泳連盟
- オーバーン大学
- レベッカ・ソニ
- サラ・ショーストレム
- セーザル・シエロ
デサント
[編集]現行
[編集]- 日本水泳連盟(オフィシャルサプライヤーの1社)
- 日本マスターズ水泳協会
- 中国国家体育総局(現地法人が競泳部門と締結)[6]
- 入江陵介(2024年現役引退)
- 本多灯
- 難波実夢
- 今井月(アシックスの水泳分野撤退に伴い移籍)[7]
- 成田実生
- 池本凪沙
- 寺門弦輝
過去
[編集]スポンサー
[編集]補遺
[編集]デサントでは、日本向け商品の品番について長らく原則「英字3文字―算用数字4桁」という構成にしていた。
英字3文字については、商品種類・ターゲットなどに応じ「ARN」「FAR」「SAR」「FSA」を使い分け、算用数字の最初はその商品を最初に発売した西暦年の末尾を充て、残り3桁を個々の商品番号という形にしていた。
しかし、ブランド誕生から半世紀が経過したこともあり、番号が枯渇する事態になったことから、パリオリンピック・パラリンピック後に本格展開する2024年秋冬商品からこの品番規則を抜本的に改め、英字と算用数字の混合組み合わせとなった。一般的な9文字配列の場合、冒頭部の2文字は「AS」(Arena Swim)で固定、その次はその商品を最初に発売した西暦年の末尾、その次の5文字は個別品番として英字と数字の混合、末尾は英字で、「M」(Men)が男性用商品、「W」(Women)が女性用商品、「U」(Universal)が男女共通商品であることを示す。
出典:デサントジャパン「arena 2024秋冬電子カタログ」
脚注
[編集]- ^ About arena - Arena公式サイト、2019年1月14日閲覧
- ^ 公式サイトより
- ^ 一方でリーボックがアディダスグループに入った。現在はアディダス、リーボックとゴルフのテイラーメイドの3ブランド展開。
- ^ FLAGSHIP SHOPS - arena公式サイト、2018年8月8日閲覧
- ^ このうち福岡では当初新天町商店街で長く営業していた三鷹スポーツをパートナーとして天神地下街で営業していたが、2012年6月にその北先のノース天神へ移った。理由としては、三鷹スポーツが更にその2か月後に経営不振から自己破産する方針を固め、自社の全店舗での営業を終えたということがある。
出典:“ミタカ:スポーツ用品店、事業停止 破産申請準備 /福岡”. 毎日新聞 西部・福岡都市圏版. (2012年8月22日)
三鷹スポーツはアリーナショップ開店前は地下店舗「新天町FAVO」で水着を専門に扱う店舗を営んでおり、開店後はミズノなど同業他社の商品を充実させていた。なお三鷹スポーツ廃業により、天神地区でスポーツ用品を扱う大規模店舗が消えた。 - ^ 『『アリーナ』が中国競泳ナショナルチームと指定スポンサー契約を締結』(プレスリリース)デサント、2011年1月13日 。2012年7月12日閲覧。
- ^ 『『アリーナ』ブランドにおける競泳 今井 月 選手との新規アドバイザリー契約締結に関して』(プレスリリース)デサント、2023年1月4日 。2023年9月26日閲覧。