Arch Linux ARM
開発者 | Kevin Mihelich and team[1] |
---|---|
OSの系統 | Linux (Unix-like) |
最新安定版 | Rolling release |
アップデート方式 | Pacman |
パッケージ管理 | Pacman |
プラットフォーム | ARM |
ライセンス | Free software (GPLv2)[2] |
ウェブサイト |
archlinuxarm |
Arch Linux ARMは、ARM プロセッサ向けに移植された Arch Linuxである[3][4][5]。設計思想を「簡潔さとエンドユーザーによる完全な制御」[6]としており、移植元のArch Linuxと同じく、Unixライクであることに焦点をあてている[7]。一方で、ユーザーによる完全な制御および無駄のなさを追求した結果、より多くの知識と経験が要求され、Linux 初心者が扱うには難しい可能性がある[8][9]。
開発の歴史
[編集]Arch Linux ARM は、2002年3月11日に初めてリリースされた最小主義LinuxディストリビューションであるArch Linuxに基づいている[10]。ARM プロセッサ搭載デバイスのために Arch Linux の公式移植版を開発するというアイディアは、初めにArch Linux PlugApps と ArchMobile 開発チームのメンバーから生まれた。[11]特に Mike Staszel はその後 Arch Linux ARM プロジェクトを立ち上げた人物として知られている。[12]
Kevin Mihelich が現在 Arch Linux ARM の主要な開発者として務めている。[13] Arch Linux ARMの開発はコミュニティ主導であり、ソフトウェア開発とユーザーサポートは全てボランティアと寄付によって賄なわれて状態である。[14]また、Ubuntu など他のコミュニティ主導のオペレーティングシステムと比べて Arch Linux ARM はユーザーベースが比較的に小さいため、ユーザーの積極的な開発への参加が特に重要となっている。[15]
Arch Linux ARM は ローリングリリース ー新しくソフトウェアがリリースされるたびにパッケージ化を行うシステムを採用している[16] 。この小規模かつ頻繁にパッケージアップデートを行うリリースサイクルは、安定したパッケージのみを定期的に大きな規模でリリースする Debian のようなディストリビューションのそれと対照的である。[17][18]
サポートされているプロセッサー
[編集]x86-64のCPUをサポートするArch Linuxとは違い、Arch Linux ARM は ARM CPU、 およびそれを利用する Raspberry Pi のようなシングルボードコンピューターを対象としている[19][20]。
サポートされているのは以下の通り:
- ARMv7 第一世代 Cortex-A8(英語: ARM Cortex A8) プラットフォーム。BeagleBoard[21] や CubieBoard(英語: Cubieboard) など
- ARMv7 第二世代 Cortex-A9(英語: ARM Cortex-A9)および Tegra プラットフォーム。 PandaBoard や TrimSliceなど[22]
- ARMv7 第三世代 Cortex-A7(英語: ARM Cortex-A7)および Cortex-A15(英語: ARM Cortex-A15)プラットフォーム。Cubieboard2(英語: Cubieboard2)や Odroid XU、 Samsung Chromebook (series 3)、 Samsung Chromebook 2、Raspberry Pi 2など
- ARMv8 64-bit対応 Cortex-A53(英語: ARM Cortex-A53)および Cortex-A72(英語: ARM Cortex-A72)プラットフォーム。 Odroid C2 および N2, Acer Chromebook R13 や Raspberry Pi 3など。
Arch Linux ARM は Raspberry Pi 3 および 4 の 64-bit ARMv8 命令セットを含む[23]すべての ARMv7 または ARMv8 命令セットをサポートするデバイス上で動作できる。[24][出典無効]
公式にサポートされているプラットフォーム[25] と、コミュニティによってサポートされているプラットフォーム両方がある[26]。
反響
[編集]Arch Linux ARM は軽量Linuxディストリビューションとして人気を博しており、2014 年頃にはすでにシングルボードコンピュータ使用者の間で人気が高まっていた[27][28]。同時に、Arch Linux ARM はコミュニティによるサポートが充実していることでも知られている[29]。
その他
[編集]Linuxディストリビューションの一覧(英語: List of Linux distributions)
脚注
[編集]- ^ “Team”. GitHub. 2023年10月30日閲覧。
- ^ “Arch Linux ARM FAQ”. archlinuxarm.org. 2012年5月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月13日閲覧。
- ^ “Arch Linux ARM”. archlinuxarm.org. 2011年8月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月17日閲覧。
- ^ “git repository for arch linux arm”. GitHub. 2015年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月18日閲覧。
- ^ “linux-arm news”. 2012年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月18日閲覧。
- ^ “Arch Linux ARM”. 2014年12月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月13日閲覧。
- ^ “FAQ”. archlinuxarm.org. 2012年5月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月13日閲覧。
- ^ “ARCH LINUX ARM AVAILABLE FOR DOWNLOAD”. raspberrypi.org. 2015年3月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月13日閲覧。
- ^ “Arch Linux ARM”. archlinuxarm.org. 2011年8月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月14日閲覧。
- ^ “History of Arch Linux”. wiki.archlinux.org. 2014年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月13日閲覧。
- ^ “Arch Linux BBS [ARM Arch Linux ARM: A new unified effort from PlugApps & ArchMobile]”. bbs.archlinux.org. 2014年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月13日閲覧。
- ^ “Team”. archlinuxarm.org. 2014年12月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月11日閲覧。
- ^ “Donate”. archlinuxarm.org. 2014年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月11日閲覧。
- ^ “Donate”. archlinuxarm.org. 2014年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月11日閲覧。
- ^ “Arch compared to other distributions”. wiki.archlinux.org. 2013年1月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月13日閲覧。
- ^ “Arch Linux ARM”. 2014年12月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月13日閲覧。
- ^ “Arch compared to other distributions”. 2013年1月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月14日閲覧。
- ^ “A survey of ARM operating systems”. viaspringboard.com. 2014年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月14日閲覧。
- ^ “ARCH LINUX ARM AVAILABLE FOR DOWNLOAD”. raspberrypi.org. 2015年3月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月14日閲覧。
- ^ “Raspberry Pi”. archlinuxarm.org. 2014年12月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月14日閲覧。
- ^ “BeagleBoard”. archlinuxarm.org. 2014年12月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月14日閲覧。
- ^ Larabel (2012年1月13日). “Arch-ing ARM: Running Arch Linux On The NVIDIA Tegra 2”. Phoronix. 2013年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月3日閲覧。
- ^ “Arch Linux ARM Downloads”. Arch Linux ARM. 2020年2月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月15日閲覧。
- ^ Kanasoot, Michael (June 27, 2013). “Supporting the Arch Linux ARM Development Team with Komodo IDE”. ActiveState. July 2, 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。July 1, 2013閲覧。
- ^ “Platform Comparison”. Arch Linux ARM (n.d.). 2023年10月30日閲覧。
- ^ “Community-Supported Devices”. Arch Linux ARM (n.d.). 2023年10月30日閲覧。
- ^ “6 Excellent Lightweight Linux Distros for x86 and ARM”. linux.com. 2014年12月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月14日閲覧。
- ^ “A survey of ARM operating systems”. viaspringboard.com. 2014年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月14日閲覧。
- ^ “4 Fine Linux ARM Distros”. linux.com. 2014年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月14日閲覧。
外部リンク
[編集]- 公式ウェブサイト
- distrowatch.comによる ARM対応のLinuxディストリビューションのリスト