ASTROS
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ASTROS(アストロス)は、ブラジルAvibras Indústria Aeroespacial社の多連装ロケットシステム。ASTROSとは、Artillery SaTuration ROcket Systemの頭字語である[1]。
構成
[編集]1983年より配備された[1]ASTROS IIは通常、1個大隊分の構成は、指揮車両(AV-VCC)1両の指揮下に3個中隊が編成される。1個中隊は、汎用ランチャー車両(AV-LMU)、弾薬給弾車(AV-RMD)各6両、砲術指揮車(AV-PCC)、管制車(AV-UCF)、作業車(AV-OFVE)、気象観測車(AV-MET)各1両からなる[2]。弾薬は目的に応じて5種が使用可能であり、ランチャー車両の変更を伴わずに使用できる柔軟性を有している[2]。
対地上戦、沿岸防衛を目的とするシステムであり[2]、沿岸防衛時には索敵・運用を担当するAV-CBOと組み合わせることも可能である[1]。
車両
[編集]車両はテクトラン社の6x6[3]または4x4の装甲車をベースとしており[2]、KC-390やC-130輸送機による輸送に対応している[2]。
エンジンはメルセデス・ベンツの280hpのものが使用され[1]、自衛目的の火器として、機関銃を車両上面に搭載している。
弾薬
[編集]距離・目標に応じて異なる弾薬を使用する[4]。AV-RMDには2斉射分の補給能力がある[1]。
- SS-30
- 127mmロケット弾、32発を装填可能。有効射程は9kmから30km
- SS-40
- 180mmロケット弾、16発を装填可能。有効射程は15kmから45km
- SS-60
- 300mmロケット弾、4発を装填可能。有効射程は20kmから60km
- SS-80
- 300mmロケット弾、4発を装填可能。有効射程は22kmから90km
- AV/MT300
- 射程300km、弾頭重量200Kgの巡航ミサイル[5]。
運用
[編集]湾岸戦争において、サウジアラビア陸軍のASTROS IIが使用されている[1]。
運用者
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f Astros IIarmy-technology.com(2012年3月22日確認)
- ^ a b c d e “ASTROS SYSTEM”. Avibras社. 2012年3月22日閲覧。
- ^ “TECTRAN VBT-2028 (6 x 6) 10,000 kg armoured truck (Brazil), All-terrain carriers and prime movers”. Jane's. 2012年3月22日閲覧。
- ^ FAS
- ^ “Cruise missiles 'Made in Brazil'” (英語). BBC. (2001年9月4日)
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 349. ISBN 978-1-032-50895-5