5つの前奏曲 (ヴィラ=ロボス)
5つの前奏曲は、ブラジルの作曲家、エイトル・ヴィラ=ロボスが1940年に作曲したギターのための5つの作品である。
概要
[編集]作品は1940年に作曲され、出版はマックス・エシック社より1952年に出版された[1]。当初は6曲書かれていたがそのうちの1曲は紛失している[2]。また紛失した6曲目についてヴィラ=ロボスは「6つ目の前奏曲が最良の出来であった。」と述べている[1]。
作品はヴィラ=ロボスの愛人アルミンダ・ネヴェス・ダウメイダに献呈された[1]。
1942年12月11日、モンテビデオでアベル・カルレバーロによって初演された[3]。
楽曲構成
[編集]前奏曲第1番
[編集]この作品は「Melodia lírica(叙情的な旋律)」という副題がついており、調性はホ短調、テンポ指示は「Andantino espressivo」と書かれている[4]。
前奏曲第2番
[編集]この作品は「Melodia capadócia(カパドシアの旋律)」という副題がついており、調性はホ長調、テンポ指示は「Andantino」と書かれている[4]。典型的なショーロの進行で書かれている[4]。
前奏曲第3番
[編集]この作品は「Homenagem a Bach(バッハへのオマージュ)」という副題がついており、調性はイ短調、テンポ指示は「Andante」と書かれている[4]。
前奏曲第4番
[編集]この作品は「Homenagem ao índio brasileiro(ブラジルのインディアンへのオマージュ)」という副題がついており、調性はホ短調、テンポ指示は「Lento」と書かれている[1]。
前奏曲第5番
[編集]この作品は「Homenagem à vida social(社会生活へのオマージュ)」という副題がついており、調性はニ長調、テンポ指示は「Poco animato」と記されている[1]。6/4拍子で書かれたこの前奏曲は、往時のリオ・デ・ジャネイロの上流階級が踊ったワルツを思わせるものである[5]。
関連項目
[編集]- 12の練習曲 (ヴィラ=ロボス) - 5つの前奏曲とともによく演奏される機会の多いヴィラ=ロボスのギターのための楽曲。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- Béhague, Gerard. 1994. Villa-Lobos: The Search for Brazil's Musical Soul. Austin: Institute of Latin American Studies, University of Texas at Austin. ISBN 0-292-70823-8.
- 濱田滋郎 (ブックレット)『フェルナンデス・ヴィラ=ロボス・リサイタル』ポリドール株式会社、1987年。
- 木許裕介『ヴィラ=ロボス ブラジルの大地に歌わせるために』春秋社、2023年。