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4-ビニルフェノール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
4-ビニルフェノール
4-Vinylphenol
識別情報
CAS登録番号 2628-17-3 チェック
PubChem 62453
ChemSpider 56234 ×
UNII OA7V1SM8YL チェック
特性
化学式 C8H8O
モル質量 120.15 g mol−1
関連する物質
関連する、酒類の香りを構成するフェノール類[1] 4-エチルフェノール
4-ビニルグアイヤコール
4-エチルグアイヤコール
4-エチルカテコール
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

4-ビニルフェノールは、ワインビールに含まれるフェノール類の一種である。4-VPとも略記される[1]

生成

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腐敗酵母ブレタノマイセス属英語版により生成される。嗅覚閾値に達すると薬箱スパイス様と表現される香りをもたらす[1]。ワインでは、4-ビニルフェノールはアントシアニジンなどと反応して、新しい化合物を生成する[2]

白ワインではビニルフェノール系が優勢であるが(4-ビニルフェノール70–1,150 μg/l、4-ビニルグアヤコール10–490 μg/l)赤ワインではエチルフェノール系が対応する[3]

生化学

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4-エチルフェノールは、前駆体となるp-クマル酸を出発点に生成される。ブレタノマイセスは4-ヒドロキシケイ皮酸脱炭酸酵素を介しp-クマル酸を4-ビニルフェノールに変換する[4]。さらにビニルフェノールレダクターゼによって4-エチルフェノールに還元される。クマル酸は微生物培地に添加されることがあり、匂いによるブレタノマイセスの確実な同定を可能にする。

ブレタノマイセスによる、p-クマル酸から4-ビニルフェノールを経て4-エチルフェノールへの変換

脚注

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  1. ^ a b c 微生物が作る酒類の香り」(PDF)『エヌリブ』第29巻、酒類総合研究所、2016年3月31日、2020年3月3日閲覧 
  2. ^ Structure of new anthocyanin-derived wine pigments. Hélène Fulcrand, Paulo-Jorge Cameira dos Santos, Pascale Sarni-Manchado, Véronique Cheynier and Jean Favre-Bonvin, J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 1996, pages 735-739, doi:10.1039/P19960000735
  3. ^ Flüchtige phenolische Verbindungen in Wein = Volatil phenolic compounds of wine. Rapp A. and Versini G., Deutsche Lebensmittel-Rundschau, 1996, vol. 92, no2, pages 42-48, INIST:2990913 (German)
  4. ^ Brettanomyces Monitoring by Analysis of 4-ethylphenol and 4-ethylguaiacol Archived 2008-02-19 at the Wayback Machine. at etslabs.com

関連項目

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外部リンク

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