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4-ニトロフェノール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
4-ニトロフェノール
識別情報
CAS登録番号 100-02-7 チェック
PubChem 980
ChemSpider 955 チェック
UNII Y92ZL45L4R チェック
DrugBank DB04417
KEGG C00870 チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL14130 チェック
特性
化学式 C6H5NO3
モル質量 139.11 g mol−1
外観 無色または黄色の柱状晶
融点

113 - 114 °C, 272 K, -60 °F

沸点

279 °C, 552 K, 534 °F

への溶解度 10 g/L (15 °C)
11.6 g/L (20 °C)
16 g/L (25 °C)
酸解離定数 pKa 7.15 (水中)
磁化率 -69.5·10−6 cm3/mol
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

4-ニトロフェノール (4-nitrophenol) はニトロ基を有するフェノール化合物であり、別名としてp-ニトロフェノール、4-ヒドロキシニトロベンゼンとも呼ばれる。CAS登録番号 100-02-7、化審法3-777。PRTR第1種239。分子式 C6H5NO3

物性

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分子量139.11、沸点279°C融点113–114°C蒸気圧9.79 × 10−5mmHg (20°C)、分配係数 (LogPow) 1.91(測定値)、水溶性10g/L (15°C), 11.6g/L (20°C), 16g/L (25°C)。

結晶多形が見られ、通常はα形、β形の混合物である。α形は無色柱状晶、室温で不安定、光に対して安定である。β形は黄色柱状晶、室温で安定、光にあたると徐々に赤色に変じる。

解離定数 pKa は7.08 (22°C) で、遊離形はほとんど無色からわずかに黄色を示すが、フェノール塩は鮮やかな黄色を示しpH指示薬として利用される。

用途

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環境中では好気的分解性は良好ではないと考えられている。生物濃縮性は無いあるいは低いと考えられている。4-ニトロフェノールの日本国内製造量は約100トンである(平成13年推定値)。おもにフェネチジンおよびアセトフェネチジンの製造および指示薬、殺菌剤原料として利用される。[2]

ペプチド合成などではカルボン酸 4-ニトロフェノールエステルが活性エステルとして利用され、アミド体などの前駆体として利用される場合もある。

毒性

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目、皮膚、気道を刺激し、目・皮膚の赤発、痛み、咳、咽頭痛を生ずることがある。遅発的に血液に影響してメトヘモグロビンを生成し(メトヘモグロビン血症)チアノーゼ、錯乱、意識喪失が現れることがある。経口摂取により腹痛・嘔吐が見られる。長期間の接触により皮膚に対してアレルギー感作が疑われる。遺伝毒性・発がん性は知られていない。

半数致死量 LD50 はマウス p.o. 282mg/kg、ラット p.o. 202mg/kg[3]

出典

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  1. ^ This is no longer a recommended IUPAC name: Nomenclature of Organic Chemistry : IUPAC Recommendations and Preferred Names 2013 (Blue Book). Cambridge: The Royal Society of Chemistry. (2014). p. 690. doi:10.1039/9781849733069-FP001. ISBN 978-0-85404-182-4. "Only one name is retained, phenol, for C6H5-OH, both as a preferred name and for general nomenclature. The structure is substitutable at any position. Locants 2, 3, and 4 are recommended, not o, m, and p." 
  2. ^ 化学物質の環境リスク評価, 第3巻, I. (II)化学物質の環境リスク初期評価(21物質)の結果, 環境省, 日本国 (PDF)
  3. ^ 化学物質の環境リスク評価, 第4巻, I. (II)化学物質の健康影響に関する暫定的有害性評価シート, 環境省, 日本国