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4,4'-ビピリジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
4,4′-Bipyridine
4,4′-Bipyridine molecule{{{画像alt1}}}
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識別情報
CAS登録番号 553-26-4 チェック
PubChem 11107
ChemSpider 10636 チェック
UNII X4O2OD61CB
EC番号 209-036-3
ChEBI
ChEMBL CHEMBL1374568
バイルシュタイン 113176
Gmelin参照 3759
特性
化学式 C10H8N2
モル質量 156.18 g mol−1
融点

114 °C, 387 K, 237 °F

沸点

305 °C, 578 K, 581 °F

構造
双極子モーメント D
関連する物質
関連物質 2,2'-ビピリジン
ピリジン
4-ピリジルニコチンアミド
テルピリジン
ビフェニル
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

4,4'-ビピリジン(4,4′-Bipyridine)は、化学式(C5H4N)2有機化合物である。ビピリジンのいくつかの異性体の1つである。無色の固体で、有機溶媒に可溶である。パラコートとして知られる、N,N'-ジメチル-4,4'-ビピリジン([(C5H4NCH3)2]2+)の前駆体として主に用いられる。

歴史

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4,4'-ビピリジンは、スコットランド化学者トーマス・アンダーソン英語版により、ピリジンと金属ナトリウムを加熱することで、1868年に初めて得られた[1]。しかし、アンダーソンの実験式は誤っていた[2]。正しい実験式及び分子式は、1882年にオーストリアの化学者フーゴ・ヴァイデルドイツ語版とその教え子のM.ルッソが決定した[3]。ヴァイデルらはパラコートとして知られる1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウムジヨージドも合成している。

利用

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4,4'-ビピリジンは、広く用いられる除草剤であるパラコートの合成の中間体である。この過程で、ピリジンはカップリング反応により酸化され、続くジメチル化によりパラコートとなる[4]

反応

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クロロトリメチルシランの存在下で、4,4'-ビピリジンを還元すると、還元剤のN,N'-ビス(トリメチルシリル)-4,4'-ビピリジニリデンが生成する。

NC
5
H
4
C
5
H
4
N + 2 Li + 2 Me
3
SiCl → Me
3
SiNC
5
H
4
C
5
H
4
NSiMe
3
+ 2 LiCl

赤色のシリル化誘導体は、salt-free還元英語版に用いられる[5]

様々な種類の配位高分子を形成する[6]

出典

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  1. ^ See:
  2. ^ Anderson gave the empirical formula for 4,4′-bipyridine as C10H10N2. See:
    • (Anderson, 1868), p. 209.
    • (Fehling, 1890), p. 974 (γ-Dipyridyl).
  3. ^ Weidel, H.; Russo, M. (1882). “Studien über das Pyridin [Studies of pyridine]” (ドイツ語). Monatshefte für Chemie 3: 850–885. doi:10.1007/BF01516855. https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=uiug.30112025861714&view=1up&seq=866.  The empirical formula for 4,4′-bipyridine (γ-Dipyridyl) appears on p. 856 ; the molecular structure of 4,4′-bipyridine (γ-Dipyridyl) appears on p. 867.
  4. ^ Paraquat and Diquat”. IPCS INCHEM. 2024年5月25日閲覧。
  5. ^ Tsurugi, Hayato; Mashima, Kazushi (2019). “Salt-Free Reduction of Transition Metal Complexes by Bis(trimethylsilyl)cyclohexadiene, -dihydropyrazine, and -4,4′-bipyridinylidene Derivatives”. Accounts of Chemical Research 52 (3): 769–779. doi:10.1021/acs.accounts.8b00638. PMID 30794373. 
  6. ^ Biradha, K.; Sarkar, M.; Rajput, L. (2006). “Crystal engineering of coordination polymers using 4,4′-bipyridine as a bond between transition metal atoms”. Chemical Communications (40): 4169–79. doi:10.1039/B606184B. PMID 17031423.