2024年の猛暑 (日本)
2024年の猛暑(2024ねんのもうしょ)とは、2024年の夏に日本の広範囲を襲った記録的な猛暑である。15地点による夏(6 - 8月)の平均気温偏差は+1.76℃となり、1898年の統計開始以降、前年の2023年と並んで日本の観測史上最も暑い夏となった[1]。
前年の猛暑と大きく異なる点は南西諸島でも観測史上最高値を記録していることであり、平年差+0.9℃と南西諸島では近年稀に見る記録的猛暑であった[2]。北日本を除く地域で観測史上最高値を叩き出しており、全国的に見てもかなり厳しい夏であった[2]。とりわけ7月19日には那覇で最高気温36.0℃を観測しており、1890年の統計開始以降最も高い気温となった。
概況
[編集]6月
[編集]上旬までは東・西日本を中心に冷涼な高気圧に覆われることが多かったため、全国的に見ても平均気温は平年並みかそれ以下となったところが多かった。しかし中旬に入ると南西諸島を除いて暖かい空気に覆われやすく、なおかつ低気圧が中国東北区からサハリン付近を通過することが多くなり、北日本を中心に暖かい空気に覆われることが多くなったため、中旬の平均気温は北日本を中心にかなり高くなった。特に北日本の旬平均気温平年差は+3.5℃となり、統計開始以降最も高い値となった。下旬になると沖縄・奄美も太平洋高気圧に覆われることが多くなり、旬平均気温平年差が+1.3℃と統計開始以降最も高くなった[3]。なお、梅雨入りは全国的にかなり遅かった。とりわけ関東地方と東海地方の梅雨入りは6月21日となり、それぞれ平年が6月6日と6月7日のため、平年より2週間以上遅い梅雨入りとなった[4]。
7月
[編集]上旬は6月に引き続き太平洋高気圧に覆われることが多くなり、さらに梅雨前線に向かって南から暖かい空気が流れ込み、全国的に平均気温がかなり高くなった。特に7月7日には静岡県静岡市で40.0℃を観測したほか全国の244地点で猛暑日を観測するなど、極めて厳しい暑さとなった[5]。平年差が東日本で+3.3℃、西日本で+2.9℃、沖縄・奄美で+1.4℃となり、統計開始以降最も高くなった。中旬に入ると梅雨前線が東・西日本に停滞したためそれらの地域では平年並みとなったものの、北日本は移動性高気圧に、沖縄・奄美は太平洋高気圧に覆われていたため平均気温がかなり高かった。沖縄・奄美においては平年差+1.8℃となり、6月下旬から3旬連続で観測史上最も高くなった。下旬になると東日本太平洋側と西日本は太平洋高気圧に覆われて日射が強くなったため、全国的に気温がかなり高くなった。また、7月29日には栃木県佐野市で歴代3位タイとなる最高気温41.0℃を観測した[6]。
8月
[編集]北日本では低気圧や前線に向かって暖かい空気に覆われやすく、東・西日本と沖縄・奄美では西日本を中心に太平洋高気圧の影響で暖かい空気に覆われるとともに晴れて日差しの強い日があった。そのため、各地で記録的猛暑となり、月平均気温は1ヶ月を通して高い状態が続いた。特に40℃を超える日もいくつかあり、8月9日に三重県桑名市で40.4℃、8月16日には岐阜県美濃市で40.0℃を観測するなど、極めて厳しい暑い日も多かった[7]。
脚注
[編集]- ^ “【速報】2024年は過去最も暑い夏 背の高い高気圧や高い海面水温が影響”. ウェザーニュース. 2024年9月10日閲覧。
- ^ a b “気象庁 | 2024年夏(6月〜8月)の天候”. www.data.jma.go.jp. 2024年9月10日閲覧。
- ^ “気象庁 | 2024年6月の天候”. www.data.jma.go.jp. 2024年9月26日閲覧。
- ^ 2024年(令和6年)の梅雨入り・明け(確定値). https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/seasonal/202408/tsuyu2024.pdf. 2024年9月26日閲覧。
- ^ “静岡で今年全国最高の40℃ 全国の猛暑日地点数も今年最多を更新”. ウェザーニュース. 2024年9月27日閲覧。
- ^ “気象庁 | 2024年7月の天候”. www.data.jma.go.jp. 2024年9月26日閲覧。
- ^ “気象庁 | 2024年8月の天候”. www.data.jma.go.jp. 2024年9月26日閲覧。