2023年ヨハネスブルグビル火災
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2023年ヨハネスブルグビル火災 | |
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火災の現場となったビル | |
場所 | 南アフリカ共和国ヨハネスブルグマーシャルタウン地区アルバート通り80番地 |
座標 | 南緯26度12分30秒 東経28度02分57秒 / 南緯26.2083度 東経28.0491度座標: 南緯26度12分30秒 東経28度02分57秒 / 南緯26.2083度 東経28.0491度 |
日付 |
2023年8月31日 1時30分(SAST) |
死亡者 | 76 |
負傷者 | 88 |
2023年ヨハネスブルグビル火災は、2023年8月31日1時30分(南アフリカ標準時)に南アフリカ共和国ヨハネスブルグのビルで発生した、76人が死亡、88人が負傷した火災[1][2][3][4]。この火災は南アフリカ史上最悪の火災の一つとなった[5]。
概要
[編集]2023年8月31日1時30分(南アフリカ標準時)、セントラル・ビジネス・ディストリクトのデルヴァースとアルバート通りの角にあった5階建ての空きビルで火災が発生した。原因は特定されていない。このビルには、400人ほどのスコッターが住み着いていたとされ、そのほとんどが外国籍の人や移民、亡命者であるとされた[6][7]。火の手はビル中を廻り、住人によって作られた壁やパーティションが住人の避難を阻んだ[8][9][10]。
負傷者の多くは背中にけがを負っており、窓から飛び降りたことで負傷した可能性があるという[7]。また、窓から飛び降りたことで死亡した人もいた[11]。消防士は、1階の鍵が掛かったドアに殺到したまま死亡し山積みの状態になった複数の遺体を発見している[12]。
火災現場
[編集]現場となった80 Albert Streetは、アパルトヘイト下の1954年に黒人の移動を制限するパス法の執行機関であった非白人局のヨハネスブルグ本部として建設された[13]。1994年以降は同ビルはUsindiso Women's Shelterという女性シェルターが入居した[14]。2019年にはビルがスコッターに占拠され、危険であると判断されたため、ビル内に入居していたクリニックがヨハネスブルグ市保健社会開発市長委員会のMpho Phalatseの命令で移転させられ、空きビルとなっていた[15][16]。
反応
[編集]この火災により、ヨハネスブルグにある何百もの不法占拠されたビルに注目が集まった。その多くは規制もされず、職を求めて南アフリカの経済の中心地であるヨハネスブルグに集まった不法移民や貧困層の人々で溢れていた[18]。
火災発生後、多くの南アフリカ人がソーシャルメディアで、犠牲者や生存者に対する排外主義的な攻撃を非難している[7]。
シリル・ラマポーザ大統領は8月31日に現場を訪れ、この出来事の事を「警鐘だ」とした[18]。 ハウテン州知事のパニャザ・レスフィは、この火災の調査を発表した[19]。NGOや周辺地域の地主はヨハネスブルグ市が安全基準遵守やビルの保守を怠ったことを批判した一方[20]、政府関係者はNGOが市がスコッター排除を裁判などで妨害したことを非難した[21][22][23]。今回の火災で特に事を難しくしているのは、代替の住宅の提供がない限り、不法占拠者であっても退去を行うことが出来ないとする判決が複数回出ていることである[24]。
火災の生存者の中には、強制送還の口実を与えるのではないかという不安から避難所へ向かうバスに乗ることを拒否し、火災現場に留まっている者もいる[11]。
関連項目
[編集]- 2023年ハノイアパート火災 - この火災の2週間後に発生した火災
出典
[編集]- ^ Plessis, Carien du; Acharya, Bhargav; Acharya, Bhargav (31 August 2023). “Johannesburg fire: Scores killed as fire guts rundown apartment block” (英語). Reuters (Reuters). オリジナルの31 August 2023時点におけるアーカイブ。 31 August 2023閲覧。
- ^ Hart, Robert (2023年8月31日). “At Least 73 Killed In Johannesburg Fire, South African Officials Say” (英語). Forbes. オリジナルの31 August 2023時点におけるアーカイブ。 31 August 2023閲覧。
- ^ Imray, Gerald; Magome, Mogomotsi (1 September 2023). “Death toll from Johannesburg fire rises to 76 as city turns to tough job of identifying victims” (英語). Associated Press. オリジナルの1 September 2023時点におけるアーカイブ。 1 September 2023閲覧。
- ^ Seeletsa, Molefe (2023年9月1日). “'Most survivors broke their limbs,' says Phaahla as death toll increases in Joburg fire” (英語). The Citizen. 2023年9月2日閲覧。
- ^ Imray, Gerald; Magome, Mogomotsi (31 August 2023). “At least 74 are dead, many of them homeless, as fire rips through a rundown building in South Africa” (英語). Associated Press. オリジナルの1 September 2023時点におけるアーカイブ。 31 August 2023閲覧。
- ^ Bartlett, Kate (1 September 2023). “With Johannesburg's building fire, the misery of gang-hijacked towers comes into focus” (英語). NPR. オリジナルの1 September 2023時点におけるアーカイブ。 1 September 2023閲覧。
- ^ a b c 「南ア・ヨハネスブルクでビル火災 74人死亡」『BBCニュース』。2023年9月2日閲覧。
- ^ Allison, Simon (31 August 2023). “Johannesburg fire: survivors describe jumping from windows, as death toll rises to 74”. The Guardian. オリジナルの31 August 2023時点におけるアーカイブ。 31 August 2023閲覧。
- ^ Imray, Gerald; Magome, Mogomotsi (31 August 2023). “A building fire in Johannesburg kills at least 73 people, many of them homeless, authorities say” (英語). AP News (Associated Press). オリジナルの31 August 2023時点におけるアーカイブ。 31 August 2023閲覧。
- ^ “Joburg inner city building fire claims at least 73 lives” (英語). Central News South Africa. (31 August 2023). オリジナルの31 August 2023時点におけるアーカイブ。 31 August 2023閲覧。
- ^ a b Bhengu, Cebelihle; Pheto, Belinda; Nqunjana, Alfonso (1 September 2023). “'We don't know how to help them': Residents of burnt building refuse help for fear of deportation”. News24 (News24). オリジナルの1 September 2023時点におけるアーカイブ。 1 September 2023閲覧。
- ^ Patrick, Alex; Karrim, Azarrah; Cowan, Kyle (1 September 2023). “Deathtrap: Albert Street residents died trying to escape a building City officials 'condemned'”. News24 (News24). オリジナルの1 September 2023時点におけるアーカイブ。 1 September 2023閲覧。
- ^ Ball, James (11 November 2016). “80 Albert Street – The nerve centre for controlling black people's lives during the early stages of apartheid”. The Heritage Portal. 31 August 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。31 August 2023閲覧。
- ^ “Pass Office now place of shelter”. Brand South Africa (2 August 2007). 31 August 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。31 August 2023閲覧。
- ^ “City of Joburg shuts down a clinic due to a compromised building infrastructure”. City of Johannesburg (2019年). 31 August 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。31 August 2023閲覧。
- ^ Dube, Lungile (29 January 2019). “MMC temporarily shuts down Albert Street Clinic”. Alex News. 31 August 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。31 August 2023閲覧。
- ^ “Pass Office 80 Albert Street”. The Heritage Portal. 2 September 2023閲覧。
- ^ a b Granville, Samantha (31 August 2023). “Johannesburg fire 'wake-up call', President Ramaphosa says”. BBC News. オリジナルの31 August 2023時点におけるアーカイブ。 1 September 2023閲覧。
- ^ “Joburg Fire: Committee of Inquiry to be set up”. eNCA. (1 September 2023). オリジナルの1 September 2023時点におけるアーカイブ。 1 September 2023閲覧。
- ^ Haffajee, Ferial (31 August 2023). “City of Joburg shuttered task team that should have cleaned up building in which 73 died”. Daily Maverick. オリジナルの1 September 2023時点におけるアーカイブ。 1 September 2023閲覧。
- ^ Mafata, Masego (31 August 2023). “NGOs respond to being blamed for Johannesburg fire”. GroundUp. 1 September 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。1 September 2023閲覧。
- ^ “City of Johannesburg's wake up call: fire at Usindiso Shelter for Women and Children”. SERI (31 August 2023). 1 September 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。1 September 2023閲覧。
- ^ Njilo, Nonkululeko (31 August 2023). “City of Johannesburg points finger at NGOs and foreign nationals after deadly fire”. Daily Maverick. オリジナルの1 September 2023時点におけるアーカイブ。 1 September 2023閲覧。
- ^ Allison, Simon (1 September 2023). “Grief and anger after Johannesburg blaze that killed at least 74”. The Guardian 2 September 2023閲覧。
外部リンク
[編集]- ウィキメディア・コモンズには、2023年ヨハネスブルグビル火災に関するカテゴリがあります。
- South Africa fire: What are Johannesburg's hijacked buildings? (BBC News, 31 August 2023)