2019年8月7日カーブル爆弾テロ事件
2019年8月7日カーブル爆弾テロ事件 | |
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アフガニスタン紛争 (2001年-)中 | |
場所 | アフガニスタン・カーブル |
座標 | 北緯34度29分50秒 東経69度06分51秒 / 北緯34.49722度 東経69.11417度座標: 北緯34度29分50秒 東経69度06分51秒 / 北緯34.49722度 東経69.11417度 |
日付 |
2019年8月7日 09:00 (AFT; UTC+04:30) |
標的 | カーブル西部の警察署と軍事訓練学校 |
攻撃手段 | 自動車爆弾による自爆テロ |
死亡者 | 14人 |
負傷者 | 145人 |
犯人 | ターリバーン |
2019年8月7日カーブル爆弾テロ事件(2019ねん8がつ7にちカーブルばくだんテロじけん)とは、2019年8月7日にアフガニスタンの首都カーブルの警察署の外にある保安検査場で発生した自動車爆弾による自爆テロ事件である[1]。爆発は早朝、カブール西部のシーア派が多い地域で発生した[2]。爆発により、民間人を中心に少なくとも14人が死亡、145人が負傷した[3]。ターリバーンは、この事件の犯行声明を出し、彼らの自爆テロリストの1人が「募集センター」を攻撃したことに言及した[1]。この攻撃はターリバーンと米国との間で交渉が進められている時期に発生した[2]。
背景
[編集]9月11日同時多発テロ後、米国はターリバーンにテロリスト集団アルカーイダの指導者ウサーマ・ビン・ラーディンの引き渡しを要求したが[4]、ターリバーンが拒否し、米国と他の国々はアフガニスタンに侵攻した[5][6]。2019年時点でターリバーンは59の地区を支配していた[7]。
米国は戦争を終わらせるために長年にわたりタリバンと交渉しており、2020年の米国大統領選挙前の米軍撤退を含む解決策が2019年7月と8月に提案されたとみられる[8]。このように和平交渉が継続しているにもかかわらず、ターリバーンは、2019年前半に行われたさまざまな攻撃で2019年アフガニスタン大統領選挙[9]の参加者を攻撃した。このグループは、8月6日に行われる選挙は正当性がないため「価値がない」とし、選挙を妨害すると脅していた[10]。
警察署が標的にされたのはこれが初めてではなく、2019年4月にアフガニスタン西部でタリバンによる大規模な攻撃が行われ、兵士や警察官30人が死亡した[11]。同様の事件が2019年7月27日にも発生し、ガズニー州の警察本部近くで自爆テロが起き、3人の警官が死亡、12人が負傷した[12]。国連アフガニスタン支援ミッションは、2019年7月は、民間人の犠牲者の増加により、2017年5月以来アフガニスタンで最も死者が多い月となったと表明した[13]。
標的となった軍事訓練学校は治安部隊の採用センターとしても機能していた[3]。
攻撃
[編集]2019年8月7日午前9時0分(AFT)頃、第6地区警察本部のゲートを狙った車両が爆発した[14]、車両は建物の外にある保安検査場に停められていた。警察本部はシーア派地域であるGolaee Dawa Khanaに位置していた[15]。警察本部と軍事訓練学校が主な標的となり、爆発により空に濃い煙が立ち込め、大きなクレーターが形成された。警察署と近くの軍事訓練学校、そして半径1マイル以内のすべての窓が破壊された[16]。
爆発により、警察官4人を含む14人が死亡、女性や子供を中心に145人が負傷し、負傷者のうち92人は民間人だった[17]。犯人のうち2人が死亡し、1人は逮捕された。使用された爆弾は自動車爆弾とされているが、ターリバーンは大型のトラック爆弾が使用されたと主張している[18]。攻撃はイスラム教の休日イード・アル=アドハーの数日前に発生した[19]。
脚注
[編集]- ^ a b Reuters (2019年8月7日). “Kabul attack: nearly 100 injured in Taliban bombing, say officials” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077 2019年8月7日閲覧。
- ^ a b “Kabul” (英語). The Independent. 2019年8月7日閲覧。
- ^ a b “Taliban suicide blast in Kabul kills 14 people, injures 145” (英語). Los Angeles Times (2019年8月7日). 2019年8月7日閲覧。
- ^ “The history of the Afghanistan war”. Newsround (7 March 2012). August 9, 2019閲覧。
- ^ “A Timeline of the U.S. War in Afghanistan” (英語). Council on Foreign Relations. 2019年8月10日閲覧。
- ^ “Civilians Killed & Wounded | Costs of War”. watson.brown.edu. 2019年8月10日閲覧。
- ^ “Afghanistan: Who controls what”. www.aljazeera.com. 2019年8月10日閲覧。
- ^ “The U.S. is Close to a Peace Deal With the Taliban, Officials Say” (英語). Time. 2019年8月10日閲覧。
- ^ “UN Afghan Mission 'outraged' by deadly Taliban attack in Kabul, as hardline group threatens election violence” (英語). UN News (2019年8月7日). 2019年8月10日閲覧。
- ^ “Taliban Attack In Kabul Kills At Least 14” (英語). NPR.org. 2019年8月10日閲覧。
- ^ Abed, Fahim (2019年4月4日). “Taliban Attack Kills Dozens in Afghanistan Despite U.S. Efforts in Peace Talks” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331 2019年8月10日閲覧。
- ^ “Three Police Killed In Taliban Suicide Attack In Southeast Afghanistan” (英語). RadioFreeEurope/RadioLiberty. 2019年8月10日閲覧。
- ^ “UN reminds parties of their responsibility to protect civilians - Civilian casualty rates spike in July” (英語). UNAMA (2019年8月3日). 2019年8月10日閲覧。
- ^ Ehsan Popalzai. “14 dead and 145 people injured in Taliban bomb attack in Afghanistan”. CNN. 2019年8月8日閲覧。
- ^ “At Least 14 Killed, 145 Wounded In Taliban Car Bombing In Kabul” (英語). RadioFreeEurope/RadioLiberty. 2019年8月8日閲覧。
- ^ Abed, Fahim; Faizi, Fatima; Mashal, Mujib (2019年8月7日). “Violence in Afghanistan Worsens as U.S.-Taliban Peace Talks Plod On” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331 2019年8月8日閲覧。
- ^ Faiez (August 7, 2019). “Taliban suicide blast in Kabul kills 14 people, 145 wounded”. The Washington Post. August 7, 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。August 8, 2019閲覧。
- ^ “Taliban bomb Kabul amid peace talk 'progress'” (英語). (2019年8月7日) 2019年8月10日閲覧。
- ^ “Taliban claims it's behind one of year's worst attacks in Kabul, with scores dead and wounded”. www.cbsnews.com. CBS/AP. (7 August 2019) 11 August 2019閲覧。