2011年スペイン総選挙
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2011年スペイン総選挙(2011ねんスペインそうせんきょ、スペイン語: Elecciones generales de España de 2011)は、スペインの立法府である国会を構成する議員を選出するための選挙で、2011年11月20日に投票が行われた。スペイン上院とスペイン下院の両方で選挙が行われた。
概要
[編集]ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテーロ首相(以下、サパテーロ首相)が7月29日に議会解散と11月20日総選挙実施を表明[1]。9月26日に任期を4ヶ月前倒しする形で国会を解散したことで行われる選挙である[2]。
サパテーロ首相は、総選挙への不出馬を表明(首相候補者は前の政権ナンバー2の前第一副首相兼内務相のアルフレード・ペレス・ルバルカバ[3][4])。直近の世論調査では、与党であるスペイン社会労働党(以下、社会労働党)にたいし、マリアーノ・ラホイ・ブレイ党首が率いる最大野党である国民党が支持率で圧倒的優位に立っていた[5]。選挙の結果、社会労働党が大敗し、国民党が圧勝する結果となった[6]。
基礎データ
[編集]- 告示日:11月4日
- 投票日:11月20日
- 首相:ロドリゲス・サパテーロ(スペイン社会労働党)
- 選挙人数:
- 下院定数:350議席
- 選挙制度
- 選挙区:県単位
- 投票:政党あるいは政党連合のリストに投票。個人への投票は認められない。
- 比例代表の議席配分:県単位のドント式で配分
- 阻止条項:有効得票の3%以上
投票結果
[編集]- 総人口:47,021,031
- 有権者数:35,779,491
- 投票数:24,666,441
- 有効投票数:24,348,886
- 白票:333,461
- 無効票:317,555
世論調査
[編集]選挙結果
[編集]下院
[編集]投票日:2011年11月20日
- 投票率:68.94%(投票者数24,666,441名)
- 有効投票数:24,348,886票
党派 | 得票数 | 得票率 | 議席 | 増減 |
---|---|---|---|---|
国民党(PP)[7] | 10,866,566 | 44.63% | 186 | 32 |
社会労働党(PSOE)[8] | 7,003,511 | 28.76% | 110 | 59 |
集中と統一 (CiU) | 1,015,691 | 4.17% | 16 | 6 |
統一左翼(IU)[9] | 1,686,040 | 6.92% | 11 | 9 |
アマユール (Amaiur)[10] | 334,498 | 1.37% | 7 | |
連合・進歩・民主主義 (UPyD) | 1,143,225 | 4.70% | 5 | 4 |
バスク民族主義党 (EAJ-PNV) | 324,317 | 1.33% | 5 | 1 |
カタルーニャ共和主義左翼=カタルーニャ・シ (ERC-CatSí)[11] | 256,985 | 1.06% | 3 | = |
ガリシア民族主義ブロック (BNG) | 184,037 | 0.76% | 2 | = |
カナリア諸島連合 (CC)[12] | 143,881 | 0.59% | 2 | = |
COMPROMÍS-Q (Compromís-Equo)[13] | 125,306 | 0.51% | 1 | |
アストゥリアス市民フォーラム (FAC) | 99,473 | 0.41% | 1 | 1 |
ゲロア・バイ(GBAI)[14] | 42,415 | 0.17% | 1 | |
350 |
国民党は代議院350議席中186議席を獲得し、絶対過半数の議席を確保した。一方、社会労働党は議席数を169議席から110議席に減らし、県別ではセビリア県とバルセロナ県の2県でのみ最大得票であるという過去最悪の結果となった。選挙の結果を受けて、サパテーロ首相は退陣し、国民党党首のマリアーノ・ラホイが新首相に就任することが確実となった[6]。社会労働党と国民党の2大政党の議席合計は前回より27議席減、得票も約10%減となり、スペイン共産党を中核とする政党連合である統一左翼やカタルーニャの地域政党「集中と統一」など中小政党は前回選挙の議席をのきなみ上回った。
上院
[編集]上院議席266のうち208が選挙によって選ばれ、残りの58議席が各自治州割り当て議席で、自治州議会によって指名される。まず、各自治州に1議席ずつ、そしてその後は自治州の人口100万人ごとに割り振られる。
党派 | 議席 | 増減 | 内訳・備考 |
---|---|---|---|
国民党(PP-PAR-UPN-CCN) | 136 | 35 | 国民党(PP):130、アラゴン党 (PAR):3、ナバーラ 住民連合(UPN):2、カナリア中道民族主義党(CCN):1 |
スペイン社会労働党(PSOE) | 48 | 40 | |
集中と統一(CiU) | 9 | 5 | カタルーニャ民主集中(CDC):7、 カタルーニャ民主連合(UDC):2 |
カタルーニャのための進歩協定 (PSC-ICV-EUiA) |
7 | 5 | カタルーニャ社会主義者党(PSC):6、 カタルーニャ緑のイニシアティブ:1 [18] |
バスク民族主義党(EAJ-PNV) | 4 | 2 | |
アマユール (Amaiur) | 3 | 3 | イスキエルダ・アベルツァーレ:2、 エウスコ・アルカルタスナ(EA):1 |
カナリア諸島連合 (CC-NC-PNC) | 1 | = | 議席はイエーロ島独立者グループ(Agrupación Herreña Inde pendiente、AHI)に割り当て |
首相指名投票
[編集]2011年12月20日、国民党が選挙で過半数を得たことによって、第一回の投票で同党の党首のマリアーノ・ラホイ候補が首相に指名された。また、アストゥリアス市民フォーラムとナバーラ住民連合も同候補に賛成票を投じた。
首相指名投票[19][20]:マリアーノ・ラホイ (PP) 過半数:176/350 | ||||
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投票 | 党派 | 票数 | ||
可 | PP (185)、UPN (1)、FAC (1) | 187 | ||
不可 | PSOE (110)、CiU (16) Izquierda Plural (11)、UPyD (5)、 ERC (3)、BNG (2)、GBai (1)、Compromís-Q (1) |
149 | ||
棄権 | PNV (5)、Amaiur (7)、CC-NC (2) | 14 |
脚注
[編集]- ^ “スペイン首相が11月総選挙実施を発表、4ヶ月前倒し”. ロイター通信. (2011年7月30日) 2011年11月19日閲覧。
- ^ “スペイン首相が議会解散を表明、必要なら総選挙前に追加危機対策打ち出すと表明”. ロイター通信. (2011年9月27日)
- ^ “Apoyo unánime de los barones a que Rubalcaba sea candidato a las generales” (スペイン語). El Mundo、2011年5月28日. 2011年11月19日閲覧。
- ^ “Rubalcaba comunica a Zapatero su decisión de abandonar el Gobierno” (スペイン語). Público、2011年7月8日. 2011年11月19日閲覧。
- ^ “20日のスペイン総選挙、国民党が勝利の見通し”. ロイター通信. (2011年11月7日) 2011年11月19日閲覧。
- ^ a b “スペインで政権交代へ、経済悪化に不満高まり与党が歴史的大敗”. ロイター通信. (2011年11月21日) 2011年11月21日閲覧。
- ^ 国民党はナバーラ州においてはナバーラ住民連合(Unión del Pueblo Navarro、UPN)と選挙協力を行いUPN-PPで選挙戦を戦った。またアラゴン州ではアラゴン党(Partido Aragonés、PAR)とPP-PARとして、エストレマドゥーラ州ではエストレマドゥーラ統一党(Extremadura Unida、EU)とPP-EUとして、カナリア諸島州ではカナリア中道民族主義党(Centro Canario Nacionalista、CCN)とPP-CCNとして、それぞれ選挙戦を行った。
- ^ 社会労働党はエストレマドゥーラ州でエストレマドゥーラ連合(Coalición Extremeña PREx-CREx)と協力関係を結び同党の支援を受けた。
- ^ 統一左翼は、バレンシア州ではバレンシア緑の党(Els Verds del País Valencià、EUPVと選挙協力を行い、EUPV-EVとして、アラゴン州ではアラゴン主義連合(Chunta Aragonesista、CHA)と選挙協力、CHA-IU: La Izquierda de Aragón-La Izquierda Pluralとして、カタルーニャ州では、支部政党連合のカタルーニャ統一左翼(Esquerra Unida i Alternativa、EUiAとカタルーニャ緑のイニシアティブ(Iniciativa per Catalunya Verds、ICV)の連合体ICV-EUiAとして、それぞれ選挙を戦った。
- ^ Amaiurは2011年5月23日に実施された、地方選挙(自治体選挙、バスク州での県議会選挙、ナバーラ州の州選挙)でアララール(Aralar)とバスク連帯(Eusko Alkartasuna、EA)を中心に結集した連合体であるビルドゥ(Bildu、バスク語で再結集の意)にアルテルナティーバ(Alternatiba)を加えた3党を中心とした連合体である。ナバーラ州では2004年、2008年の総選挙でAralar、EA、バスク民族主義者党の3党を中心とした連合体ナフォロア・バイ(Nafarroa Bai、NaBai)のうちの前者2党によって形成され選挙を戦った
- ^ カタルーニャ共和主義左翼(Esquerra Republicana de Catalunya)は独立主義者再結集連盟(Associació Reagrupament Independentista、RI)などが中心となる連合体Esquerra Republicana de Catalunya-Reagrupament-Catalunya Sí (ERC-RI)で選挙を行った。
- ^ カナリア諸島連合(Coalición Canaria、CC)は新カナリア党(Nueva Canarias、NC)、カナリア民族主義党(Partido Nacionalista Canario、PNC)との連合体CC-NC-PNCで選挙を行った。
- ^ Compromís-Q(Coalició Compromís)はバレンシア州の民族主義政党バレンシア民族ブロック(Bloc Nacionalista Valencià、BLOC)とエコロジー政党のバレンシア住民イニシアティブ(Iniciativa del Poble Valencià、IdPV)、左翼エコロジー緑の党(Els Verds Esquerra Ecologista、LV-IECV)、エクオ(Equo)による連合体Bloc-Iniciativa-Verds-Equo-Coalició Compromís
- ^ ゲロア・バイはバスク民族主義党がナバーラ州において、ナバーラ・バスク主義と進歩的社会民主主義を掲げる政党Atarrabia Taldeaと左翼進歩主義とバスク主義を掲げる政党Zabaltzen(2004年、2008年の政党連合ナファロア・バイの参加者のうち、Amaiurや今回の選挙で統一左翼と共闘したBatzarreに加わらなかったものによる政党)とで結成した連合体。
- ^ “El PP se lleva por delante al PSOE” (スペイン語). El Mundo. 2011年11月21日閲覧。
- ^ “Rotunda mayoría absoluta para Rajoy y debacle histórica del PSOE de Rubalcaba” (スペイン語). TVE. 2011年11月21日閲覧。
- ^ “Elecciones Generales 2011(開票率100%)” (スペイン語). Gobierno de España, Ministerio del Interior, Subsecretaría Dirección general de política interior. 2014年4月24日閲覧。
- ^ 増減については改選前の、カタルーニャ共和主義左翼も加わっていたカタルーニャ進歩協定(Entesa Catalana de Progrés)との比較
- ^ “Rajoy es investido presidente del Gobierno” (スペイン語). RTVE(スペイン国営放送) (2011年12月20日). 2012年6月5日閲覧。
- ^ “Rajoy, presidente con 187 'síes', el 'no' de CiU y la abstención de Amaiur” (スペイン語). El País (2011年12月20日). 2012年6月5日閲覧。