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オルトフェニルフェノール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2-フェニルフェノール
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識別情報
CAS登録番号 90-43-7 チェック
PubChem 7017
ChemSpider 13839012 チェック
UNII D343Z75HT8 チェック
EC番号 201-993-5
E番号 E231 (防腐剤)
国連/北米番号 3077
KEGG D08367 チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL108829 チェック
RTECS番号 DV5775000
特性
化学式 C12H10O
モル質量 170.21 g mol−1
密度 1.293 g/cm3
融点

55.5 ~ 57.5℃

沸点

280 ~ 284℃

危険性
GHSピクトグラム 急性毒性(低毒性)水生環境への有害性
GHSシグナルワード 警告(WARNING)
Hフレーズ H315, H319, H335, H400
Pフレーズ P261, P264, P264+265, P271, P273, P280, P302+352, P304+340, P305+351+338, P319, P321, P332+317, P337+317, P362+364
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

オルトフェニルフェノール(Orthophenyl phenol、OPPとも。英称2-Phenylphenol)は殺菌剤防カビ剤の一種。主に柑橘類ポストハーベスト農薬としてビフェニルチアベンダゾール(TBZ)と共に用いられる。

用途

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日本において、農薬としては1955年1月20日に登録を受け1969年2月22日に失効した。食品添加物としては、1977年にオルトフェニルフェノール及びそのナトリウム塩が柑橘類の防カビ用食品添加物として認可を受けた。木・竹製割り箸巻き簀などにも、防カビ剤として使用されているケースがある。

認可の経緯

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1974年、厚生省(当時。現厚生労働省)は、当時認可を受けていなかったOPP及びTBZ使用と表示されている柑橘類を輸入しないよう警告を出した。1975年4月、農林水産省の技官が保税倉庫中のアメリカグレープフルーツに16.9ppmのOPPを検出、厚生省はその一部を廃棄処分にした。アメリカのマスコミが「日本が太平洋をトム・コリンズにした」と大々的に報じたこともあり、輸入業者及びアメリカ合衆国政府は日本政府に対し、OPPの使用を認めるよう強く要求。日本国内の消費者の強い反対があったが、1977年4月30日に厚生労働省はOPPを食品添加物として認可した。当時のこの経緯は、「日米レモン戦争」と呼ばれた。

毒性

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  • 一日摂取許容量は体重1kgあたり1mg。食品添加物として、柑橘類に10ppmが許可されている

参考文献

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外部リンク

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