1987年オーストリアグランプリ
レース詳細 | |||
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日程 | 1987年シーズン第10戦 | ||
決勝開催日 | 8月16日 | ||
開催地 |
エステルライヒリンク オーストリア シュタイアーマルク州 シュピールベルク | ||
コース長 | 5.941km | ||
レース距離 | 52周(308.984km) | ||
決勝日天候 | 晴れ(ドライ) | ||
ポールポジション | |||
ドライバー | |||
タイム | 1'23.357 | ||
ファステストラップ | |||
ドライバー | ナイジェル・マンセル | ||
タイム | 1'28.318(Lap 31) | ||
決勝順位 | |||
優勝 |
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2位 | |||
3位 |
1987年オーストリアグランプリは、1987年F1世界選手権の第10戦として、1987年8月16日にエステルライヒリンクで開催された。
概要
[編集]予選
[編集]初日午前中に行われたフリー走行セッション中、リントカーブに向かう上り坂で鹿がコース上に侵入した。マクラーレンのステファン・ヨハンソンはコースを横断する鹿を避けようとしたが間に合わず、時速約240km/hで走行するマクラーレンの左前輪に鹿が衝突した[1]。マクラーレンはカーボンモノコックが割れるほど大破し、ヨハンソンは肋骨2本に亀裂骨折を負った。
決勝
[編集]決勝ではスタート時の事故により2度の再スタートが行われた。
最初のスタートではマーティン・ブランドルがホームストレート上でドライブシャフトのトラブルから突然コースを左に変えてコース脇のバリアに接触した。ブランドルの後方で、ピエルカルロ・ギンザーニ、ルネ・アルヌー、エイドリアン・カンポス、ジョナサン・パーマー、フィリップ・ストレイフが衝突し、3台の車両がストレート上に停止しコースを塞いだ事でレースは中断した。
2度目のスタートは2番手スタートのナイジェル・マンセルと3番手スタートのゲルハルト・ベルガーがスタートに失敗すると、マンセルのイン側を横切ろうとしたリカルド・パトレーゼがエディ・チーバーの走行ラインを塞いで乗り上げた。さらにヨハンソン、クリスチャン・ダナー、フィリップ・アリオー、イヴァン・カペリ、パスカル・ファブル、アレックス・カフィ、ギンザーニ、ストレイフが行き場を失いピット前付近で玉突き衝突し、計10台の車両がコースを完全に塞ぎ再度レースは中断した。
3度目のスタートはストレイフが搭乗できる車両を失い棄権し、チーバー、ダナー、ファブルに加えてアラン・プロストとミケーレ・アルボレートの5台がピットからのスタートとなった。アイルトン・セナがスタートに失敗したが、クラッシュもなく順調に進んだ。中嶋悟はスタートで順位を上げるも、タイヤバーストでほぼ1周を失い順位が最下位までに落ちてしまう。
マンセルはスタートにまたも失敗し、4番手に順位を落としたが、中盤までに順位を2位に戻すと、21周目にネルソン・ピケを交わして首位に立った。ピケはその周の最後にタイヤ交換を行った。マンセルはピケ以下の後続を突き放し、自身のF1決勝出走100戦目を勝利で飾った。
1度目のクラッシュによりスペアカーで出走したブランドルは、14位で完走したがレース後にリアウィング高の違反により失格とされた[2]。
このレースを最後にオーストリアGPは休止され、再開されたのは1997年だった。1997年に再開された際にはレイアウトが低速化され、コース名もA1リンクへと改名された。
結果
[編集]予選結果
[編集]順位 | No | ドライバー | コンストラクタ | 1回目 | 2回目 |
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1 | 6 | ネルソン・ピケ | ウィリアムズ・ホンダ | 1'23.357 | 1'49.991 |
2 | 5 | ナイジェル・マンセル | ウィリアムズ・ホンダ | 1'23.459 | 1'33.779 |
3 | 28 | ゲルハルト・ベルガー | フェラーリ | 1'24.213 | 1'38.388 |
4 | 20 | ティエリー・ブーツェン | ベネトン・フォード | 1'24.348 | 1'48.124 |
5 | 19 | テオ・ファビ | ベネトン・フォード | 1'25.054 | - |
6 | 27 | ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1'25.077 | 1'45.518 |
7 | 12 | アイルトン・セナ | ロータス・ホンダ | 1'25.492 | 1'39.647 |
8 | 7 | リカルド・パトレーゼ | ブラバム・BMW | 1'25.766 | 1'53.119 |
9 | 1 | アラン・プロスト | マクラーレン・TAG | 1'26.170 | 1'43.132 |
10 | 8 | アンドレア・デ・チェザリス | ブラバム・BMW | 1'27.672 | - |
11 | 17 | デレック・ワーウィック | アロウズ・メガトロン | 1'27.762 | - |
12 | 18 | エディ・チーバー | アロウズ・メガトロン | 1'28.370 | 1'37.908 |
13 | 11 | 中嶋悟 | ロータス・ホンダ | 1'28.786 | 1'43.002 |
14 | 2 | ステファン・ヨハンソン | マクラーレン・TAG | 1'29.003 | 1'41.711 |
15 | 24 | アレッサンドロ・ナニーニ | ミナルディ・モトーリ・モデルニ | 1'29.435 | 1'49.566 |
16 | 25 | ルネ・アルヌー | リジェ・メガトロン | 1'29.773 | - |
17 | 9 | マーティン・ブランドル | ザクスピード | 1'29.893 | 1'42.383 |
18 | 26 | ピエルカルロ・ギンザーニ | リジェ・メガトロン | 1'30.682 | - |
19 | 23 | エイドリアン・カンポス | ミナルディ・モトーリ・モデルニ | 1'30.797 | 1'47.128 |
20 | 10 | クリスチャン・ダナー | ザクスピード | 1'31.015 | 1'48.880 |
21 | 21 | アレックス・カフィ | オゼッラ・アルファロメオ | 1'32.313 | 1'50.273 |
22 | 30 | フィリップ・アリオー | ローラ・フォード | 1'33.741 | 1'48.595 |
23 | 16 | イヴァン・カペリ | マーチ・フォード | 1'34.199 | 1'54.807 |
24 | 3 | ジョナサン・パーマー | ティレル・フォード | 1'34.619 | 1'49.308 |
25 | 4 | フィリップ・ストレイフ | ティレル・フォード | 1'35.338 | 1'51.624 |
26 | 14 | パスカル・ファブル | AGS・フォード | 1'40.633 | 1'57.236 |
決勝結果
[編集]順位 | No | ドライバー | コンストラクタ | 周回 | タイム/リタイヤ | グリッド | ポイント |
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1 | 5 | ナイジェル・マンセル | ウィリアムズ・ホンダ | 52 | 1:18'44.898 | 2 | 9 |
2 | 6 | ネルソン・ピケ | ウィリアムズ・ホンダ | 52 | + 55.704 | 1 | 6 |
3 | 19 | テオ・ファビ | ベネトン・フォード | 51 | +1 Lap | 5 | 4 |
4 | 20 | ティエリー・ブーツェン | ベネトン・フォード | 51 | +1 Lap | 4 | 3 |
5 | 12 | アイルトン・セナ | ロータス・ホンダ | 50 | +2 Laps | 7 | 2 |
6 | 1 | アラン・プロスト | マクラーレン・TAG | 50 | +2 Laps | 9 | 1 |
7 | 2 | ステファン・ヨハンソン | マクラーレン・TAG | 50 | +2 Laps | 14 | |
8 | 26 | ピエルカルロ・ギンザーニ | リジェ・メガトロン | 50 | +2 Laps | 18 | |
9 | 10 | クリスチャン・ダナー | ザクスピード | 49 | +3 Laps | 20 | |
10 | 25 | ルネ・アルヌー | リジェ・メガトロン | 49 | +3 Laps | 16 | |
11 | 16 | イヴァン・カペリ | マーチ・フォード | 49 | +3 Laps | 23 | |
12 | 30 | フィリップ・アリオー | ローラ・フォード | 49 | +3 Laps | 22 | |
13 | 11 | 中嶋悟 | ロータス・ホンダ | 49 | +3 Laps | 13 | |
14 | 3 | ジョナサン・パーマー | ティレル・フォード | 47 | +5 Laps | 24 | |
DSQ | 9 | マーティン・ブランドル | ザクスピード | 48 | 失格 | 17 | |
DNF | 14 | パスカル・ファブル | AGS・フォード | 45 | 規定周回数不足 | 26 | |
Ret | 7 | リカルド・パトレーゼ | ブラバム・BMW | 43 | エンジン | 8 | |
Ret | 27 | ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 42 | ターボ | 6 | |
Ret | 8 | アンドレア・デ・チェザリス | ブラバム・BMW | 35 | エンジン | 10 | |
Ret | 17 | デレック・ワーウィック | アロウズ・メガトロン | 35 | エンジン | 11 | |
Ret | 18 | エディ・チーバー | アロウズ・メガトロン | 31 | タイヤ | 12 | |
Ret | 28 | ゲルハルト・ベルガー | フェラーリ | 5 | ターボ | 3 | |
Ret | 23 | エイドリアン・カンポス | ミナルディ・モトーリ・モデルニ | 3 | 電気系 | 19 | |
Ret | 24 | アレッサンドロ・ナニーニ | ミナルディ・モトーリ・モデルニ | 1 | エンジン | 15 | |
Ret | 21 | アレックス・カフィ | オゼッラ・アルファロメオ | 0 | 電気系 | 21 | |
Ret | 4 | フィリップ・ストレイフ | ティレル・フォード | 0 | アクシデント | 25 |
脚注
[編集]- ^ Hamilton, Maurice (1987). AUTOCOURSE 1987-88. Hazleton Publishing. pp. p.168. ISBN 0-905138-47-3
- ^ AUTOCOURSE 1987-88. pp. p.173
- ^ “The Official Formula 1 Website”. 2010年2月24日閲覧。
- ^ Hamilton, Maurice (ed.) (1987). AUTOCOURSE 1987-88. Hazleton Publishing. pp. pp.174-175. ISBN 0-905138-47-3
関連項目
[編集]前戦 1987年ハンガリーグランプリ |
FIA F1世界選手権 1987年シーズン |
次戦 1987年イタリアグランプリ |
前回開催 1986年オーストリアグランプリ |
オーストリアグランプリ | 次回開催 1997年オーストリアグランプリ |