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100ミリちょっとの

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「100ミリちょっとの」
フィッシュマンズシングル
初出アルバム『KING MASTER GEORGE
B面 あの娘が眠ってる (P.W.M.Version)
リリース
規格 CDシングル
録音 日本
ジャンル ロック
時間
レーベル ヴァージン・ジャパン
作詞・作曲 佐藤伸治
プロデュース 中原信雄、フィッシュマンズ
フィッシュマンズ シングル 年表
いなごが飛んでる
(1991年)
100ミリちょっとの
(1992年)
Walkin'
(1993年)
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100ミリちょっとの」は、日本のバンド・フィッシュマンズの楽曲であり、3枚目のシングルである。1992年2月5日発売。発売元はヴァージン・ジャパン。

概要

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「100ミリちょっとの」はフジTV系ドラマ『90日間トテナム・パブ』のテーマ曲として書き下ろされた楽曲であり、 フィッシュマンズにとって初めてのタイアップ曲である。のちに2ndアルバム『KING MASTER GEORGE』に収録された(ヴァージョンの差異については後述)。

「あの娘が眠ってる (P.W.M.Version)」は前年(1991年)にリリースされたミニ・アルバム『Corduroy's Mood』に収録の楽曲に打ち込みアレンジを加えた別ヴァージョンとなっている。

収録曲

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  1. 100ミリちょっとの(4分3秒)
    作詞・作曲:佐藤伸治/編曲:中原信雄、フィッシュマンズ
    初演は1991年12月13日のインクスティック鈴江ファクトリーでの『コーデュロイズ・ムード』発売記念ライヴ[1]
    本曲の音源には複数のヴァージョン違いがあり、そのうちリリースされたものとしては、以下の4種類がある。
    1. 本シングル・『THE ORIGINAL SOUNDTRACK THE 90 DAYS(90日間・トテナム・パブ・オリジナル・サウンドトラック)』・ベスト盤『1991-1994 singles & more』に収録のもの(ここでは便宜的に「シングル・ヴァージョン」とする。以下同様)
    2. 『KING MASTER GEORGE』に収録のもの(「アルバム・ヴァージョン」)
    3. ベスト盤『宇宙 ベスト・オブ・フィッシュマンズ』Disc-1に収録のもの(「宇宙ヴァージョン」)
    4. ベスト盤『空中 ベスト・オブ・フィッシュマンズ』Disc-2に収録のもの(「Rehearsal 1991」)
    これらのヴァージョンについて、主な差異は以下の通り。
    • シングル・ヴァージョンとその他では一部の歌詞が異なる。具体的には、シングル・ヴァージョン以外のヴァージョンでは「笑いを忘れた恋人たちには 新しい明日が見えてくる」という歌詞が3回登場するのに対し、シングル・ヴァージョンでは2回目のみ「消えてく笑顔をぶらさげてさ 遠くの場所まで行くのだろう」となっている。
    • シングル・ヴァージョンとアルバム・ヴァージョンでは佐藤のヴォーカルの節回しなどに若干の差異が認められる。
    • アルバム・ヴァージョン以外はフェード・アウトで曲が終了するが、アルバム・ヴァージョンのみフェード・アウトされず、演奏の最後まで収録されている。そのため、アルバム・ヴァージョンは曲の長さがこれらのヴァージョンの中で最も長い(4分46秒)。
    • 宇宙ヴァージョンは、ヴォーカルの大部分はシングル・ヴァージョンと同じだが、歌詞がアルバム・ヴァージョンと同じになっている。
    • 「Rehearsal 1991」はリハーサル音源であり、演奏テイクそのものがその他のヴァージョンと異なる。
    『90日間トテナム・パブ』の番組中で用いられたヴァージョンでは、歌い出しの歌詞が(後のシングル・ヴァージョンで見られる)「消えてく笑顔をぶらさげてさ(後略)」となっており、2回目もこれが繰り返されている[2]。また、アコースティック・ギターとキーボードのみでのイントロが追加された放送回もあった[3]。これらのヴァージョンはリリースされていない(同番組のサウンドトラックには先述のとおりシングル・ヴァージョンが収録されている)。
    これらのほか、代理店からの要望で作られたという英語詞ヴァージョンがあるが、これは公開されていない[4]
  2. あの娘が眠ってる (P.W.M.Version)(4分1秒)
    作詞・作曲:小嶋謙介/編曲:中原伸雄、フィッシュマンズ

エピソード

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100ミリちょっとの

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タイアップは番組プロデューサーがフィッシュマンズのミニアルバム(『Corduroys Mood』)を気に入ってのオファーだったという[5]

  • 「番組のプロデューサーが、秋に出したミニ・アルバム『コーデュロイズ・ムード』を気に入ってくれて、その中に入ってる<あの娘が眠ってる>のような曲をちょいちょいと書いてくれって言ってきたんですよ。それから曲を作り始めたんだけど」(小嶋)[6][7]

タイアップ曲であるため、代理店・スポンサーの依頼に応じ作詞・作曲するという、フィッシュマンズとして初めての経験となった。

  • 「その依頼というのが、クールな感じの曲とか、詞はロンドンの雨が降ってるような感じで書いてくれとか、最初のイントロの4小節はスパッとくるようにとか、もういろいろと難題を持ってくるんですよ。しかもそれが3日おきにコロッコロと変わるし…(中略)しまいにはTV用のサイズで指定されたおかげで、時間を計りながらレコーディングしてました」(佐藤)[6][5][7]
  • 「最初、TV側からロンドンぼくとか、能天気な明るさじゃなくどこか皮肉めいたとか、いろいろ注文があったんですよ。詞もずいぶんモメた。でも曲をつくる段階にきたら、ロンドンぽいとか考えるのがバカらしくなってきたんで、開き直ってつくりました。でも初めてちゃんとシングルを出したような気がする。これまではアルバムからのカットだったから」(佐藤)[8][9]
  • 「ポイントは、まずきれいなコーラスワークに、ドアーズを彷彿させるハカセのキーボード。そして60年代の伝統を引き継いだサウンド。そこに加えた90年代のエッセンス。まさにこれは売りですね」(佐藤)[6][9]
  • 「TVバージョンとCDバージョンと、没になった英語バージョンの3パターンあるんです。しかもTVとCDでは曲のイントロや歌詞の一部が違ってるんですよ。ちなみに個人的には CDバージョンのほうが気に入ってますね」(佐藤)[6][10]
  • 「1分30秒でサビまで聴かせるという"インパクトのあるシングル"を目指して作られた曲」(茂木)[11]

あの娘が眠ってる (P.W.M.Version)

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  • 「初めはこの曲も主題歌候補だったけど、結局B面に決まって、じゃあアルバムとは変えてムチャしようってハウスにした。どっちも両極端で気に入ってるよ」(小嶋)[8][7]
  • 「これからは、歌と演奏の流れを違えて、スキを広げていきたいです」(佐藤)[8]
  • 「下手するとただのフォークソングになりそうなあの曲を、歌メロはそのまんまに、バックのサウンドを最新テクノロジーを駆使してサンプリングビシバシのハウスに昇華させた、偉大なるフィッシュマンズの第一歩のような曲ですね」(小嶋)[6][9][10]
  • 「やはり時代の波には逆らえませんから・・・なぁんて、誰もハウスとか聴いたことないけど」(佐藤)[9][10]
  • 「打ち込みをやってみたかった。打ち込みの成り立ちを知りたかった俺たち。…ハウス?」(茂木)[11]

収録アルバム

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100ミリちょっとの

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あの娘が眠ってる (P.W.M.Version)

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映像作品

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  • フィッシュマンズ in SPACE SHOWER TV(episode.1)』 - 1992年2月24日の渋谷CLUB QUATROでのワンマン・ライブにて演奏された「あの娘が眠ってる」(ただしP.W.M. Versionではない)と「100ミリちょっとの」が収録されている(同年4月18日にSPACE SHOWERでオンエアされたもの)。

タイアップ

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100ミリちょっとの

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  • 1992年1月9日から3月まで毎週木曜24:40〜25:10にオンエアされたフジ系TVドラマ『90日間トテナム・パブ』のテーマ曲として使用された。

参加ミュージシャン

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脚注

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  1. ^ 『宇宙語 日本語 世田谷語辞典』、113頁より。
  2. ^ 第3話オープニングなど
  3. ^ 第1話
  4. ^ 『宇宙語 日本語 世田谷語辞典』、59頁より。
  5. ^ a b 『宇宙語 日本語 世田谷語辞典』、114頁より。
  6. ^ a b c d e 『GB』1992年3月号より。
  7. ^ a b c 小学館『フィッシュマンズ全書』、49頁より。
  8. ^ a b c 『CDでーた』1992年2月20日号より。
  9. ^ a b c d 『宇宙語 日本語 世田谷語辞典』、130〜131頁より。
  10. ^ a b c 小学館『フィッシュマンズ全書』、50頁より
  11. ^ a b c 『空中 ベスト・オブ・フィッシュマンズ』ブックレット内「Disc-2 ひとこと解説 by 茂木欣一」より。
  12. ^ 『THE ORIGINAL SOUNDTRACK THE 90 DAYS(90日間・トテナム・パブ・オリジナル・サウンドトラック)』ブックレットより。