鼻から牛乳
「鼻から牛乳」 | ||||||||
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嘉門達夫の楽曲 | ||||||||
収録アルバム | 『天賦の才能』 | |||||||
リリース | 1992年4月21日(両A面シングル「鼻から牛乳/帰って来た替え唄メドレー4」として) ※「2」以降は割愛 | |||||||
規格 | 8cmシングルCD | |||||||
ジャンル | コミックソング | |||||||
レーベル | ビクター音楽産業 | |||||||
作詞者 | 嘉門達夫 | |||||||
作曲者 | 嘉門達夫 | |||||||
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「鼻から牛乳」(はなからぎゅうにゅう)は、嘉門タツオ(旧名・嘉門達夫)の楽曲である。男女交際の修羅場や日常生活の恥ずかしい失態などを、ギターの弾き語りで歌ったコミックソングであり、場面ごとにJ・S・バッハ作曲「トッカータとフーガ ニ短調」冒頭部のメロディーに乗せた「チャラリー 鼻から牛乳[1][2]」のフレーズで小落ちをつける曲構成となっている。1992年の発表以来数多くのシリーズが作られており、嘉門の代表曲のひとつに数えられる[3][4][5]。
製作のきっかけ
[編集]2020年5月6日に嘉門が自身のYouTubeチャンネル[6]で明かしたところによれば、
- 当該動画から30年ほど前のラジオ番組にゲスト出演した西村知美が「チャラリー 鼻から牛乳」と口にしたのが気に入り、それを曲に出来ないかと考えていたこと。
- その後嘉門が調査したところでは、このフレーズは元々、西村の出身地である山口県宇部市から広島県の一部地域で子供たちが昔から用いてきたフレーズである。
- 桂雀々の家に遊びに行った際に、雀々の浮気とそれが発覚したあとの修羅場の様子を妻から聞かされた。
ことがヒントとなり本曲の製作に至っている。
また別の出典では、嘉門自身の小学生時代、好きな女の子が給食で牛乳を飲んでいる時に「プー」などと声をかけて笑わせ、牛乳を噴き出させていた思い出に本曲の原点があると語っている[7]。
「鼻から牛乳」(1992年)とシリーズ化
[編集]ディスコグラフィ上の初出は、1992年1月1日にビクター音楽産業から発売されたアルバム『天賦の才能』に収録された「鼻から牛乳」である[8]。同年4月21日には、18枚目のシングル「鼻から牛乳/帰って来た替え唄メドレー4」(両A面)としてシングルカットされた[9]。この初代「鼻から牛乳」は、男女関係における、多重交際(二股および浮気)を原因とした修羅場を歌った内容である。
歌詞の1番では、多重交際をしている男性の視点で、交際女性の1人を自宅に招き入れた場面が語られる。ところが男性はうかつに留守録の再生ボタンを押す、女性がシャワーを浴びている間に別の交際女性に電話をかけるなど、不用意な行動を繰り返しては墓穴を掘り、女性に問い詰められていく。そして、気まずい局面が訪れるごとに、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲「トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565」[10]のよく知られた冒頭部のメロディーに乗せて「チャラリー 鼻から牛乳」のフレーズが歌われ、男性の追い詰められた気持ちが表現される。2番の歌詞では別のカップルが登場し、今度は二股交際をしている女性の視点から、片方の交際相手の男性に苦しい弁明を繰り返す様子が歌われる。
本来の曲は若者から大人向けのアダルトな内容ながら、この小学校の給食の1コマを連想させるフレーズと後の小学生向けのリバイバルヒットから「鼻から牛乳」は子どもにも人気となり[1]、嘉門は「給食の時間に嘉門さんのCDをかけて鼻から牛乳を噴き出し先生に怒られました」という声をよく受けるという[7]。
この曲から、恋愛がらみの嘘が露呈することを「鼻から牛乳」と呼ぶ流行語が生まれた[11]。
同年7月22日には19枚目のシングルとして「鼻から牛乳 -第2章-」をリリース。その後も、2000年の「鼻から牛乳~世紀末バージョン~」、2006年の「新・鼻から牛乳」など、数多くのシリーズ曲が作られた[9]。
リバイバルヒット
[編集]キッズバージョン
[編集]「鼻から牛乳」は、2011年からテレビ東京系列の子ども向けバラエティ番組『ピラメキーノ』の挿入歌として採用され、小学生の間で再ブレークした[12]。この時放送された「キッズバージョン」は、小学校生活におけるありがちな失敗や恥ずかしい経験などを列挙する内容となっている[13]。同番組では、1986年発表の「アホが見るブタのケツ・2」も放送されて同じく好評を博し[12]、2011年12月14日にはこの2曲を収録した両A面シングル「アホが見るブタのケツ~ベスト~/鼻から牛乳~キッズバージョン~」がリリースされた。
2017年には、新たなキッズバージョン「小さな鼻から牛乳」が制作され、アルバム『天才おばかクラシック その1』に収録された[14][15]。編曲は塩川満己、歌はももなお姉さん。
パズル&ドラゴンズ
[編集]2019年には、ガンホー・オンライン・エンターテイメント配信のモバイル用ゲームアプリ『パズル&ドラゴンズ』のコマーシャルで「鼻から牛乳」がオマージュされた。このCMは、アニメ版『パズドラ』のキャラクターであるトラゴン(声:柿原徹也)が、「チャラリー 鼻からパズドラ[1]」と歌いながら、鼻からドロップ(同ゲームにおけるパズルブロックの名称)を噴き出すという内容だった[16]。放送時の小学生世代には、このCMで「鼻から…」の替え唄を覚えたものの、元となった嘉門の曲は知らないという児童もいた[17]。
シリーズ一覧
[編集]ライブ・TV・イベント出演時の即興作品や、『ピラメキーノ』等における投稿作品は際限がないため、以下では嘉門本人によるCD化作品のみを挙げる[9]。収録アルバムはベスト盤を除く。
- 鼻から牛乳
- 鼻から牛乳 -第2章-
- 1992年7月22日発売、19thシングル。アルバム『怒濤の達人』(1992年9月9日発売)収録。
- 鼻から牛乳~世紀末バージョン~
- 2000年11月1日発売、49thシングル。アルバム『図星でしょ☆』(2000年11月1日発売)収録。
- 鼻からいろんなモノ
- 2003年4月23日発売のアルバム『達人伝説』収録。
- 新・鼻から牛乳
- 2006年10月25日発売、65thシングル。アルバム『アホダラ王国物語』(2006年10月25日発売)収録。
2010年1月20日発売の68thシングル「さくら咲く」のカップリング曲としてライブバージョンを収録。
- 鼻から牛乳~冥土編~
- 2018年7月21日発売のアルバム『HEY!浄土〜生きてるうちが花なんだぜ〜』収録。
脚注
[編集]- ^ a b c “嘉門タツオが世代越えて支持される理由 普遍性と時代性を備えたシンガーソングライターの魅力”. Real Sound (2019年8月1日). 2020年3月7日閲覧。
- ^ “嘉門タツオ「チャラリーハルカス5周年」1000万人の来場を迎えた『ハルカス300』スペシャルセレモニー”. ウォーカープラス(KADOKAWA) (2019年10月3日). 2020年3月7日閲覧。
- ^ “♪見えないことも1つの個性 全盲高3が自作曲 嘉門タツオさんも協力”. 毎日新聞 (2019年5月16日). 2020年3月7日閲覧。
- ^ “崎陽軒社長のお墨付き「シウマイ弁当の歌」が誕生するまで”. 日刊ゲンダイ (2020年1月25日). 2020年3月7日閲覧。
- ^ “嘉門タツオに仏教界から熱視線 「墓参るDAY♪」など終活3部作で爆笑お彼岸ライブ”. デイリースポーツ (2018年7月9日). 2020年3月7日閲覧。
- ^ 【嘉門タツオ】鼻から牛乳はこうして出来た! - 2020年5月6日 嘉門タツオ 公式チャンネル 2021年9月4日閲覧
- ^ a b c “コメント”. 映画『劇場版 おいしい給食 Final Battle』公式サイト. 2020年3月7日閲覧。
- ^ “天賦の才能”. 嘉門タツオofficial web site. 2020年3月7日閲覧。
- ^ a b c “ディスコグラフィー”. 嘉門タツオofficial web site. 2020年3月7日閲覧。
- ^ “はじめてのクラシック~バッハの名曲5選”. HMV (2017年12月8日). 2020年3月7日閲覧。
- ^ 「あなたは共感? これが'92流行語」『日経流通新聞』1992年12月24日付、20頁。
- ^ a b “小学生に再ブレーク中の嘉門達夫、イベントで子供たちと「合唱したい」”. oricon news (2012年6月15日). 2020年3月7日閲覧。
- ^ “嘉門達夫の「鼻から牛乳~キッズバージョン~」”. ピラメキーノ 番組公式サイト(テレビ東京). 2020年3月7日閲覧。
- ^ あの「鼻から牛乳」もクラシック音楽でリアレンジカバー「天才おばかクラシック」、東京ウォーカー(全国版)、2017年4月28日。
- ^ 小さな鼻から牛乳/ももなお姉さん~天才おばかクラシック~ ♪こどものうた♪ - YouTube
- ^ “上位は携帯会社ばかり... CM好感度ランキング、4年連続で「トップ3」独占の現状”. J-CASTニュース (2019年12月20日). 2020年3月7日閲覧。
- ^ “ショックなとき「ガーン」 使うのは中年の証拠?”. 神戸新聞NEXT (2020年1月29日). 2020年3月7日閲覧。
外部リンク
[編集]- トイレだって遊び場だ! トイレッツ - かつてセガが販売していた、小便器に設置するアーケードゲーム。遊べるゲームの1つに「鼻から牛乳」があった。
- 2021年10月7日の記録 - YouTube(嘉門達夫公式チャンネル)- 第1次岸田内閣の内閣閣僚について歌った嘉門自身による替え歌「鼻から牛乳〜岸田内閣篇〜」。