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鼠色

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
鼠色 (ねずみいろ)
 
16進表記 #949495
チャコールグレイ (charcoal gray)
 
16進表記 #4e454a
丼鼠 (どぶねず)
 
16進表記 #595455
濃鼠 (こいねず)
 
16進表記 #4f455c
源氏鼠 (げんじねず)
 
16進表記 #888084
素鼠 (すねず)
 
16進表記 #9fa0a0
銀鼠 (ぎんねず)
 
16進表記 #afafb0
絹鼠 (きぬねず)
 
16進表記 #dddcd6
白鼠 (しろねず)
 
16進表記 #dcdddd
白梅鼠 (しらうめねず)
 
16進表記 #e5e4e6
梅鼠 (うめねず)
 
16進表記 #c099a0
薄梅鼠 (うすうめねず)
 
16進表記 #dcd6d9
牡丹鼠 (ぼたんねず)
 
16進表記 #d3ccd6
葡萄鼠 (ぶどうねず)
 
16進表記 #705b67
紅消鼠 (べにけしねず)
 
16進表記 #524748
暁鼠 (あかつきねず)
 
16進表記 #d3cfd9
鴇鼠 (ときねず)
 
16進表記 #e4d2d8
桜鼠 (さくらねず)
 
16進表記 #e9dfe5
利休鼠 (りきゅうねず)
 
16進表記 #888e7e
柳鼠 (やなぎねず)
 
16進表記 #c8d5bb
青磁鼠 (せいじねず)
 
16進表記 #bed2c3
千草鼠 (ちぐさねず)
 
16進表記 #bed3ca
浅葱鼠 (あさぎねず)
 
16進表記 #94A8B0
藍鼠 (あいねず)
 
16進表記 #6c848d
深川鼠 (ふかがわねず)
 
16進表記 #97a791
湊鼠 (みなとねず)
 
16進表記 #80989b
薄雲鼠 (うすくもね)
 
16進表記 #d4dcda
紺鼠 (こんねず)
 
16進表記 #44617b
錆鼠 (さびねず)
 
16進表記 #47585c
紫鼠 (むらさきねず)
 
16進表記 #71686c
藤鼠 (ふじねず)
 
16進表記 #a6a5c4
桔梗鼠 (ききょうねず)
 
16進表記 #95949a
鳩羽鼠 (はとばねず)
 
16進表記 #9e8b8e
茶鼠 (ちゃねず)
 
16進表記 #a99e93
江戸鼠 (えどねず)
 
16進表記 #928178
薄鼠 (うすねず)
 
16進表記 #9790a4
小町鼠 (こまちねず)
 
16進表記 #e5e2e4

鼠色(ねずみいろ)とは、グレー(灰色)系統全般を指す語。または、やや青色寄りのグレー。ネズミの体毛の色に基づく呼び方であるが、前に修飾語が付くと、しばしばねずと略される(慣用ではネズミと呼称するほうが間違い)。

歴史

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鼠色という語が登場したのは17世紀前半、江戸時代初期と考えられている。

平安時代には、グレー系統の色の総称は鈍い色を表す鈍色が使用され、墨色すなわち黒の近似色と考えられていた。この鈍色はの色として扱われており、縁起の悪い色として日常的に愛好されてはこなかった。

鎌倉時代に入り、禅宗のもたらした枯山水の庭や水墨画などの無彩色の芸術の流行により、「墨に五彩あり」というように、華やかな色から落ち着いた色への嗜好の変化が起こり、無彩色に深みや精神性を見出す傾向が生まれ、室町時代には侘び・寂び美学が発展した。

江戸時代の初めは、それまでの長い戦乱の痛手が残っていた時期であり、火事火葬などを連想させる「」色を嫌い、鼠色という色名が生まれた。また、江戸幕府によって倹約が奨励され、贅沢が厳しく取り締まられたことで、庶民が憚りなく使える色は、茶色系、鼠色系、藍色系などの比較的地味な色が主であった。江戸の町人は、着物の表地には地味な色を、裏地の布には派手な色を使うという具合に、地味な色合いが華やかな色合いを引き立てる効果などを狙い、さまざまな工夫を凝らすようになる。この時期は紅鳶色のように華やかさのある茶色系が人気であったが、徐々に地味な色に品位が見出されていく。

江戸中期頃から、色の流行は茶色から鼠色へ移っていった。

種類

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白と黒の中間にあたる無彩色一般の総称であるが、灰色と厳密に区別する際には、やや青色がかった色を言う。

  • 色の濃い順に、「消炭鼠」(けしずみねず/チャコールグレー)「丼鼠」(どぶねず/スレートグレー)「濃鼠」(こねず/ダークグレー)「素鼠」(すねず/グレー)「銀鼠」(ぎんねず/シルバーグレー)「白鼠」(しらねず/ペールグレー)となる。銀鼠のやや白っぽいものを「小町鼠」とも
  • 赤系統の色が混じったものには、「小豆鼠」「臙脂鼠」「猩々鼠」「紅鼠」「梅鼠」「薄梅鼠」「牡丹鼠」「葡萄鼠」「紅消鼠」「暁鼠」「日の出鼠」「鴇鼠」「桜鼠」など
  • 黄色系統の色が混じったものには、「山吹鼠」「黄鼠」「玉子鼠」「島松鼠」「壁鼠」「生壁鼠」など
  • 緑系統の色が混じったものには、「利休鼠」「柳鼠」「松葉鼠」「呉竹鼠」「浮草鼠」など
  • 青系統の色が混じったものには、「藍鼠」「藍気鼠」「相生鼠」「納戸鼠」「深川鼠」「淀鼠」「浪花鼠」「鴨川鼠」「軍勝鼠」「水色鼠」「空色鼠」「湊鼠」など
  • 紫系統の色が混じったものに、「紫鼠」「源氏鼠」「貴族鼠」「藤鼠」「桔梗鼠」「鳩羽鼠」など
  • 茶色系統の色が混じったものに、「茶鼠」「茶気鼠」「遠州鼠」など

参考

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  • 福田邦夫『すぐわかる 日本の伝統色』東京美術 ISBN 4-8087-0784-5
  • 吉岡幸雄『日本の色辞典』紫紅社 ISBN 4-87940-549-3
  • 長崎盛輝『かさねの色目 平安の配彩美』青幻社ISBN 4-916094-54-9