黒旗軍
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黒旗軍(こっきぐん、中国語:黑旗軍、ベトナム語:Quân cờ đen)は、19世紀末に清朝広西地方で創設された武装組織。主にチワン族の兵士から構成され、1865年に阮朝ベトナム時代のトンキンに進出した。その後、阮朝軍に参加し対仏戦争に参戦、その後紅河デルタにとどまらず様々な地域での武力闘争で活動した。黒旗を好んで使用した指揮官劉永福で知られる。フランスと清の間で締結された1885年の天津条約によって公式には解散させられたが、その後も残党はフランス植民地主義に対するゲリラ活動を続けた。
名称の由来
[編集]初期に黒地に7つの星、北斗七星をデザインした軍旗を用いていたことからこの名が付けられた。
略歴
[編集]- 活動初期・・・主要な軍事行動は清朝統治に反対する武装闘争である。
- 1857年 かつて太平天国の乱に参加していた客家の劉永福が兵200人を率いて、広西省の黃思宏に率いられていたより大きな三合会に参加した。
- 1864年 8月に天京(現在の南京)で太平天国が崩壊。
- 1865年 清朝による太平天国の残党狩りに追いつめられ、劉永福の黒旗軍はトンキン(現在のハノイ周辺)に脱出した。
- 1867年 保勝(現在のベトナム・ラオカイ省バオタン県)で清軍を破った。
- 活動中期・・・主要な軍事行動はフランス軍に対する武装闘争である。
- 1873年 阮朝ベトナムがトンキンに侵攻したフランシス・ガルニエを撃退する為に黒旗軍に参加を要請。
- 1883年 - 1884年 清仏戦争に先駆けて宣戦布告も無しにフランス軍が再びトンキンに侵攻(トンキン戦争)してきた為、黒旗軍が応戦し、アンリ・リビエールを殺害した。
- 1884年 - 1885年 清仏戦争ではベトナムに進出したフランス軍を破り、指揮官の劉永福はベトナム国王より三宣副提督の職に任じられた。
- 1887年 黒旗軍がルアンパバーン王国に侵攻(ホー戦争)。
- 清朝に凱旋した劉永福は黒旗軍の解散を命じられた。
- 活動後期・・・主要な軍事行動は日本軍に対する武装闘争である。
関連項目
[編集]- ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナシリーズ:主人公黄飛鴻(ジェット・リーが演じている)は黒旗軍の水軍の総教練という設定である[1]。