黄江ダム
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黄江ダム (ファンガンダム、朝鮮語: 황강댐)は、臨津江上流にある朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のダム。
概要
[編集]大韓民国(韓国)との軍事境界線から約40キロメートル北に位置し、ダムの推定貯水容量は約3 - 4億トンとされる[1][2]。 2002年に建設が始まり、2007年に完成した[3]。 プロジェクトの公式目標では、水力発電や灌漑に用いるとされている[4]。
2009年9月6日、北朝鮮が予告なしに大量の水をダムから放流して韓国内で大洪水を起こし、韓国人6人が犠牲者となる事件が起きている[5]。これを機に韓国は北朝鮮と接触し、北朝鮮がダム放流時に事前通告をすることで一度は合意を得た。しかし、この合意は翌2010年こそ遵守されたものの、2011年以降は有名無実なものになった[6]。
北朝鮮のダム操作による洪水や渇水の脅威に対抗するため、韓国は2010年代初頭に2つのダムを建設した[2][4]。
2020年7月から8月にかけて、北朝鮮は再び事前予告なしに3度の放水を実施。韓国統一部は、北朝鮮側を刺激しないよう「政治・軍事的に冷え込んだ現在の局面により自然災害関連の協力まで行われていないのは不幸なこと」として片付けた[7]。
出典
[編集]- ^ Choe Sang-hun (2009年9月7日). “South Korea Rejects North’s Explanation of Dam Release”. The New York Times 2009年9月8日閲覧。
- ^ a b ““北の黄江ダム, 閉めれば日照り開ければ洪水””. DailyNK Japan. ブラスト (2008年4月22日). 2019年1月3日閲覧。
- ^ Hyung-Jin Kim (2008年4月22日). “NK Dam Could Threaten S. Korean Regions”. The Korea Times. オリジナルの2012年9月15日時点におけるアーカイブ。 2009年9月8日閲覧。
- ^ a b Hyung-Jin Kim (2009年9月7日). “SKorea demands NKorea explanation for deadly flood”. Associated Press 2009年9月8日閲覧。
- ^ “満水近い北朝鮮黄江ダム…「水攻め準備を」坡州・漣川が非常事態(1)”. 中央日報. (2016年6月28日) 2019年1月3日閲覧。
- ^ “北朝鮮、また通告なしに黄江ダム放流か…統一部「被害ないが、鋭意注視」”. 中央日報 (2020年8月9日). 2022年8月9日閲覧。
- ^ “韓国統一部「北が事前通報なく3度の黄江ダム放流」…抗議はせず「不幸なこと」”. 中央日報 (2020年8月4日). 2020年8月4日閲覧。