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麗人酒造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
麗人酒造株式会社
社屋外観
社屋外観
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
392-0444
長野県諏訪市諏訪2-9-21
設立 創業1789年寛政元年)
業種 食料品
法人番号 5100001018729 ウィキデータを編集
事業内容 清酒製造及び小売
代表者 鎌田晴之
主要株主 本久ホールディングス
外部リンク http://www.reijin.com/
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麗人酒造株式会社の祠と御柱

麗人酒造株式会社(れいじんしゅぞう)は、長野県諏訪市諏訪の酒類製造・販売業者。代表銘柄は社名と同じく『麗人』(れいじん)である。1789年寛政元年)創業、現在の社名「麗人」は、終戦直後の1945年昭和20年)、当時の社長により命名された。蔵の一画に、酒の神松尾大社の銘が入った大黒柱が残る[1]諏訪五蔵のひとつ。

特色

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直下にフォッサマグナ(中央大地溝帯)を抱える高原地帯である諏訪盆地にあり、一帯は、霧ヶ峰高原に降り注いだ雨が、長期間かけて地中で浄化され、伏流水となって流れている[2]。その伏流水が、麗人酒造の蔵の中にある井戸には、毎分150リットル余り涌き出ていて、創業当時から日本酒造りに活用されている[2]

1974年昭和49年)からは、醸造用糖類の使用を全面廃止し、本造りに限った酒造りを行う[1]。代表銘柄の「麗人」には霧ヶ峰の伏流水と地元契約農家生産の酒米を用いている[3]1972年(昭和47年)に古酒の熟成を開始し、20年から25年の超長期熟成酒やシェリー酵母を用いた酒造りを行う[3]1999年平成11年)からは、霧ヶ峰高原伏流水のほかに諏訪地方温泉を仕込水に使用して地ビールの醸造を開始した[4]

建物の屋根に豊川稲荷を奉る祠と御柱がある。麗人酒造のブログ『麗人蔵本だより』によれば、11月に御柱祭が行われる[5]

歴史

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1789年寛政元年)創業時の酒の神「松尾大社」の銘が入った大黒柱が残されており、長い歴史のある酒蔵である[6]。会社設立は1947年(昭和22年)。1999年平成11年)地ビール製造に乗り出し、銘柄は「諏訪浪漫(ろまん)ビール」[7]2011年(平成23年)6月27日に民事再生法の適用を申請、後に適用を受け、スポンサー企業に千曲錦酒造佐久市)が決まり経営再建に取り組んでいる[8]2012年(平成24年)、本社事務所と売店の改装工事を行い、同時に缶ビールの製造ラインを導入し、従来からのボトル販売に加え、2013年2月から缶ビールの販売を開始している[9]

杜氏

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杜氏の我流で、全量に一般米を使用した純米酒「杜氏の腕試し」を単年度限定で商品化するなど、個性的な酒造りに一役を担っている[10]。ビールの製造責任者は藤森和彰[11]

製品

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日本酒

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従来は淡麗な辛口酒を製造していたが、近年では「飲み飽きしないやや辛口の熟成酒」をめざして、純米酒の占める割合が増えている[12]。平均して3年間ほど寝かせた後に、出荷される[12]1994年平成6年)、関東信越の290蔵で競われる第59回関東信越国税局酒類鑑評会で、最優秀賞(首席)を受賞[13]

  • 「麗人」……主要銘柄で、純米吟醸、純米大吟醸、非加熱処理の生酒など酒類多数。「純米吟醸 麗人」、「吟醸 麗人辛口の極」は2013年から2018年にかけて6年連続でモンドセレクション金賞を受賞した[14][1]
  • 「大吟醸 希」……酒造好適米の最高峰とされる兵庫県産山田錦を39パーセントまで精米した、鑑評会出品用として醸造された。
  • 「大吟醸 和寛」
  • 「大吟醸ヴィンテージ」シリーズ

地ビール

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「諏訪浪漫ビール」として、1999年(平成11年)8月から、3種類の地ビールを製造販売している[15]。「ワールドビアカップ」のゴールデンエールorブロンドエール部門で、2016年に金賞、2018年に銅賞を受賞した[16][17]。この品評会はBrewers Association(BA)が主催する世界最大規模のビール品評会で、2018年は米国テネシー州ナッシュビルのミュージックシティセンターで行われ、66ヶ国から8,234種のビールが出品されていた[17]。製造にあたってはさわやかな味わいを追求し、ホップは控えめに、ドリンカブルで「おかわりしやすいビール」に仕上げたという[18][11]。原材料は、カナダ産及びオースリラリア産の二条大麦の麦芽を100パーセント使用し、副原料は用いていない[9]。ホップには、カナダ産のほか様々なホップを使用している[9]

  • 「しらかば」2014年、モンドセレクションで銅賞を受賞。
  • 「りんどう」2015年、モンドセレクションで金賞を受賞。インターナショナル・ビアカップ2016で金賞を受賞。
  • 「くろゆり」2014年、モンドセレクションで金賞を受賞。

出典

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  1. ^ a b c 信濃路編集部『信州地酒ガイド』信濃路出版、1976年、86-87頁。 
  2. ^ a b 麗人酒造ブランドストーリー”. 2018年10月28日閲覧。
  3. ^ a b 『酒蔵で訪ねる信州』信濃毎日新聞社、2008年、184-185頁。 
  4. ^ 諏訪五蔵麗人”. 2018年10月27日閲覧。
  5. ^ 麗人酒造稲荷の“空中御柱””. 2018年10月27日閲覧。
  6. ^ 「信州の酒」アース工房発行1994年
  7. ^ 信濃毎日新聞1999年8月18日8面「麗人酒造 地ビール参入」
  8. ^ 長野日報2012年8月2日3面
  9. ^ a b c 諏訪浪漫ビール”. ビアクルーズ. 2018年10月28日閲覧。
  10. ^ オンラインショップ”. 麗人酒造. 2018年10月28日閲覧。
  11. ^ a b 長野県のクラフトビールが 銀座に集結!”. マガジンハウス「コロカル」. 2018年10月28日閲覧。
  12. ^ a b 日本の酒蔵巡り”. 2018年10月28日閲覧。
  13. ^ 長野県酒類販売株式会社”. 2018年10月28日閲覧。
  14. ^ 「麗人株式会社」パンフレット
  15. ^ ブランドストーリー 諏訪浪漫麦酒”. 麗人酒造. 2018年10月28日閲覧。
  16. ^ 依光隆明 (2018年5月16日). “長野)諏訪の地ビール「信州浪漫」 国際大会で銅賞”. 朝日新聞. https://www.asahi.com/articles/ASL5H4TN0L5HUOOB00K.html 2018年10月28日閲覧。 
  17. ^ a b 【速報】2018 World Beer Cup. 日本のブルワリー2社が受賞”. 日本ビアジャーナリスト協会. 2018年10月28日閲覧。
  18. ^ 今こそ飲もう、信州のビールを!”. 銀座NAGONO. 2018年10月28日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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