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鶴巻時計店英工舎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

鶴巻時計店英工舎(つるまきとけいてんえいこうしゃ)は、かつて日本に存在した時計および自動車用計器の製造業者である。

歴史

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時計製造専業時代

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1916年(大正5年)に創業した株式会社鶴巻時計店(時計卸)が、1919年(大正8年)に株式会社鶴巻時計店英工舎を設立した。

東京府北豊島郡滝野川町(現在の東京都北区滝野川)に本社を置き、本社工場以外に東京府赤羽、埼玉県鴻巣埼玉県北本宿(現在の北本市)、秩父朝霞群馬県桐生に工場を構えていた[1][2][3]

1927年(昭和2年)に置時計や目覚し時計の製造を開始し、1935年(昭和10年)に腕時計の製造を開始した[2][4]。かつて製造していたブランドには、「センター」、「ニューエイコー」が挙げられる[1]

第二次世界大戦中は他の時計製造メーカーと同様に、滝野川の製造拠点を赤羽、桐生、秩父、取手の4か所へ分散疎開させている[1][2]

戦後は腕時計の製造を行ってきたが、セイコーシチズンなどの大手競合メーカーの生産再開による競争激化と販売部門(英工商事)売上回収の悪化、品質低下により急激な経営悪化を招いた。1950年(昭和25年)の戦後混乱期の大不況によって、市場から姿を消した。

自動車計器への転換と日産傘下入り

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1951年(昭和26年)に日産自動車のトラックであるニッサン380型用メーターやダットサンのコンビネーション・ゲージの製造を開始して、経営を再建した。朝鮮戦争による特需景気後の1956年(昭和31年)に、再び経営危機に陥ったことで日産自動車の傘下となった。日産自動車は全額出資した関東精器(カルソニックカンセイの前身)を設立し、英工舎の自動車用計器・時計製造事業を吸収分割承継された[1]

各工場のその後

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  • 秩父工場
    • 1954年(昭和29年)に株式会社秩父英工舎として再スタートし、カメラ用のセルフタイマーやスローガバナーの製造を開始した。録音機ヘッドの研究開発をおこなっていたこともあり、1964年(昭和39年)にキヤノンの傘下となり、キヤノン電子に商号を変更した[1][2][5][6]
  • 桐生工場
    • 1949年(昭和24年)に株式会社桐生英工舎として再スタートし、1951年(昭和26年)から小型モーターの製造を開始した。1960年 (昭和35年)に本社機能を群馬県桐生から東京へ移転し、日本サーボ(現在のニデックアドバンスドモータ)に社名を変更した[1][7][8][9]

出典

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  1. ^ a b c d e f g 株式会社鶴巻時計店英工舎 日本の時計会社の歴史”. TIMEKEEPER kodokei.com. 2017年7月7日閲覧。
  2. ^ a b c d e 大都市産業集積の変革と活性化に関する調査研究報告書”. 一般財団法人日本立地センター. 2017年7月7日閲覧。
  3. ^ 英工舎(鶴巻時計店)/へそ形目覚まし時計”. 有限会社群馬テクニカルリサーチ. 2017年7月7日閲覧。
  4. ^ 久保田浩司「時計工業技術開発小史: 第二次大戦後におけるウオッチの進歩発展」『マイクロメカトロニクス』第50巻第194号、2006年、80-95頁。 
  5. ^ キヤノン株式会社 企業情報 沿革”. キヤノン電子株式会社. 2017年7月7日閲覧。
  6. ^ a b 田村均「秩父地方における下請構造の形成-織物業の衰退と機械工業の展開-」『地理学評論(Ser.A)』第58巻第4号、日本地理学会、1985年、216-236頁、doi:10.4157/grj1984a.58.4_216 
  7. ^ 沿革 日本電産サーボ株式会社”. 日本電産サーボ株式会社. 2017年7月7日閲覧。
  8. ^ 松島茂「産業構造の多様性と地域経済の「頑健さ」 : 群馬県桐生市、太田市及び大泉町のケース」『法政大学イノベーション・マネジメント研究センター ワーキングペーパーシリーズ』第6巻、法政大学イノベーション・マネジメント研究センター、2004年10月、1-29頁、2022年3月27日閲覧 
  9. ^ 八幡成美「ナノテクノロジー分野での事業化 : 期待される政策的支援」『法政大学キャリアデザイン学部紀要= 法政大学キャリアデザイン学部紀要』第9号、法政大学キャリアデザイン学部、2012年3月、179-227頁、doi:10.15002/00007836ISSN 1349-3043NAID 1200042260402022年3月27日閲覧 
  10. ^ ヒストリー 会社情報 カルソニックカンセイ”. カルソニックカンセイ株式会社. 2017年7月7日閲覧。