鳥羽広丸
表示
鳥羽 広丸(とば ひろまる、生没年不詳)とは、江戸時代の浮世絵師 。
来歴
[編集]歌川豊広の門人で歌川の画姓を称したという。作画期は文化の頃とされ主に肉筆美人画を残す。戯作者の柳亭種彦とは親交があったと見られ、『柳亭種彦日記』の文化13年(1816年)8月20日の項には広丸が種彦のもとを訪れ、広丸が扇に描いた蟹の絵に種彦が「山川の水かげんして時々にめしをたくのが蟹」、東夷庵古渡が「めしたきのかみにやたらんぬひ仕事 はさみはなさぬしんめうの蟹」の狂歌を即興で書き付けたという記事がある。
作品
[編集]作品名 | 技法 | 形状・員数 | 寸法(縦x横cm) | 所有者 | 年代 | 落款 | 印章 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
立美人図[1] | 絹本著色 | 1幅 | 119.5x27.5 | 東京国立博物館 | 1804-18年(文化年間)頃 | 「鳥羽廣丸」 | ||
立美人図 | 紙本著色 | 摘水軒記念文化振興財団 | ||||||
遊女 | 紙本著色 | 1幅 | 115.5x27.5 | 光ミュージアム[2] | 文化年間後期 | 「鳥羽廣丸」 | 「盡而不盡」朱文方印 | 那須ロイヤル美術館(小針コレクション)旧蔵 |
夏姿二美人図[3] | 紙本著色 | 1幅 | 118.4x28.2 | 熊本県立美術館 | ||||
歳末歳旦風俗図[4] | 紙本著色 | 双幅 | 149.8x×15.0(各) | 熊本県立美術館 | 「鳥羽廣丸」(各幅) | 「土佐□□」朱文方印(各幅) | 各幅に画賛あり | |
文読む美人図[5] | 紙本著色 | 1幅 | 127x27.2 | ボストン美術館 | 1804-18年(文化年間)頃 | 「鳥羽廣丸」 | ||
立美人図[6] | 紙本著色 | 1幅 | 105.2x26.8 | パリ国立高等美術学校 | 「鳥羽広丸筆」 | 朱文方印 | エマニュエル・トロンコワ旧蔵 | |
美人歩行図[7] | 紙本著色 | 1幅 | スコットランド博物館 | 「鳥羽広丸筆」 | 白文方印 | 東夷庵古渡賛 |
脚注
[編集]- ^ C0042032 立美人図 - 東京国立博物館 画像検索
- ^ 鈴木浩平 永田生慈 南由紀子編集 『光ミュージアム所蔵 美を競う 肉筆浮世絵の世界』 アートシステム、2019年、第87図。
- ^ 夏姿二美人図 所蔵品データベース _ 熊本県立美術館
- ^ 歳末歳旦風俗図 所蔵品データベース _ 熊本県立美術館
- ^ Woman Reading a Letter _ Museum of Fine Arts, Boston.mht
- ^ 柏木隆雄 柏木加代子編著 『甦る江戸肉筆画 トロンコワ・コレクションを読み解く』 水声社、2019年1月15日、p.134、ISBN 978-4-8010-0383-5。
- ^ id=658264 National Museums Scotland
参考文献
[編集]- 朝倉治彦校訂・解題 『柳亭種彦日記』 秋山書店、1979年
- 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年
- 『小針コレクション 肉筆浮世絵』(第五巻) 那須ロイヤル美術館、1989年
- 熊本県立美術館編 『今西コレクション名品展Ⅲ』 熊本県立美術館、1991年