魚町銀天街
魚町銀天街(うおまちぎんてんがい)とは、福岡県北九州市小倉北区魚町にある商店街。公道上にアーケードが架かるアーケード商店街の日本における発祥の地であり[1]、北九州市の中心的商店街である。
概要
[編集]北端は小倉駅に近い。小倉駅から南下するように通りがある。中間地点に幹線道路(国道199号、通称:勝山通りまたは旧電車通り)の交差点があり、信号待ちをすることになる。幹線道路上にも屋根があり、雨にぬれることはない。南端は道路を挟んで旦過市場に接続している。アーケードは旦過市場へ接続されていない。
セントシティ北九州・井筒屋小倉本店といった百貨店には直接つながっていないが、この魚町銀天街は「縦(南北)軸」の商店街であり、複数の「横(東西)軸」の商店街、アーケード街がつながっている。2003年のリバーウォーク北九州の開業以降は、これら他の商店街などとともに、大型商業施設をつなぐ回廊としての役割を担うことを目指しており、大型商業施設側も魚町銀天街などに買い物客が流れるよう様々な取り組みを行っている。また、7月の小倉祇園太鼓の時期は通行量も多く、セールなどで華やかになる。祇園太鼓の時期は夜は太鼓が演じられ、音も響き、夏の風物詩でもある。
勝山通り沿いの歩道に「銀天街発祥地」の碑があり、下記の説明文が記されている[2]。
1951年10月ここ魚町に日本ではじめて公道上にかかる全長130mのアーケードが完成。6,000通の公募作のなかから『銀の天井に輝く街』を意味する『銀天街』と命名されました。以降『銀天街』の名称が各地へ広まりました。
国内各地の商店街同様、歩行者通行量の減少が課題となっていたため、2008年7月に中心市街地活性化法に基づく中心市街地活性化基本計画(小倉地区)[3]が認定を受け、活性化に向けた様々な取り組みが進められている。魚町銀天街のショッピングモール化事業として、現在勝山通りで分断されている2つのアーケードをジョイントさせる事業[4]が着工し、2010年3月に完成し、「魚町エコルーフ」の愛称がついた[5]。これまで分断されていた2つの商店会組織が共同で取り組む初めてのプロジェクトであり、ハード・ソフト両面で街が一体化することによる活性化に向けた役割が期待されている。オフィシャルサイトも従前は別々であったが、2012年以降統一されている。
ジョイントアーケードの建設と並行してアーケードおよび舗装の改修が行われているほか、大型スクリーンの設置、無線LANサービスや商店街共通のICカードシステム「ウオカ(UOCA)」の導入、倉掛英彰(ミーナ&ザ・グライダー/元NEW DOBB)によるイメージソング「Ubiquitous」 の制作などが行われた[6]。
2011年より、魚町銀天街とサンロード魚町にまたがる既存ビルの再生[7]をはじめとしたリノベーションの取り組みが行われ[8]、全国に取り組みが波及している[9]。2017年7月には、飲食店ビル「ウオマチヒカリテラス」が第一交通産業によって建設され、オープンした[10]。
UOCA
[編集]UOCA(ウオカ)は、2010年4月23日に導入された、銀天街独自の電子マネーである。
システムとしては、当初九州大学や北九州市などが、北九州モノレールで実験を行った「monoca」形式のシステムを導入させることも想定されていたが、FeliCaシステムが広く普及し、九州の主要交通機関が同システムにより相互利用を開始したことも相まって、結局はFeliCaシステムに落ち着いた。
かつてあったポイントシステムは商店街独自のものである。大手流通グループ系の2カードと提携して発行されるが、それらのポイントシステムとの互換性は無いため、注意が必要である。初回発行時に300円が必要(無料キャンペーンが行われる場合あり)。
上記2つに関してはおサイフケータイでも手続きを行った上でUOCAポイントを貯められた。
また、JR九州のSUGOCAも、UOCA導入に併せて手続きを行って利用できるようになった。なお手数料105円を支払う必要がある。さらに、ギラヴァンツ北九州のファンクラブ会員証も、楽天Edyが搭載された2011年以降発行分を手続きの上でUOCAにすることができる。
いずれも、FeliCaに搭載されている「FeliCaポケット」機能を利用しているため、モバイルWAON、nanacoモバイルでUOCAを利用しようとする場合、当該端末にインストールされているアプリケーションの状況によってはUOCAを入れられない(競合するアプリケーションを削除する必要がある)ため、注意する必要がある。
なお、2020年3月31日をもって、ウオカポイントの付与とウオカカードの新規発行を終了し、同年6月30日をもってウオカポイントの交換を終了した[11]。
歴史
[編集]- 1951年(昭和26年)10月、公道上に架かるものとしては日本初のアーケード(屋根つき商店街)として開業[2][1]。
- 1958年(昭和33年)3月、小倉駅が現在地に移設し、利便性が増す[12]。
- 2010年(平成22年)4月23日、銀天街独自の電子マネーであるUOCA(ウオカ)が導入される。
- 2020年(令和2年)
火災
[編集]2014年
[編集]2014年(平成26年)2月6日、魚町三丁目において火災が発生。11棟全半焼、けが人はなかった[13]。
2024年
[編集]2024年(令和6年)1月3日、魚町一丁目において火災が発生。古い飲食店が建ち並ぶ「鳥町食道街」付近に延焼した。けが人はいなかった[14][15]。この火災で35店舗、2900メートルが焼失した[16]。
交通
[編集]脚注
[編集]- ^ a b “「がんばる商店街30選」2014年版 魚町銀天街” (PDF). 経済産業省中小企業庁. 2016年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月12日閲覧。
- ^ a b “日本初! 魚町銀天街アーケード”. 北九州市 時と風の博物館. 2022年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月12日閲覧。
- ^ 北九州市中心市街地活性化基本計画(小倉地区)の概要(pdf) 北九州市
- ^ 平成21年度戦略的中心市街地商業等活性化支援事業費補助金【中小企業者向け支援】(第1次募集及び中心市街地活性化協議会事務局支援事業)の公募結果について 中小企業庁
- ^ 国道またぎアーケード 屋根に太陽光発電パネル 来春完成 魚町銀天街で安全祈願 西日本新聞 2009年9月6日
- ^ 「北九州市ユビキタスモール構築モデル事業」について(pdf) 北九州市
- ^ (1)先進、昔アーケード今リノベ 朝日新聞 2015年5月3日
- ^ リノベーションまちづくりの推進 北九州市
- ^ 「北九州リノベスクール」が日本建築学会賞 全国に波及、遊休物件活用に評価 西日本新聞 q-Biz 2015年4月22日
- ^ 魚町銀天街に飲食ビル「ウオマチヒカリテラス」 毎日新聞 2017年7月6日
- ^ a b c “UOCAポイント終了のお知らせ | イベント&お知らせ”. 北九州市魚町銀天街公式サイト. 2024年1月4日閲覧。
- ^ regenerationderhydra (2023年7月20日). “旧小倉駅があった風景を想像する 福岡県北九州市小倉北区室町”. 日々の”楽しい”をみつけるブログ. 2024年1月4日閲覧。
- ^ “小倉・魚町銀天街で11棟全半焼、けが人なし”. 読売新聞 (読売新聞). (2014年2月6日) 2014年2月11日閲覧。
- ^ “北九州の商店街・魚町銀天街付近で火災 複数の建物に延焼か”. 毎日新聞. 2024年1月3日閲覧。
- ^ 日本放送協会 (2024年1月4日). “北九州小倉北区 飲食店街火災約13時間後に鎮火 けが人情報なし | NHK”. NHKニュース. 2024年1月4日閲覧。
- ^ “小倉飲食店街火災 35店舗2900平方メートルを焼損 隣接の「魚町銀天街」一部も”. 西日本新聞me. 2024年1月4日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 魚町銀天街オフィシャルホームページ
- 魚町(一丁目)銀天街オフィシャルホームページ 2012年より更新停止
- 魚町ビジョンアーカイブサイト
- UOCA