高田三郎 (哲学者)
表示
高田 三郎(たかだ さぶろう、1902年11月14日 - 1994年5月12日[1])は、日本の西洋哲学史(中世哲学)研究者、京都大学名誉教授[2]。
経歴
[編集]大阪府に生まれる。1927年(昭和2年)京都帝国大学文学部哲学科(西洋古代中世哲学専攻)卒業[3]。同年大学院に進学。1929年(昭和4年)から1932年(昭和7年)までの3年間ヨーロッパに留学し、オックスフォード大学のウィリアム・デイヴィッド・ロスや、ベルリン大学のヴェルナー・イェーガーらのもとで西洋古典哲学を学んだ[1]。
帰国後に広島文理科大学哲学科に講師として赴任[1]。1936年(昭和11年)同大助教授[4]、1947年(昭和22年)より京都大学文学部助教授、1950年(昭和25年)同大教授、1966年(昭和41年)定年退官し名誉教授。1927年に創設された京都大・哲学哲学史研究第五講座(古代中世哲学史)から分割独立する形で、1947年に開講した第六講座(中世哲学史)初代教授として招聘[2]され退官まで勤務。任期中にスコラ哲学を中心とした研究を行い、アリストテレスの翻訳や、トマス『神学大全』の翻訳を開始。日本での西洋中世哲学研究の水準を大きく高めた[2]。退官後は橘女子大学初代学長 (1967 - 1974)となった。
1994年5月12日に群馬県吾妻郡中之条町の病院で、気管支肺炎のために亡くなった。墓所は京都市左京区の法然院[1]。
著作
[編集]- 「十三世紀論理学書の「スポジチオ論」に見られる命題分析の問題とトマス・アクィナスの態度」『西洋中世思想の研究 : 石原謙先生献呈論文集』岩波書店。1965年。217-236頁。NDLJP:2970748
翻訳
[編集]- ヘルマン・コーエン『プラトンのイデア論と数学 : 哲学論叢 17』岩波書店、1928年。NDLJP:1051773
- 『アリストテレス全集 第12巻 ニコマコス倫理学』河出書房、1938年。NDLJP:1260643
- 岩波文庫、1979年。上 ISBN 978-4003360415 / 下 ISBN 978-4003360422
- 『プラトンの自叙伝』弘文堂(アテネ文庫 第83)、1949年。NDLJP:1160248。ASIN B000JBJBGE
- トマス・アクィナス『神學大全』創文社、1960 - 1996年
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 2020年に創文社が会社解散したため。
出典
[編集]- ^ a b c d 京都哲学会「彙報 9 高田三郎名誉教授の御逝去」『哲學研究』第560号、京都哲学会(京都大学文学部内)、1994年10月20日、160-161頁。
- ^ a b c “III 専修のプロフィール” (PDF). 京都大学. pp. 144-145. 2015年12月7日閲覧。
- ^ 哲学を学ぶ人のために 藤沢令夫
- ^ 高田三郎『出身県別 現代人物事典 西日本版』p923 サン・データ・システム 1980年