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驚異の旅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
驚異の旅
Voyages extraordinaires
登場人物が描かれた出版告知ポスター (1889年)
登場人物が描かれた出版告知ポスター
(1889年)
著者 ジュール・ヴェルヌ
イラスト リウー, モントー, ヌヴィル, バヤール, フェラ, ボルペール, ベネット, バリル, フレーリク, ボニェ, ルー, マリ, シューラー, メイエ, フィリッポトー, ミルバッハ
発行日 1866年 - 1919年
発行元 J.Hetzel & Cie.
ジャンル 冒険小説 SF小説
フランスの旗 フランス
言語 フランス語
形態 プレ=オリジナル版
オリジナル版(2種)
金彩彩色カルトン
ウィキポータル 文学
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驚異の旅Voyages extraordinaires)はフランスの小説家、ジュール・ヴェルヌ叢書。62の長編と19の短編で構成されており、ピエール=ジュール・エッツェルの出版社 "J.Hetzel & Cie." と、"エディシオン・アシェット"[1]から1866年から1919年にかけて刊行された。

1905年にヴェルヌが没したのちは息子のミシェル・ヴェルヌが関わった作品も加わり、1866年以前に発表された3作品(「気球に乗って五週間」、「地球から月へ」、「地底旅行」)も遡ってシリーズに組み入れられた。

テーマ

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本叢書の編集者であるピエール=ジュール・エッツェルは、第1作「ハテラス船長の冒険」第1部のノートに『驚異の旅』の構想について以下のように書いている。

既知と未知の世界を通る驚異の旅、その目的は、現代科学によって蓄積されたすべての地理的、地質学的、物理的および天文学的知識を要約し、それ自体がもつ魅力的な形で宇宙の歴史を作り直すことです。

この並はずれた旅は科学の実用目的での適用と、フランスの教育における基本的な道具としてエッツェルによって提示された。 後年のインタビューで、ジュール・ヴェルヌはエッツェルの野心的な任務が彼が小説を執筆するにあたってのテーマとなったと断言した。

私が死ぬまでに世界の表面と天国の探査を物語の形で完結させることが私の意図です。私の考えが行き渡っていない世界がまだ残っています。ご存知のように、私は月を採り上げましたが、まだまだやるべきことがたくさんあります。健康と体力が許す限り仕事をやり遂げたいと思っています[2]

さらに、ヴェルヌは自分が作り出すものが科学よりも文学のカテゴリに近いことを明らかにし、「私は決して科学者のふりをしていない。」としたうえで、別のインタビューでこう述べた。

私の目的は、地球だけでなく宇宙を描くことでした。そして同時に、スタイルの美しさという非常に高い理想を実現しようと試みました。冒険小説にはどんなスタイルもあり得ないと言われていますが、それは真実ではありません。私はそのような小説を、今日流行している人格の研究よりも優れた文学として書くことが困難であることを認めます[3]

これらの作品におけるヴェルヌの細部にわたる気配りと科学的な知識はその探究心も相まって物語の骨子となっている。彼の小説が大衆に広くアピールした理由の一つは、読者が地学地理学天文学古生物学海洋学などの知識を本当に学ぶことができたという実感を得たことにあった。彼が書くところの世界のエキゾチックな場所と文化、歴史と冒険をめぐる膨大な情報を含んだ小説は、エドワード・メンデルソン(Edward Mendelson)が呼ぶところの百科事典小説(Encyclopedic novel)の要素を具えている。

出版

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エッツェルが『驚異の旅』のために考案したシステムでは、ヴェルヌの個々の小説がいくつかの異なる形式で連続して出版された。これにより、4つの異なる版が作成された[4]ブックデザインは、その多くがジャン・エンゲルによるもので、『驚異の旅』はフランスの造本技術(ルリユール・アンデュストリエルフランス語版)が生み出した傑作と見なされている。

  • エディシオン・プレ=オリジナル(Éditions pré-originales - プレ=オリジナル版):定期刊行物、通常はエッツェルが発行人を務めた「教育娯楽雑誌」への隔週連載。エドゥアール・リウーレオン・ベネットジョルジュ・ルーなどによるイラスト入り。
  • エディシオン・オリジナル(Éditions originales - オリジナル版):少数のイラストが入った18moの判型(102mm×165mm)による書籍版。または少し大きめの12moの判型(127mm×187mm)の書籍版もここに含まれる(連載から抜粋された少数のイラスト入り)。
  • カルトネージュ・ドレ・エ・コロール(Cartonnages dorés et colorés - 金彩彩色カルトン装):豪華に装飾された表紙付きの八折り判(153mm×228mm)。クロモタイポグラフィで印刷され、クリスマスと新年祝い(エトレンヌ)の市場向けにデザインされたこのデラックス・エディションは、連載時に掲載されたイラストのほとんどまたはすべてが含まれる。

出版リスト

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タイトル

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脚注

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  1. ^ 1914年にJ.Hetzel & Cie.がアシェット社に買収された後。
  2. ^ Belloc, Marie A. (February 1895). “Jules Verne at Home”. Strand Magazine. http://jv.gilead.org.il/belloc/ 4 April 2013閲覧。. 
  3. ^ Sherard, Robert H. (January 1894). “Jules Verne at Home”. McClure's Magazine. http://jv.gilead.org.il/sherard.html 5 March 2013閲覧。. 
  4. ^ Harpold, Terry (2006). “Reading the Illustrations of Jules Verne's Voyages extraordinaires: The Example of Le Superbe Orenoque. ImageTexT: Interdisciplinary Comics Studies 3 (1). http://www.english.ufl.edu/imagetext/archives/v3_1/harpold/ 27 October 2012閲覧。. 

外部リンク

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