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飯塚桃葉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

飯塚 桃葉(いいづか とうよう、生没年不詳[1])は、江戸時代中期から後期に活躍した蒔絵師。名は秀久。通称は源六、号は観松斎[2]

経歴・人物

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江戸に生まれ、後に江戸で阿波藩10代藩主蜂須賀重喜に蒔絵師として仕える[8][9]印籠に貝や切金等を用いた。桃葉の子孫も代々、阿波藩の付き人を継いだ[注釈 1]

また、藩主の命を断り、下駄に蒔絵を施さなかったことから気骨を買われて召し抱えられたという逸話が伝わる[9]

主な作品

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作品名の50音順。国から文化財指定(指定答申)されたものは先頭に記す。

「百草蒔絵薬箪笥」
1771年製作。内容品 一括 附 大御薬籠中品類目録 1冊 を含めて令和6年度に重要文化財に指定予定[11]根津美術館
「朝日群鶴図」[要出典]
「藘鷺(あしさぎ)蒔絵印籠」
東京国立博物館収蔵[2]、19世紀(江戸時代)、銀地研切蒔絵、銘あり、底裏に金蒔絵「桃葉(花押)」[12]
「宇治川螢蒔絵硯筥(うじかわ ほたる まきえ すずりばこ)」
宮内庁所蔵[13]蜂須賀氏から皇室に献上され[13]、「観松斎 桃葉造」の銘入り[2]
「雁に琴柱蒔絵溜地印籠(かりに ことじ まきえ ためじ いんろう)」[14]
#塩山蒔絵細太刀拵
塩山蒔絵細太刀拵(しおのやま まきえ ほそだちごしらえ)」[15]
東京国立博物館収蔵、初代飯塚桃葉作。18世紀(江戸時代)、総長85.0 cm。銘あり、鞘に金蒔絵「観松斎(花押)」。『古今和歌集』のめでたい歌「しほの山さしでのいそにすむ千鳥 きみがみよをばやちよとぞなく」に取材し、装飾の中に文字を散らした作品[16]
「蝶鳥平文(ちょうちょう ひょうもん)蒔絵印籠」
江戸時代、金・銀の研出蒔絵、金・銀の平文。銘あり、金蒔絵「桃葉(花押)」[17]
「鶏蒔絵印籠(にわとり まきえ いんろう)」
東京国立博物館収蔵[2][18][注釈 2]、19世紀(江戸時代)、金・銀薄肉高蒔絵、朱描。底裏に銘あり、金蒔絵「桃葉(花押)」

参考文献

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主な執筆者名の50音順。

  • 上田正昭、津田秀夫、永原慶二、藤井松一、藤原彰『コンサイス日本人名辞典』(5版)三省堂、2009年、76頁。 
  • 大橋俊雄「飯塚桃葉作塩山蒔絵細太刀拵(東京国立博物館蔵)とその文献史料」『MUSEUM(東京国立博物館研究誌)』第606号、2007年2月、2023年1月14日閲覧 A4判
  • “飯塚桃葉作宇治川螢蒔繪硯筥――(御物)”. 建築工芸画. 1. 建築工芸協会. (1913-08). p. コマ番号0011.jp2. doi:10.11501/2679042. 全国書誌番号:00007430 。国立国会図書館デジタルコレクション。国立国会図書館/図書館送信参加館内公開。
  • 飯塚桃葉作鶏蒔絵印籠他、古写真(文化財指定)国立文化財機構、19世紀(明治)https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/R-941?locale=ja2022年12月1日閲覧 
  • 小松大秀 (1994年). “朝日日本歴史人物事典”. コトバンク. 朝日新聞出版. 2020年3月2日閲覧。
  • 「雁に琴柱蒔繪溜地印籠 / 飯塚桃葉」『美術画報』第37巻第9号、画報社、1915年4月、doi:10.11501/1898277全国書誌番号:00020139 コマ番号0010.jp2、国立国会図書館デジタルコレクション。国立国会図書館/図書館送信参加館内公開。
  • 横井時冬「漆器工蒔絵工 §飯塚桃葉」『工芸鏡』 2巻、六合館、1894年、37頁。doi:10.11501/854118全国書誌番号:854118 コマ番号0042.jp2、国立国会図書館デジタルコレクション、インターネット公開(保護期間満了)。

関連資料

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発行年順。

脚注

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注釈

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  1. ^ 「飯塚桃葉秀栄」「飯塚桃葉秀久」に言及がある[10]
  2. ^ 台紙付写真1枚、鶏卵紙に現像。11.1 cm × 15.9 cm (台紙の外寸12.9 cm × 17.9 cm )。画像に添えて墨書きで「■■縁の紐■■つふし、2中、1右、2左、綱、■■三個」。裏面にインクで「鶏蒔絵印籠 飯塚桃葉作、樋口蒔絵印籠 塩見政誠作、清水観音堂蒔絵印籠 古満寛哉作」、鉛筆画書きで「No.28(277、278、279)」と記入あり。東京国立博物館の機関管理番号:R-941[19]

出典

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  1. ^ コンサイス日本人名辞典 2009, p. 76.
  2. ^ a b c d 小松 1994, 『朝日日本歴史人物事典』、コトバンク.
  3. ^ 福田宰大『阿波の画人』福田宰大、2014年、8-10頁。 
  4. ^ 藤井喬『阿波人物志』原田印刷出版、1973年、12頁。doi:10.11501/12292143 国立国会図書館内限定公開、図書館・個人送信対象外、遠隔複写可。
  5. ^ 福田憲熈『阿波画人志』1995年、17頁。全国書誌番号:96021252 非売品。
  6. ^ 『阿波画人名鑑』徳島県教育会出版部〈徳島郷土双書 ; 15〉、1968年、8頁。全国書誌番号:75041033 
  7. ^ 山本武雄『阿波人物墓所誌』徳島県史編さん委員会、1988年。 著者別称は好狸庵主人。金沢治「あとがき」。
  8. ^ 徳島県立図書館 (2021年4月10日). “レファレンス事例詳細:質問(Question)飯塚桃葉について知りたい。”. 国立国会図書館. レファレンス共同データベース事例詳細. 2023年1月11日閲覧。に対する回答より、『阿波の画人』[3]、『阿波人物志』[4]『阿波画人志』[5]、『阿波画人名鑑』[6]、『阿波人物墓所誌』[7]がある。
  9. ^ a b 横井 1894, p. 37.
  10. ^ 宮本武史 編『徳島藩士譜』 上、徳島藩士譜刊行会、1989年、77頁。 
  11. ^ 文化審議会の答申(国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定等及び登録有形文化財(美術工芸品)の登録)II.解説 p.26
  12. ^ 蘆鷺蒔絵印籠”. 文化遺産オンライン. 文化庁. 2022年12月1日閲覧。
  13. ^ a b 建築工芸画 1913, コマ番号0011.jp2.
  14. ^ 美術画報 1914, コマ番号0010.jp2.
  15. ^ 大橋 2007, 「飯塚桃葉作塩山蒔絵細太刀拵(東京国立博物館蔵)とその文献史料」.
  16. ^ 塩山蒔絵細太刀拵”. 文化遺産オンライン. 文化庁. 2022年12月1日閲覧。
  17. ^ 蝶鳥平文蒔絵印籠”. 文化遺産オンライン. 文化庁. 2022年12月1日閲覧。
  18. ^ 鶏蒔絵印籠”. 文化遺産オンライン. 文化庁. 2022年12月1日閲覧。
  19. ^ ColBase 2022, 「飯塚桃葉作鶏蒔絵印籠他、古写真」.

関連項目

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